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宗教と歴史観について考えたこと② ~古代ギリシャ・ローマ~

古代ギリシャの宗教観

wikipediaによると古代ギリシア語に「宗教」(英語:religion)にあたる語彙はなく、神々への祈りも儀礼も、先祖から受け継いだ「慣習」であったと言えるようです。
日本も明治時代にreligionの訳語として宗教という言葉ができたので、似たようなものでしょうか。日本語の宗教という言葉は「○○宗の教え」くらいの意味をもとに作られて、皆さんの中にある宗教の概念とはてんで違います。
本当はふさわしい名前を付けるべきなのでしょうが、私は別に広告屋でもなければ、商材屋でもないのでこの記事では宗教という言葉で通します。

古代ギリシャで宗教は「慣習」ということであまり特別な意味をもってなかったかもしれません。しかしオリュンポス12神やそれらをまつる神殿があるので、信仰心は否定できないでしょう。
冷静に客観視すると日本人もそうです。信仰心がなければ神社仏閣など党の昔に壊していたことでしょう。初詣やその他の行事を行う日本人は信心深いのではないでしょうか?「慣習」という意味では。

古代ギリシャと日本の宗教観は、そこまで遠くないようなので、本当に西洋の宗教観と比較したいなら、キリスト教圏といきなり比較するより、まず古代ギリシャとの比較、次に古代ギリシャと他の西ヨーロッパ諸国との比較を通して、最終的に西ヨーロッパ諸国と日本の比較することでより解像度の高い宗教観が得られるでしょう。

古代ローマの宗教観

これはかなり混沌としてわかりづらい。専門家ではないので、詳しく調べないし書きませんが、キリスト教化以前で面白い現象、ミトラ教の浸透について思うことを書きます。
wikipediaによると、ミトラス教は牡牛を屠るミトラス神を信仰する密儀宗教である。信者は下級層で、一部の例外を除けば主に男性で構成された。信者組織は7つの位階を持つ(大烏、花嫁、兵士、獅子、ペルシア人、太陽の使者、父)。また、入信には試練をともなう入信式があったと書いてあります。

こういう不思議な宗教もローマは受け入れていたそうで、ローマの多文化受容は日本に似ていなくもないです。12月25日にクリスマスを祝い、元旦には神社に初詣、お盆に先祖の霊を供養します。まさにローマもこうであったかもしれません、

ギリシャの項でも書きましたが、やっぱり日本の宗教性は古代のギリシャやローマに近いのでしょう。というより、絶対的一神教以外の宗教文化から私たちは知るべきなんでしょう。

日本人の宗教を知りたいなら

宗教と歴史観について考えたこと①でも書きましたが、無信教だと自認する層のうち相当数がキリスト教徒と比較して、自身の信仰を把握しようとしていますが、本記事で書いたように日本人の持つごった煮感あふれる宗教観はとくに時間を無視したイベント空間の中では当たり前のことで、名前を付けてない宗教観によって文化が醸成されているとみたほうがいいでしょう。

つまり、日本人の宗教観をちゃんと知りたいならキリスト教文化以外の文化と比較するのがいいでしょう。研究者ならいざ知らず、素人がいくつものの文化を比較するのは難しく、日本文化、非キリスト教西洋文化の二つを比較するので精一杯だろうから、まずは古代ギリシャや古代ローマを見てみるのがいいでしょう。

歴史は過去の人が記した文書や作ったものです。そこに込められた思想は「慣習」や「風俗」という「宗教」に沿ったものになります。なので、次は歴史を語るむずかしさについて書いていきます。

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