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【詩】青の残像

闇へ溶けるような甘い戦法に敗戦した

飲み忘れた漢方を思い出したときみたいに

喉がひりつき空気が苦い

諦めと快感でふやけた身体が波打って

まるで水中花

どこにもいけない魂が悲鳴をあげる

軒下に咲く勿忘草のような

冷たいブルーの涙をこぼし

ネオンテトラは泳ぎ去った

それ以来私の身体からは

何も生まれない

青い残像だけが

今も網膜に張り付いている

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