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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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2022年3月の記事一覧

約50億円のエクイティ資金調達をしたKyashシリーズDのリアル

※ こちらの記事はおかげ様で大変好評を頂いておりましたが、退職に伴い非公開とさせて頂いております。個別にご連絡頂ければ、Kyashとの守秘義務に抵触しない範囲で私の経験値は社会に還元していきたいと思っております。 Fintech系スタートアップのKyashで取締役CFOとして担当したシリーズD資金調達の振り返りを主に以下のようなトピックでまとめていました。 振り返り①:投資家層の転換 振り返り②:バリュエーション 振り返り③:ストラテジック投資家 振り返り④:既存株

海外投資家の国内スタートアップ市場への投資状況

今回は、海外投資家による日本のスタートアップ市場への投資状況をまとめました。2020年のコロナの落ち込みから大きく回復し、2021年の国内スタートアップの調達額が8000億円程度まで拡大しました。二桁億円の資金調達も珍しくなったのはVCとしても時代が変わったと感じる部分です。その中でも特筆すべきは、海外投資家による日本のスタートアップマーケットへの参入の増加です。 本稿では、日本のスタートアップ市場は海外投資家からどのように映っているのか?実際に2021年は2020年以前と

CFOとしての100日プラン

はじめまして。「お金の問題を出会いで解決する」をミッションに事業を展開する400Fで CFOを務める鵜月です。 11月に入社して以降、今日で100営業日目かつちょうど33歳になる日、ということで記念に入社以降これまでやってきたことや、今スタートアップに行こうか迷っている方に多少なりとも参考になりそうな情報を書き記したいと思い、初投稿しました。 まず簡単に自己紹介をすると、国内証券会社のIPO部門でキャリアをスタートしたあと、コンサルティング会社や外資系投資銀行を経て、当社

【TerraDroneの今とこれからについて】

初めまして。Terra Drone株式会社最高執行責任者の関鉄平と申します。 2022年3月23日、Terra DroneはシリーズBで80億円の資金調達を発表いたしました。 現在、弊社はドローンを使った測量・点検・運航管理システムの3つの事業を、国内外合わせて10カ国以上に事業展開しています。今回80億円のシリーズBの資金調達を経て、エアモビリティ領域(=ドローン・飛行機・空飛ぶクルマなどが利活用される領域)における世界No.1に向かって突き進んでいきます。 こちらのNo

IPOをあきらめかけたことがある、という話

2022年3月1日で、Chatworkは11周年を迎えることができました。 この流れの速いインターネット業界において、10年以上続くサービスというのもあまりなく、Chatworkが社内システムからはじまったことを思えば感慨深いものがあります。 Chatworkは約11年前の2011年3月1日に正式リリースされ、2015年4月27日にはじめて外部の資金調達を実施しスタートアップの道へ。そこから2019年9月24日に東証マザーズへとIPOを果たしました。 リリースしてから8

ストックオプションを設計するときに最初に読むnote (随時更新)

1. はじめにこんにちは。五常・アンド・カンパニーの堅田です。本職は財務・経営管理ですが、これまで複数のスタートアップで組織・人事の仕事にも携わってきました。本稿のテーマであるストックオプションは、人事と財務の交差点に位置するため、その設計から運用まで一定の経験を有しています。 昨年、日本を代表するスタートアップ SmartHRの創業者である宮田さんが以下のようなTweetをしておられるのを拝見し、また個人として応援しているスタートアップの創業者から同様の相談を受ける機会も

Coinbaseから出資を受けました。

こんにちは、Astar Networkの渡辺創太です。今回、AstarはCoinbase本体が運営するCoinbase Venturesより出資を受けました。Coinbaseは米国最大の暗号資産取引所であり、先日アメリカでIPOした際には大きなニュースになったのでみんなご存じだと思います。この業界の最大のリーダーに出資をいただいたことは非常に光栄であり、CoinbaseをAstarエコシステムに迎え入れることによって、Astarのエコシステムは世界トップの取引所(Binanc