kashi

陰気

kashi

陰気

最近の記事

ゆりかご

それは、ナイフで開けば呆気なく 特別なものはない 感情のそれぞれ。 それを、あなたに素手で探って欲しかった。見えない 見えないと躍起になり 夢中でいて欲しかった。隠した部屋の奥にはわたしが1人泣いていて、あなたを拒みながら求めていた。 あなたの特別になれたって期待してしまった。ううん、まだ期待してるの。ごめんね大人になれなくて。長い間眠っていたせいでなかなか夢から覚めない。 抱き締めたら近づけるなんて嘘。手を繋いでもキスをしたってひとりぼっち。だってあなたの瞳は見つめる

    • 君は完璧だ。 君の弱さには過去の影があって、余計な雑味を君は無いものとできる。だから君は完璧なのだ。 弱さを隠す笑い方が、弱さを濃く見せている君は わざとなんじゃないかなって思うくらいで。でもきっと違うんだね。そこには弱さを隠す弱い君がいるだけだ。 理由のある感情が一番美しい。筋書きが見えた方がきっと素敵だと思う。人にはみんなそれがあると君は言った。そういうところが完璧だと思う。 偽物みたいに進む君の物語で私に役が与えられるとすればそれはどんな役か。私は嘘つきだからそ

      • 辛いことがあったんだと思うから

        自分勝手な人は、きっと弱い人。 自分が悪いことを受け入れて傷つけない、やわらかい心を持った人。 怖いことがあったよね、もう泣きたくないんだよね。 大丈夫だよ。 泣き虫な人は、きっと優しい人。 周りの人のことで心を痛めて、自分を責めて頭の中がぐちゃぐちゃになってしまう人。 嫌われたり、傷つけたりしたくなかったよね。 大丈夫だよ。 口が悪い人は、きっと見栄っ張りな人。 自分のことが恥ずかしくて、強い言葉でそれらを覆い隠してしまう人。 失望されたり、がっかりされたくなかったよね

        • あほらし

          あたし、今どんな顔してる 素直に聞かせてくれたらいい、それから先のことはあたしが勝手に処理するから。あたしの中で大事なことを知るためにあなたの目を使う それだけ。 あたしがあたしの形を見つけるのは、長い夢から覚めたとき 他にもあるけど......要するに、ひとりぼっちのとき。あたしはその時間がとっても大切だから みんなそう、なんて言われたって割とどうでもいい。 ぐにょぐにょと常にかたちを変えるあたしが、あなたの前で価値があるならそれはどんな価値でも構わない。でも、あたし

        ゆりかご

          悲しい

          他人が他人であること、自分が分からないこと、普通になれないこと、特別じゃないこと、特別になりたかったこと、笑われてること、軽蔑されてること、誤解されてること 生まれてきて、これからも生きていくこと

          悲しい

          探す

          運命を探している。 初めて来た街のカフェ、サムネイルが目を引くミュージックビデオ、深夜のテレビの地下アイドル。好きだと思ったから、運命になる気がした。そうやってずっとふらふらと探している。 そんなものが無いことも、そんなものが無くてもいいこともわかってきた。世界がつまらなくなるかもって思う。わたしの好きってどんな形だったんだろう。ずっと望んでいた運命をぼんやりとだけ手に入れたとき、わたしは満たされないのかもしれない。 世界が美しく見えるのは、世界を知らないから。ならば、

          進んでる

          酔っ払うと舌を触る癖、首の傾げ方、上手く好きになれなかった教室。 私の幼さが色んなところに散らばってるの、誰かが気づいているかなって思う。ずっと足りなくて不器用だな。 わたしってちょっとわざとらしいよね。そういえば、子供が写真に写るときってわざとらしくポーズを取っていると思わない?わたしっていつもカメラを向けられているような気分なのかも。 幼い頃から、自分がみんなと同じ背丈で生きれてないことはわかってた。それから色んなことがあって自分の形がどんどんくっきりと見えるように

          進んでる

          【詩】りぼんのきみ

          危うさも衝動性も、全て少女だ 少女には暗く怖い世界で、彼女はフリルを纏って耐え忍ぶ 藍色の言葉もりぼんで包んで それを正義とする 愛しいね、不安の形を教えて きみの抱えるもの全てに意味がある 可愛らしい表情を見せて、荒れた肌と艶やかな瞳が素敵だ きみの夢を少しでも長く見れたらいいと思う りぼんの少女の桃色の夢 大好きだよ

