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#現代自由詩

【詩】だし巻き卵に騙された

【詩】だし巻き卵に騙された

だし巻き卵に騙された

アカペラ歌手が歌ってた

涙の塩味効き過ぎて

しょっぱくて涙が出たと

赤色のガーベラは歌う

そばかすなんて気にしないわ

鼻ぺちゃだってお気に入りよ

可愛らしい小さなガーベラは

しょっぱい卵に騙されて

根っこから花びらの先まで斑点だらけ

かすれた声で歌ってる

そばかすなんて気にしないわ

潮風に晒されて

1ひら1ひら消失してゆく赤い花

毛の抜かれたブロイ

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【詩】かくれんぼ

【詩】かくれんぼ

顔すら思い出せないのに音だけが耳から離れない

絞め殺された黄昏の断末魔によく似たあの人の名

澄んだ茶色の瞳は

空間を切り裂く線香花火に囲われた

晩夏の太陽

いつも火薬の匂いがしてた

偽りの記憶が立ち上げる見ず知らずの男

手の甲にあるのはアルタイル

わし座のかたちそのもので

そこに流れる天の川に

leap of faith

したかった

できなかった

心残りだけが宙に舞い

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【詩】黄昏

【詩】黄昏

厳かな雨音 波紋広がる 

四畳半の神殿で産まれた

夕焼けと夜空の間の子

微弱な陽光 柔らかな影

そこから抽出された 

一滴のいのち

赤と黒

朽ちる間際 揺れる視界

最後の閃き 火花散る オレンジ

濃縮した草の匂い 

辺りに立ち込める

願いが そこに詰まっていた

【詩】メロンパン

【詩】メロンパン

不躾に吹き抜ける風が

あの子の匂いを運んできた

メロンパンの匂いのする髪の色

強気な無知と無知からの劣等感が

香ばしい格子模様を描いている

彼女の口癖は”しょうがない”

仕様がない

使用がない

枝葉がない

どれかはわからないけれど

絶望していることはわかる

コンプレックスの結晶で化粧直しした彼女は

残雪のようにまばらなお粉が不細工で

そっと舐めると甘くてキンと痛い

大袈

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【詩】鏡の国のアリス

【詩】鏡の国のアリス

腕が痺れて目が覚めた

しんしんと指先に残る小波の残響を聞きながら

薄暗さと仄明かるさがスウィングする隙間を

怪盗の足取りで駆け抜ける

何十回も異世界への扉を開く

私は鏡の国アリス

読んだことはないけれど

それでも腕に乗った小さな毛の塊は

チェシャ猫のようで

なんとなく頭がクリアになった

【詩】リフレイン

【詩】リフレイン

しゃっくりが出るように

あの人の名前が飛び出てくる

身体の奥底から湧き出る原子のカケラたち

喉をくすぐる連なりが音に変化しビートを刻む

心の誤作動から生まれるのがしゃっくりなら

痙攣する横隔膜は

心で言うとどの辺りになるのだろう

沸騰するお湯によく似た粒だった痙攣

もしこれと同じようなものだとしたら

いつか蒸発して何も無くなる日が来るはずだ

行き場を無くした熱がコロコロ笑う空焚

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【詩】spring

【詩】spring

ふみえって良い名前だね

どう漢字で書くの

おかっぱ頭の彼女は

徐ろにCampusを開いた

ペンを持つ歪に丸めた手のカタチが

小動物の赤ん坊のように生々しくて

身体の奥底がかつんとする

涙を堪えた時の鼻の奥と同じ

痛い

踏絵よ

いつのまにか顔をあげていた彼女は

目と眉の間が近くフランス人形のようだった

目と眉はお互い惹かれあうように

どんどん近づいていった

2つは入り混じ

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