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#漁獲報告

TAC対象のクロマグロ管理「投棄・自家消費分も漁獲報告は義務」と水産庁

TAC対象のクロマグロ管理「投棄・自家消費分も漁獲報告は義務」と水産庁

 太平洋クロマグロのように国が漁獲可能量(TAC)を設定している魚種のことを特定水産資源といい、漁業法では漁業者に漁獲報告を義務付けています。水揚げして魚市場で売ったものはもちろん、漁業者が自分で販売したもの、自家消費したものを含めて漁獲報告をしなければならないのです。

 昨年7月、気仙沼市魚市場で計量後に漁獲上限を超えたことがわかって船にクロマグロを持ち帰ったことが水産関係者に目撃された大目流

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大間漁協、マグロ漁獲未報告4トン修正~違反者に「操業停止1か月」「罰金50万円」という独自制裁も?

大間漁協、マグロ漁獲未報告4トン修正~違反者に「操業停止1か月」「罰金50万円」という独自制裁も?

 青森県の大間漁業協同組合が今年2月15日に作成した「クロマグロの採捕修正報告について」と題する文書を入手しました。

 「令和3年7月から9月にかけ一部の漁業者による漁獲報告漏れ(未報告)が発覚しました」

 そんな書き出しから始まる文書の宛先は「クロマグロ協定管理委員長」です。青森県内の漁協が参加し、県水産振興課の助言を受けつつ県漁連が事務局を務める「くろまぐろ管理協定委員会」にあてたものとみ

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クロマグロ漁獲報告義務の履行について、スシローが「未確認」という驚き

クロマグロ漁獲報告義務の履行について、スシローが「未確認」という驚き

 回転ずし「スシロー」の親会社、FOOD&LIFE COMPANIES(以下F&L)が15日、「食材に関するお知らせ」を同社のホームページ上で発表しました。同社が扱った大間産のクロマグロに関して国の漁獲枠に沿ったものかどうか、つまり合法な漁獲によるものか、ヤミ漁獲によるものかの確認を進めている、という内容です。

 結果が出るのを待たず、調査を始めたというだけで公表するなんて、外食産業のプレスリリ

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「大間まぐろ」とは「大間沖」でとれたクロマグロのはず〜豊洲市場の目利きたちに問いたい初歩的な商品審査の現実

「大間まぐろ」とは「大間沖」でとれたクロマグロのはず〜豊洲市場の目利きたちに問いたい初歩的な商品審査の現実

初セリの落札価格の予想だけでよいのか?
 まもなく新年です。例年この時期になると、豊洲市場のマグロの初セリに関する話題や、初セリ最高値の常連、青森県大間の漁師たちが津軽海峡で巨大マグロを釣ろうとする姿を描くテレビの特番に注目が集まります。

 

 例えば、写真のような時事通信水産部による「2022年のマグロ初競りはどうなる」という記事がその典型です。

 この記事では2021年はコロナ禍を意識

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