          【詩】りぼんのきみ

          神様が居ない

          私には、神様が居ない。 自分を保つので精一杯で、何かに寄りかかる心が持てなかった。自分以外の言葉が響かなかった。響いた気がするのは得意だった。そのくせ自分を神様にすることができなかった。保っているだけだから。 神様が居る人が羨ましい。彼らの人生には濃く色がついていて意味があるように見えた。私の手元には虚空の過去しか残っていないのに君はそんなものを持っているんだな。 私って、なんなの。自分が泣いたことも言葉を紡いだことも意味が無いなんて知りたくなかった。でも知らないで笑い

          神様が居ない

          【詩】おばけになっちゃうよ

          めいっぱいの暗さを抱えて、あたしはおばけになる。 全部忘れてしまう。あたしはどんな人だったのかな。あたしの手を握るきみの目の奥に、どんな形の命があったのか思い出せなくて、浮いた意識がこわくなる。 足がこわかったから透けさせた。曇った景色がいちばんこわくないことを知っていた。浮いて、消えて、そうして初めて助かることがはっきりとわかる。 全部忘れていいわけない。あたしは人間でなきゃいけなくて、だけど今はそれが受け入れられない。

          【詩】おばけになっちゃうよ

          あのね

          価値なんて無い。 私の苦しみも才能も価値が無かった。自惚れている間だけ幸せなんて、あまりに虚しい。それを繰り返すことしか生き方を知らない。わたしの命には、何も無い。 騙し騙し進んでいったら本当のことがあまり無くなっちゃって、でもそうしないと追いつけなかった。遅れたところからでもいいからもっと見つめれば良かった。見つめたところで何も無いのか。 君の悲しみにはなんて名前がついてるの。名無しのわたしは、それらを食べて今日も嘘をつく。 みんなの見るものはみんなの目を通すから、

          あのね

          【詩】一抜け

          きらめかないからこの恋は折衷案 季節のラベルはあの子の頬の色 そのときの風の色や気持ちの匂いを君が今も覚えていること、どうしようもない やけくそみたいな正論が通らない少女 消えないんだから終わらない恋がある 痛いよ、溶かしたまんまで触れないで 運命には順番があるの わたしは何番目の季節になれる?

          【詩】一抜け

          ひつじの背中、葵色の不安、記憶のわたしより。

          思い出しか残ってないなんて、寂しいよ。 小瓶に入ったピンク色のあなた、わたしと同じだと少しでも思えたこと、それがわたしを作りあげました。あなたをずっと愛している。 初めての気持ちをくれたことに価値がある。あなたはずっとわたしの人生に巣を作って、会ったことも無いけど、大好き。大好き。 20歳で死ぬと言っていたあなた。存外生きているんじゃないだろうかとわたしは思うんだけど。どうですか?知る由もないあなたの幸せ不幸せを想い続けてる。 あなたもわたしを好きだと言ってくれたこと

          ひつじの背中、葵色の不安、記憶のわたしより。

          そう

          大きな丸い星が見えました。その向こうに逃げ先があるとわかって、わたしはそこを見つめることにしました。わたしにだけ見える世界と、それを書き起すためのこれは わたしが唯一持っている世界への抵抗で、それを失ったら終わりだとわかっていました。だから、それの色が濃く見えたとき、私は絶対に逃しません。不毛なことだと頭の片隅ではわかっていて、わたしがただのやわらかい塊であることもわかっていて。それでも、やめたらどうにかなってしまいそうだと思いました。 春の匂い、夏の日差し、秋の色味、冬の

          私でない私のイメージn(やや情報量が少ない)

          冬の空気の冷たさは、それなりに生真面目な彼女の黒いチェスターコートを思い浮かばせる。 東京、高架下 彼女__いや、私はただ空を見て、涙が出そうな気持ちになるのです。 大きな街で、私が不幸でもなくただ孤独であることを そっと思い出してしまうから。悲しいことでもないけれど、別に嬉しくもないと思う。 マンションの部屋の灯りが見えるのは、誰かが生きている証。知らない人生が何室も存在することに、私は目頭を熱くするのです。これは、ただの私の話でしょうか。境界が少し曖昧なのです。少し

          私でない私のイメージn(やや情報量が少ない)

          【詩】天国の近くから、ラブレター

          ここなら終わりにできるかなって、2人目を合わせたのはきっと運命だから 明日の夜に2人で命を捨てましょう 万が一怖くなったら握った手のしわを数えて、細かいところまでわたしを想って 脳の中の端っこの小さな部屋までわたしで埋めて もしきみの走馬灯にわたし以外が映ったら、きみだけ地獄に置いていくね

          【詩】天国の近くから、ラブレター