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未経験で大型デットファイナンスをしてみた

はじめに

はじめまして、UPSIDERの佐藤です!
大手監査法人から2021年4月にUPSIDERにジョインし、これまでビジネスサイド、バックオフィス、ファイナンスなど色々やってきて、現在はコーポレートサクセスをやっているという、少し変わった(?)経歴の人間です。
唐突ですが、みなさんは以下のプレスリリースをご覧いただいた時に、どんなことを思うでしょうか?

私個人の推測ですが、何番目かに「ファイナンスチームにいる人、みんな経歴バリバリなんだろうな」という思いが出てくるのではないかと思っています。
(他には「え!?スタートアップでこの規模のデットファイナンスを!?(できらぁ!!)」などの感想が出てくるかと思いますが、割愛いたします。)

ただ・・・そう、タイトルにある通り、私含め、今回ファイナンスチームはほぼデットファイナンス未経験でこのプロジェクトに臨んだのです。
ウソでしょ!?と思うかもしれませんが、本当です。
(「ウソ」といえば、VPoEの清水のこちらの投稿も是非読んでいただけると嬉しいです。)
このnoteでは、手探りのなかでデットファイナンスをどう進めたのか、そしてUPSIDERでのデットファイナンスのやりがい、面白さをお伝え出来たらと思って筆をとっています。未経験者であったがゆえ、専門の方からすれば「当たり前でしょ」と思う部分もあるかと思いますが(笑)、自分なりにまとめてみたので、ぜひお読みいただければ嬉しいです!
(スキームや条件など、テクニカルな話は記載してません。そこが知りたい!という方もいらっしゃるかと思うのですが、ご容赦ください。)

何を大事にしたか

デットファイナンスのプロジェクトを進めるにあたって、以下のポイントを大事にしていました。

  • デットファイナンスによって何を達成したいのか

  • 優先すべき点は何か、逆に、劣後できうる点は何か

  • その時々で、上記に変化がないか

ひとつひとつ、説明していきます。

デットファイナンスによって何を達成したいのか

UPSIDERは事業成長を継続させていくために、デットファイナンスという選択をとっています。つまり、デットファイナンスによって「継続して成長できる状態を作りたかった」わけです。この目的をぶらさないことを大事にしていました。
当たり前の話ですが、仮にデットでの調達ができたとしても、それが達成したい目的に沿わないスキーム、条件であれば意味がありません。むしろコストやリソースがかかる分、やらない方がよいと言えます。
様々な調整、協議項目がある中で、その一つ一つが事業のエコノミクスにどのような影響があるのか、資金繰りはどう変化するのか、その上で目標を達成できるのか。こういったことを考えていました。

優先すべき点は何か、逆に、劣後できうる点は何か

大きな目標は「事業成長」が可能になるデットファイナンスを行うことですが、全ての条件を自分たちにとってよい条件とすることはほぼ無理で、かつ時間もかかります。そして案件の確度まで低くなってしまいます(宮城やもう一人のファイナンスメンバーの石原とは「着金するまでがファイナンスだよね」という話を幾度となくしていました 笑)。
そういった中で、1点目の「何を達成したいのか」を大前提に、どの条件は譲れないのか、逆にどの条件は譲歩できるのか、という観点で条件案を見直し、協議を重ねました。特に譲歩する点に関しては「可逆的な条件か否か」という点も考慮に入れたうえで意思決定を進めていきました。

その時々で、上記に変化がないか

大型の調達であるがゆえ、プロジェクトの着地までに時間を要しました。特に昨今の市況の不透明さもあってか、着地までに紆余曲折もあったのですが、その度に現在の状態が「事業成長」という目的に寄与するものなのか、また「優先すべき点」に変化が無いかをファイナンスチームとして短いスパンで確認しながら進めていきました。次の「プロジェクトをどう進めたか」にも関わるのですが、個別の案件に潜り込むあまり全体を俯瞰することがどうしても疎かになってしまうことがあり、それに気付いてからは意識的に見直すようにしていました。
シンプルなデットファイナンスを短期間にまとめるということであれば、あまり考える必要はないかもしれません。一方で複雑なスキームのファイナンスの場合には、協議項目も多いので必然的に時間がかかるため、定期的に見直すことをお勧めします。

