kashi

陰気

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陰気

最近の記事

伝える 届ける

消えてしまいたいと思いました 好きなものを好きだと言うのにも、上手な生き方が必要なんだと わかっています 言葉は上手く出ない 共有したいだけなのに 喉を通って口から出るのはなんだか不恰好な言葉で そういう自分が憎くて、殺したいと思います 清らかな歌が耳を通るとき 素直でいられる気持ちがしました ずっとそう思えると確信できるのです それが私の手札です キーボードに手をかける ディスプレイと目を合わせたら、私の番が来ます

    • 口をついて出た

      ピースの足りないパズルを埋める。他人の言葉、歌、君の後ろ姿____ 嘘をついたんじゃない、ぼやけた自分の姿を上手く喋れなかっただけ。それが君を傷つけて 僕はまた首に手を当てた。 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。 浮く意識と溢れた涙が虚しくて、苦しいよ。 神様に選ばれなかった人間が、不自由な言葉で何を伝えるか。その結果がこれなんだ。 意味が無いんだ全部。君を傷つけたこの刃さえそうだ。 君に触れられた場所が全部呪いになる。 手を握って一緒に泣

      • 無音

        莫大なロックンロールが鳴り響く、ちっぽけな部屋 怖かったから逃げ出した これしか無いって手を伸ばしたものにすら上手く届かない 嫌だよ 僕の音を探って迷ってる 嫌いな物を数えて、5つを越したら鏡を割った こんなもの捨てたい 捨てる先が恐ろしくてまた涙が込み上げた 明日が来る 俯いたまま朝が来る

        • 踊り踊る

          赤と緑の蓮が頭の後ろで光っている 舌まで黒い口の中 見えない未来が見えている 大きく見える幻想が本当はちっぽけであることから目を逸らして踊っている 震えた炭酸水が脳の隙間に浸透し 気持ちいい 踊る また踊る 苦痛のしっぽを掴んで振り回す 化け物が駆けている サイレンが鳴っている 下駄で転ぶ、額から血が出る 踊る 足音がする 無視をして踊る

        伝える 届ける

          薬指

          時の鶴 戸の音 いおりの幹 小夜ぐさ あしがけ るりこのは この夜はこの蜜を陸の囁きですから、扉は黄色ですから、明日は酔いどれですから、隅ですから......。 さし、あし、こし、ゆきのはて。

          下書きに残ってたので投稿しておきます

          彼を纏う深い霧は、綺麗な藍色をしている。 繊細で、しかし確かで、深い藍色である。薄い灰色を引き連れたわたしの興味を引くには十分であった。 わたしは霧の入り口に踏み入って、色の流れをじっと見つめていた。彼の座る場所はまだ遠いが焦ることもない。足取りは呑気で、薄い色 寂しい色 幼い色をゆっくりと認識した。 「そんなことをしていても、霧は晴れてはくれません」 遠くから彼の声が聞こえた。強く重たい声をしていたと思う。 「そうだね。わたしは酷い人だね」 「僕もそう思います」 わ

          下書きに残ってたので投稿しておきます

          青春コンプレックス

          スカートを折っても 第1ボタンを開けてもただの猿真似 子供らしくいられないのなら大人になれると思ってた。その実、わたしはただ足がついていかないだけで それに気づけないから未成年だった。 教室も体育館もグラウンドもただ見つめるだけだったことを覚えてる。登場人物にはなれそうもなくて、ただ音楽を聴いていた。一緒に笑ったりしたかったなぁ。私の目を見て欲しかった。 そのとき落としていた影の濃さも日に日に忘れて、普通になれていなかったことだけが今も頭を蝕む。その程度のものだったこと

          青春コンプレックス

          価値を食べて

          ピンク色のダブルベッド、憂いを瞳に閉じ込めて寝そべるあたしがいる。 この華やかなお部屋がただの処刑台であることをあたしは知っているけれど、目を瞑ったとき肌に触れるまつげがなんだか心地いい。だからそれで全部チャラにするの。 美しくない。悲劇じゃない。ただ罪を持って罰を受けるだけ。真っ赤な林檎に生まれずに毒林檎に生まれたのなら 唇から毒を回すだけでいい。それでも買い手がいるものよ。 触れて、抱き締めて。身体のすみから少しずつあたしを注いでいく。ねぇ 覚えていて欲しいの。忘れ

