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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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2022年12月の記事一覧

2022年振り返り:ツクルバが挑戦するスモールキャップ上場のリアルと、上場後再成長する中で感じた上場スタートアップへの誤解と課題

初めに背景・目的 これは何か 私は金融専門家でないのであくまでスタートアップ経営者の立場としてお話します。 2022年の振り返りと、誰も教えてくれなかったスタートアップ経営の上場前後の実体験を交え、本気で上場後の中長期成長をやり切ろうとしている上場スタートアップは面白いぞ、ということをお伝えするのが本稿の目的です。 (取材協力 グロース・キャピタル株式会社) 2022年 スタートアップ冬の時代へ 2022年は米国を契機に市況が急激に悪化した混乱の1年でした。上場企業の

2023年以降の本邦IPOについて(前編)~T-IPO/Direct Listingなど

皆さん、こんにちは。松尾です。 最近出せていなかったのですが、年末ということもあり、久しぶりに何か書こうかな&そろそろ実名で運用しようかなと思いたち、今年1年で改正が進んだ来年以降のIPO制度について記事にしようと思います。 今回は前編/後編に分けての記事化を予定しており、前編では2023年以降日本でも事例が出てくるであろうTransparent IPOとDirect Listingの紹介、後編では日本版S-1方式採用によるIPOプロセスの変化と2022年のIPOの振り返り

SOのべスティング条件の整理_上場日・入社日・割当日

#0_前提日本の未上場スタートアップが、税制適格ストック・オプションを用いる場面を前提とする。 税制適格ストック・オプションにはほとんど全てのケースで、行使条件の一つとして会社の上場が設定される(税制適格要件の一つである株式保管委託要件との関係で事実上必要となるため。株式保管委託要件について詳しくは以下noteを参照。)。 この「行使条件としてほぼ必ず上場条件が設定される」という日本独特の事情が、日本のスタートアップのべスティング条件の考え方を独特なものにしている。 べ

スタートアップ冬の時代に上場する。〜noteのIPOに際して〜

2022年12月21日、note株式会社は東京証券取引所グロース市場に上場しました。ここまで来るのに様々な困難があり、IPOを支えてくださった関係者の方々、なによりもnoteを利用いただいているクリエイターやユーザーのみなさまに感謝を申し上げます。 今年は長年続いてきた株式の上昇相場が転換期を迎え、グロース株を中心に株式マーケットが大きく崩れ、「スタートアップ冬の時代」とも呼ばれました。この特異な環境下でIPOに至った当事者の立場から、激動の2022年の振り返りも兼ねて、今

むしろ今がチャンス、投資家と起業家が語る“スタートアップ冬の時代”にこそすべきこと

2022年12月10日、F VenturesはU25向けスタートアップの祭典『TORYUMON TOKYO 2022』を東京ミッドタウン日比谷6F BASE Q HALLで開催しました。3年ぶりとなるオフラインのイベントでは豪華ゲストによるトークセッションやピッチコンテスト、交流会などを実施しています。 第3部のセッションでは「スタートアップ冬の時代をどう乗り越えるか?」と題し、投資家と起業家の両方の視点で、2022年における株式市場や世界経済の低迷がスタートアップに与えて

未経験で大型デットファイナンスをしてみた

はじめにはじめまして、UPSIDERの佐藤です! 大手監査法人から2021年4月にUPSIDERにジョインし、これまでビジネスサイド、バックオフィス、ファイナンスなど色々やってきて、現在はコーポレートサクセスをやっているという、少し変わった(?)経歴の人間です。 唐突ですが、みなさんは以下のプレスリリースをご覧いただいた時に、どんなことを思うでしょうか? 私個人の推測ですが、何番目かに「ファイナンスチームにいる人、みんな経歴バリバリなんだろうな」という思いが出てくるのではな

リクルートやサイバーエージェントに並び、超えるようなGreat Companyを本気で創りたい

株式会社Nateeの代表をしてます小島領剣です。 本日弊社はシリーズBで4.2億円の資金調達を発表致しました。ベネッセさんをリード投資家として、リヴァンプさん、静岡キャピタルさん、GMO NIKKOさん、複数名の個人投資家を新たに株主に迎え、そして既存株主からXTech Venturesとキュービックベンチャーズには追加で出資をいただきました。 今回のラウンドでは、これまで案件等の取引があった企業だったり、長期的にリレーションがあった個人の方からのみの調達になります。事業

リクルートで財務と投資部門を経験し、自分でも起業して売却まで経験したCFOがなぜNateeでGreatCompanyにコミットするのか

株式会社Nateeの小澤です。 Nateeではさらなる事業拡大のためにシリーズBで4.2億円の資金調達を実行し、本日発表致しました。 私がNateeにジョインしてから1年4ヶ月の間にも、主要事業であるTikTokの市場は急速に伸び、CFOとして関わりながら会社の急成長に対応してきました。 CFOという立場上、表に出てくることは少ないのですが、社内外にきちんとどんな人間がCFOを担っているのかをお伝えしたく、Nateeという会社の信念や哲学、そして目指すビジョンについて、

冬の時代と言われ始めた中での10.6億円の資金調達。実際にやったこと・やってよかったこと。

すでに公表させていただいているとおり、、日本郵政キャピタル株式会社(JPC)とフェムトパートナーズ株式会社(Femto)をリードインベスターとした、三菱UFJキャピタル株式会社(MUCAP)、三井住友海上キャピタル株式会社(MSIVC)、AGキャピタル株式会社(AGC)からの第三者割当増資により、総額10.6億円の資金調達を実施いたしました。  今回の資金調達を振り返ってみると、昨年までのSaaS企業を中心としたPSR(株価売上高倍率)マルチプル20~100倍という高めの水

最近のスタートアップ資金調達環境と2023年のトレンド予測(前編)

お疲れさまです。 千葉道場ファンドの石井(Twitter: @takaki_ishii)です。 元起業家で現在千葉道場ファンドというVCで投資家をしています。主にシード・アーリー(プレA)またはレイターステージで投資しています。(超ざっくりな自己紹介) 例年ダイヤモンドシグナルさんの記事で来年のトレンド予測を書かせていただいておりますが、個人noteでは直近のスタートアップの資金調達環境も添えて、2023年のトレンド予測をできればと思っています!(が、だいたい外れます…笑

~VC対談~ VCが語るニーリーの大型資金調達の裏側

モビリティSaaS「Park Direct(パークダイレクト)」を運営する株式会社ニーリーは、シリーズAラウンドとして、SBIインベストメント株式会社、スパークス・グループ株式会社(未来創生3号ファンド)、三菱UFJキャピタル株式会社、新明和工業株式会社、横浜キャピタル株式会社、静岡キャピタル株式会社、小僧com株式会社を割当先とする、総額19.4億円の資金調達を実施しました。ニーリーの累計調達額は23億円となりました。https://prtimes.jp/main/html

ニーリー、累計調達額23億円の資金調達を実施モビリティ領域のSaaSとして事業拡大

株式会社ニーリーは「社会の解像度を上げる」ことをミッションに掲げ、2019年より月極駐車場のオンライン契約・管理サービスであるPark Directを運営しております。2022年4月に、さらなる事業の拡大を見据え、シリーズAで総額約19.4億円の資金調達を完了しました。 今回の資金調達を振り返り、創業に至ったエピソードや今後の事業展望について、代表取締役の佐藤養太が語ります。 ※この記事は、代表取締役である佐藤養太(写真中央)へのインタビュー内容をもとに、一人称形式で編集