島内洋人/法律事務所ZeLo

弁護士(法律事務所ZeLo・外国法共同事業、第二東京弁護士会)

島内洋人/法律事務所ZeLo

弁護士(法律事務所ZeLo・外国法共同事業、第二東京弁護士会)

最近の記事

Deepfake Drakeとパブリシティ権のマルチモーダル化

Deepfake Drake生成AIの話題が尽きない日々だが、最近興味深かったトピックに"Deepfake Drake"がある。 ghostwriter977というtiktokアカウントが、"Heart on my sleeve"という曲をアップロードしたのだが、ボーカルにAIで生成されたDrakeとThe Weekndの声があてられていた(ビートとリリックはおそらく自作)。 Drake・The Weekndのいずれも時代を代表する超著名アーティストだが、この曲に本人は関わ

    • 税制適格SOの適格要件の"真の意味"

      #0_適格要件の意味は意外に勘違いされているほとんどのスタートアップで税制適格SOが用いられている。 税制適格SOは、法律上の適格要件を満たすように設計することで、SOホルダーが大きな税制メリット(SO行使時非課税、SO行使後の株式譲渡時点で株式譲渡所得として分離課税)を得ることができるものである。 意図された税制優遇を受けるためには、法律上の適格要件を確実に満たす必要がある。 しかし、SOの実務に携わっていると、税制適格SOの適格要件の意味が意外に勘違いされていることが

      • SOのべスティング条件の整理_上場日・入社日・割当日

        #0_前提日本の未上場スタートアップが、税制適格ストック・オプションを用いる場面を前提とする。 税制適格ストック・オプションにはほとんど全てのケースで、行使条件の一つとして会社の上場が設定される(税制適格要件の一つである株式保管委託要件との関係で事実上必要となるため。株式保管委託要件について詳しくは以下noteを参照。)。 この「行使条件としてほぼ必ず上場条件が設定される」という日本独特の事情が、日本のスタートアップのべスティング条件の考え方を独特なものにしている。 べ

        • 【株式保管委託要件】M&Aイグジットでストックオプションの税制優遇を受ける方法

          #0. QUICK TAKE上場イグジットだけでなく、M&Aイグジットでも税制適格SOの税制優遇を受ける方法はある。 ただしその手続負担は軽くない。証券会社との契約締結、SOホルダー全員の証券口座開設、株券発行会社への移行(=株式を紙媒体で発行)が必要になる。 そうした手続きに1~2か月かかってしまうこともあるので、M&Aのスケジュールとの関係で要注意。 #1. M&Aイグジットの際の扱いは意外と知られていないスタートアップの多くがストックオプションを発行し、メンバーの

        Deepfake Drakeとパブリシティ権のマルチモーダル化