          価値を食べて

          ゆりかご

          それは、ナイフで開けば呆気なく 特別なものはない 感情のそれぞれ。 それを、あなたに素手で探って欲しかった。見えない 見えないと躍起になり 夢中でいて欲しかった。隠した部屋の奥にはわたしが1人泣いていて、あなたを拒みながら求めていた。 あなたの特別になれたって期待してしまった。ううん、まだ期待してるの。ごめんね大人になれなくて。長い間眠っていたせいでなかなか夢から覚めない。 抱き締めたら近づけるなんて嘘。手を繋いでもキスをしたってひとりぼっち。だってあなたの瞳は見つめる

          ゆりかご

          君は完璧だ。 君の弱さには過去の影があって、余計な雑味を君は無いものとできる。だから君は完璧なのだ。 弱さを隠す笑い方が、弱さを濃く見せている君は わざとなんじゃないかなって思うくらいで。でもきっと違うんだね。そこには弱さを隠す弱い君がいるだけだ。 理由のある感情が一番美しい。筋書きが見えた方がきっと素敵だと思う。人にはみんなそれがあると君は言った。そういうところが完璧だと思う。 偽物みたいに進む君の物語で私に役が与えられるとすればそれはどんな役か。私は嘘つきだからそ

          辛いことがあったんだと思うから

          自分勝手な人は、きっと弱い人。 自分が悪いことを受け入れて傷つけない、やわらかい心を持った人。 怖いことがあったよね、もう泣きたくないんだよね。 大丈夫だよ。 泣き虫な人は、きっと優しい人。 周りの人のことで心を痛めて、自分を責めて頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう人。 嫌われたり、傷つけたりしたくなかったよね。 大丈夫だよ。 口が悪い人は、きっと見栄っ張りな人。 自分のことが恥ずかしくて、強い言葉でそれらを覆い隠してしまう人。 失望されたり、がっかりされたくなかったよね

          辛いことがあったんだと思うから

          あほらし

          あたし、今どんな顔してる 素直に聞かせてくれたらいい、それから先のことはあたしが勝手に処理するから。あたしの中で大事なことを知るためにあなたの目を使う それだけ。 あたしがあたしの形を見つけるのは、長い夢から覚めたとき 他にもあるけど......要するに、ひとりぼっちのとき。あたしはその時間がとっても大切だから みんなそう、なんて言われたって割とどうでもいい。 ぐにょぐにょと常にかたちを変えるあたしが、あなたの前で価値があるならそれはどんな価値でも構わない。でも、あたし

          あほらし

          悲しい

          他人が他人であること、自分が分からないこと、普通になれないこと、特別じゃないこと、特別になりたかったこと、笑われてること、軽蔑されてること、誤解されてること 生まれてきて、これからも生きていくこと

          探す

          運命を探している。 初めて来た街のカフェ、サムネイルが目を引くミュージックビデオ、深夜のテレビの地下アイドル。好きだと思ったから、運命になる気がした。そうやってずっとふらふらと探している。 そんなものが無いことも、そんなものが無くてもいいこともわかってきた。世界がつまらなくなるかもって思う。わたしの好きってどんな形だったんだろう。ずっと望んでいた運命をぼんやりとだけ手に入れたとき、わたしは満たされないのかもしれない。 世界が美しく見えるのは、世界を知らないから。ならば、

          進んでる

          酔っ払うと舌を触る癖、首の傾げ方、上手く好きになれなかった教室。 私の幼さが色んなところに散らばってるの、誰かが気づいているかなって思う。ずっと足りなくて不器用だな。 わたしってちょっとわざとらしいよね。そういえば、子供が写真に写るときってわざとらしくポーズを取っていると思わない?わたしっていつもカメラを向けられているような気分なのかも。 幼い頃から、自分がみんなと同じ背丈で生きれてないことはわかってた。それから色んなことがあって自分の形がどんどんくっきりと見えるように

          進んでる

          【詩】りぼんのきみ

          危うさも衝動性も、全て少女だ 少女には暗く怖い世界で、彼女はフリルを纏って耐え忍ぶ 藍色の言葉もりぼんで包んで それを正義とする 愛しいね、不安の形を教えて きみの抱えるもの全てに意味がある 可愛らしい表情を見せて、荒れた肌と艶やかな瞳が素敵だ きみの夢を少しでも長く見れたらいいと思う りぼんの少女の桃色の夢 大好きだよ

          【詩】りぼんのきみ