【入門】SDGs&IDGsってなんだろう??(Inner Development Goals)
(2023年8月17日更新)
【追記】IDGs解説本の発売が決定しました。
初の試みですが、質問者Qさんと貸本屋モトの会話形式で学びを深めてみたいと思います。
Qさん:早速ですが、SDGsもよくわかっていないのですが、同時にIDGsも!?
貸本屋モト:私も詳しいわけではないので一緒に勉強してみましょう!
まずはSDGsから
Qさん:SDGsは、よく聞くようになったのですが、17個の目標があって、どれかだけを達成すればいいわけじゃなくて、全てを達成しなければいけないってところまで何となく知っているけど、中身についてよく知らない。。。です。
貸本屋モト:SDGsのウェディングケーキモデルというのがあるみたいですよ。わかりやすそうなので、それを使って考えてみますね。
SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」をケーキの頂点として、その下にある3つの階層「経済圏」「社会圏」「生物圏」で構成されています。
3つの階層の上下は意味があって、「経済」の発展は生活や教育などの社会条件によって成り立ち、「社会圏」は下の層の「生物圏」、つまりは人々が生活するために必要な自然環境によって支えられていると。
Qさん:下のケーキが、上のケーキを支えてるってことですね!
上のケーキを載せても、下のケーキが崩れたら倒れそうですね。
貸本屋モト:まさに。経済だけ達成しても生体圏が崩れていたり、社会のバランスが取れていなかったら長い目で見て持続可能(サステナブル)ではないってことですね。ケーキモデル良く出来ていますね。
ウェディングケーキモデルについて
貸本屋モト:ウェディングケーキモデルで補足的に思うところは、下段が上段を支えているのはもちろん、上段も下段に影響を与えるというところでしょうか。
たとえば、社会圏においてある目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や経済圏においてある目標12「つくる責任つかう責任」はエネルギーや製品生産時の廃棄物の話も含まれると思いますが、これって生物圏にダイレクトに影響を与えることもありますよね。
私が、もっとも難しそうだと感じた部分は、目標10「人や国の不平等をなくそう」で、個別で経済活動を進めていると国内および国間の不平等を是正するのは、最後まで残りそうな難しい問題だなと。。。加えて国間の不平等を是正していかない限り、貧困や飢餓の問題(目標1,2)も解決できないようにも思えるのです。
Qさん:SDGsの各目標が複雑に絡み合っていて関係を理解するのは難しいですね。。。
貸本屋モト:本当に難しいですね。個別目標に取り組みながらも他全ての目標を横目で見ていないと全てのゴールに到達できないということだと思います。
IDGsとは?
Qさん:SDGsの目標の大別とそれぞれが複雑に絡み合っていることはなんとなくわかりました。
それでは、IDGs(Inner Development Goals)の概要を教えてください。
貸本屋モト:はい、それではIDGsの概要説明を。
SDGsの取組み進捗が芳しくないのもあってでしょうか?
精神、内面(Inner)も同時に高めなければ、世の中は良くならないし持続可能な社会は実現できない。内面の成長を促すことは必要不可欠だ。ということで、
17の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために必要な能力、資質、スキルの⻘写真をInner Development Goals(IDGs)「内面の成長目標」として国際的に策定しようという試みのようです。とはいえまだ枠組み自体を検討の最中でもあります。
Qさん:SDGsの達成には、内面の成長も必要だと。
Qさん:どのような人たちがIDGsの策定に関わっているのですか?
貸本屋モト:スウェーデンが中心となって推進しそれに賛同する形で、コスタ・リカも国を挙げて枠組み策定に乗り出しリーダーシップを発揮し、ルワンダも積極的に参画し始めています。
アカデミックでは、ハーバード大学やストックホルム大学などが、実業界からはGoogle、IKEAなど世界的な企業もパートナーとして参画しています。
初めて行われた国際サミットもポジティブな空気が流れ、会場を巻き込んだ講演が続き異様な盛り上がりの中終了しました。
今後目が離せない展開になりそうです。
Qさん:具体的なIDGsの達成目標もSDGsのように設定されているのでしょうか?
貸本屋モト:はい。下のように5つのカテゴリーと23の項目が提示されています。が、ゴールという形にはなっていない気もします。達成度自体も測りにくいものですし、今後どのような枠組みと展開があるか注目しています。
5つのカテゴリーは、
Being-あり方
Thinking-考える(考え方)
Relating-つながりを意識する(関わり方)
Collaborating-協働する(こと)
Acting-行動する(こと)
です。23の項目は下記の表に示したように、具体的な思考スキルや心のあり様が提示されています。
フレームワークの出所は下記リンクから。
勝手にIDGs版ウェディングケーキモデル?
Qさん:SDGsのウェディングケーキモデルのように、5つのカテゴリーを整理することはできるのでしょうか?
貸本屋モト:私の思うところですが、下のように整理してみました。
Qさん:土台がBeingとRelatingで二つのスキルThinkingとCollaboratingを通してActingにつなげていく、そんなイメージでしょうか?
貸本屋モト:基本そんなイメージで描いています。解説してみます。
Beingが自己のあり方、
Relatingが他者や外の世界との関わり方、この2つがベースになるように感じます。
Beingが「あり方ー自己との関係性」としているところは、自身を客観的に見る力が必要だと言っているようにも思います。
Qさん:自分を客観的にですか。。。
貸本屋モト:自分の行動や考えをあたかも外側からみているように見つめられる力といったらいいでしょうか?メタ認知なんて言い方もするみたいです。私が出来ているわけではないですが、、、
Beingは自己(inner)との関係性、Relatingは他者(others)や外の世界(outer)との関係性や配慮をいっています。この2つは相互に関連した考え方のベースになる要素だと感じています。
Qさん:次は2つのスキルですね。
貸本屋モト:
Thinking-考え方(考えること)は、認知のスキルでクリティカルシンキングや複雑さの認識(つまりはシステム思考)など思考法が項目に上がっています。
これらは、「自身のあり方」を考えるのを助けたり、「行動」を助けたりするツールだとも言えそうです。
Collaborating-協働(すること)は、「社会的スキル」で他者との関係性を助けるスキルだと言えそうです。
Qさん:説明の最後は変化を推進するActingということですが、ここがゴールということでしょうか。
貸本屋モト:
最終的に変化を生み出す「行動」に繋げるのでゴールとも取れますが、必ずしもここがゴールではなく、一歩踏み出した「行動」の結果、他者からのフィードバックで自身のあり方Beingや他者への配慮Relatingの考え方も変わるかもしれない。そんなことを考えて、矢印を双方向にしてみました。
IDGsの5つのカテゴリーと23項目
Qさん:5つのカテゴリーの中の23項目も解説はありますか?
貸本屋モト:各項目に解説文が公開されています。よく読んでみると学びもあると思うので、載せておきます。私もこれから学びを深めていこうと思っています。
今回は、SDGsを見直しながらIDGsも少し噛み砕いて書いてみました。
探求が深まり、世の中が少しずつよくなることを祈りつつ。
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