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【昌棗】夜の梅 yorunote

ひとりでは通り過ぎてしまうだけの時間がある
足裏にからむかすかなにおいの名残りを
拾い上げる

水に映る景色が好きだ
見落としたものが落ちていそうで
ゆるやかにひなぐ水面の
まばたきの
すきまにすべりこんでいる 月の裏がわ
まっくろな空から落ちてきた音符を
はじきあげて

探りあてる手のひら
行こう 夜の向こうへ


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