ハグの力~子育てに悩むあなたへ~4
この連載はシングルマザーとして2人の息子を育て上げた筆者が、今、まさに子育ての渦中で悩んでいる方へ送るメッセージです。
4歳から小学校に入るまでの時期についてお話します。振り返ってみると、この期間が一番、子供に楽しませてもらったなと思います。
週末には水族館や動物園、それに遊園地にもたくさん行きました。牧場へ行って動物と戯れたりもしました。
子供の頃に行けなかったところへ、子供を産んだからこそ行けたのです。普段の狭い空間から外へ出ると、子供たちも生き生きとした表情で、ぐんぐん成長していくことを実感できます。
この頃、気をつけなければならないのは怪我です。よく、
「男の子を持つと一度は頭を縫うくらいのケガをする」
なんて先輩ママに言われました。そんな大怪我はありませんでしたが、行動が早いので注意が必要です。
大正生まれの亡き母は、海水浴に行った時、日傘を差して砂浜にずっと立っていました。私は浮き輪で海に漂いながら、その美しいシルエットを見るのが好きでした。でも、たまには一緒に海に入りたい……。母に問いかけました。
「お母さん、なんで泳がんの?」
その時言った母の言葉を今でも鮮明に覚えています。
「あのな、あんたらの命を守っとるんや。子供っちゅうのはたった3分、目を離したら死んでしまうんやで」
母は熱い砂浜から、ずっと私と姉を見守ってくれていたのです。もし溺れでもしようものなら、得意の泳ぎで救ってくれたでしょう。強くて優しい母でした。
その母の言葉はずっと頭に残っていました。私は子供から目を離さずに育てて来ました。
今、街の中で子供連れの母親を見ていると信じられない光景に出くわします。
自転車の上に子供を座らせたままブティックに入っていくママ。
子供が話しかけているのにスマホに夢中なママ。
子供が店の中を走り回っているのに化粧品選びに夢中なママ。
私の母に言われた言葉をもう一度言います。
「子供は3分、目を離したら死ぬ」
海の中だけではなく、街の中にも危険がいっぱいです。車やバイク、それに子供に性的興奮を覚える変態だっています。
ママだってたまには息抜きしたいと思います。でも、それはガマン。今日の一日は今日しかないのです。子供と向き合い、命がけで育ててください。
さて、幼稚園、保育園を卒業すると、それまで仲の良かったお友達とはお別れとなります。小学校という新しい世界にはばたいていきます。それは楽しい世界でしょうか。それとも……。
次回は小学生の子育てについてお話します。
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