プロジェクトをどうすすめたか

上記でうまく回っていたように書いていますが、最初からしっかりとできていたかというと、そんなことはありません。何度も言います、未経験です(笑)。
最初は私が全体の戦略も見ながら個別の案件についても協議を重ねつつ、適宜宮城や石原にサポートに入ってもらうという体制だったのですが、端的にいうとうまく回りませんでした。
原因は「全体を俯瞰する」ことと、「個別の案件に潜る」ことの両立ができなかったのです。これは私の力不足でもあると思うのですが、一方でそれができる人がいれば、間違いなくスーパーマンだな、とも思います。
そして、できないことはできないとして途中から明確にチームの役割を切り替えました。具体的には、以下の体制です。

  • 俯瞰して全体最適を見る人:宮城

  • 個別の案件に潜ってその案件を実行に向けてベストな状態に引き上げる人:石原、佐藤

結論、体制を変えてからかなりうまく回ったという感覚があります。チームとして役割を明確化することで、お互いの背中を預け合うことができ、それぞれの目の前の壁を乗り越えることに注力できたなと思います。
特に、ファイナンスだと同時並行でいくつかの案件が進みます。一方で、案件を具体化していくには潜り込むことが必須で、そうなると自身が担当している案件には愛着がわいてしまい、全体最適が取れなくなる。こう考えると体制変更は必然だったのかなと振り返ると思います(プロジェクトマネジメントという観点では当然の話なのですが、、)。
最終的には、「ファイナンスチーム」の成果として大型のデットファイナンスが出来たことに大きな達成感と自信を持つことができました。

何が活きたと感じているか

もちろん、プロジェクトをチームとしてうまく回すのみではデットファイナンスは成立しません。
デットファイナンスの成否に影響する要素は会社や事業の状況、市場規模、そもそもの資金ニーズなどさまざまなものがあると思いますが、振り返って考えたときに「これが活きたなぁ」と感じたものを2つ書きたいと思います。

KPIの実績

「一発目から当たり前すぎること言いやがったな」と思うかもしれませんが、やはり事業の実績はなによりも説得力があるな、、とつくづく実感しました。すべてのUPSIDERのユーザーの皆さんが使い続けてきてくれたからこその実績で、感謝の思いを何度でもお伝えしたいと思っています。
本当に、ユーザーの皆さんのお陰でUPSIDERは更なる成長ができる状態になれました!!

レンダーの方と接するスタンス

レンダーの方々とは、条件等の話のみならずUPSIDERがサービスを通してどんな世界にしていきたいのか、どんな価値をユーザーに届けていきたいのか、はたまた直近であったポジティブな事業の話などなど、いろいろな話をしてきました。これはレンダーの方々にも、「UPSIDERという船に乗りたい」と思ってもらうために敢えてお話していたのですが、個人の感情としても「自分が信じてベットしているUPSIDERの魅力を他の方にも感じてもらいたい」という思いから熱く語っていました。
この行動がどのくらいの効果があったのかを測定するのは難しいですが、結果としてレンダーのみなさんがUPSIDERと一緒に何かやりたい、と思ってくださった事が非常に大きかったと感じています。

最後に

改めて、UPSIDERは2022年10月19日に467億円のデットファイナンスのリリースをさせていただき、さまざまな方から祝福のお言葉をいただきました。
レンダーとなっていただいた各金融機関、UPSIDERのユーザー、株主やさまざまな関係者のみなさま、個別にご相談、壁打ちさせていただいた方々、そしてUPSIDERのメンバーに改めて感謝を申し上げたいです。本当にありがとうございました!
今回のデットファイナンスは、みなさまからの今後のUPSIDERへの期待の表れでもあり、本当に身が引き締まる想いです。
共同代表の宮城も別のnote内で「まだまだミッションの進捗率は1%以下」と言っていますが、UPSIDERの一メンバーとしても全く同じ感覚で、まだまだやりたいことが山ほどあります。
そして、この環境がシンプルにすごいチャレンジングで、かつめちゃくちゃ面白いと思っています。未経験でここまでの大型デットファイナンスをしたなんて、1年前の自分に言っても多分信じないので(笑)。

本当に最後の最後に、UPSIDERの事をもっと知りたい!面白そう!自分もデカいチャレンジしたい!!という方は是非採用ページを見てください。そして、ご応募お待ちしております!


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