プレゼンテーション2

「論理的思考力」の違和感

ランク王の笠岡(https://twitter.com/kasa_oka)です。

前回のnoteも、想像以上の反響をいただき誠にありがとうございました。

早速自慢なのですが、僕は東大生です。

しかも、東大志望生3,000人以上が受ける「東大オープン」なる模擬試験で、志望学科内全国1位、文系志望社内でも全国10位を取るほどの勉強猛者です。

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(↑ 証拠写真, 過去の栄光にすがりつく筆者の残念な性格の証左でもある)

さて、何でこんな自慢から入ったかというと、勉強ができる=論理的思考力がある?、という導入的役割が8割、自慢が2割です。

ということで、ここから先は、僕が「頭がいい」という、デカルトもびっくりな前提のもとで話を進めます。心を仏にして読み続けてください。


論理的思考力を身に付けたい

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よく学生インターンに聞かれるのが、次の質問です。

「論理的思考力を身に付けたいのですが、笠岡さんは何を意識していますか。」

答)特に何も意識していません。

東大生がこう言うと、「あの人は地頭がいいから・・・」とよく切り捨てられます。

そして、インターン生はいわゆる論理的思考本を読み、「なるほど階層的に整理することが大事なのか」、「MECE(もれなくかぶりなく)!MECE!!」などとMECE信者になったりします。

確かにこれらのいわゆる論理的思考力メソッドも重要であると思います。

しかし、MECE信者の多くが特に意味のない表層だけを刈り取って浅い階層化をして、思考が整理された気になっているだけ、というのもよくある話です。

そもそも、この「論理的思考力」という言葉に、僕はずっと違和感を感じてきました。今回はその違和感について説明し、本物の「論理的思考力」を鍛えるためにはどうすればいいか?を解説しようと思います!


「頭がいい」人のすごいところ

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東大生を含め、いわゆる「頭がいい」「思考が深い」人の特徴は何でしょうか?僕が考えるには、次の3つです。

思考力の3要素:
①思考体力、②思考スピード、③思考スキーム

①思考体力は、どれだけ深くまで思考を突き詰められるか?自問自答を繰り返すことができるか?です。②思考スピードは、一般的な頭の回転の速さ、計算や論理処理の速度です。③思考スキームとは、前のnoteでも解説した通り、曖昧な物事を捉えるときの「切り口」のことです。

で、当然①〜③は相互に影響を及ぼしあうので独立して捉えることはできませんが、いわゆる「頭がいい人」は特に①思考体力がすごいんだと思います。

ちょっとわかりにくいので、東大生×勉強の事例に当てはめて考えてみましょう。


東大生の勉強術

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世間には色々な東大生メソッドが存在します。

「東大生の●●●は美しい」
→ 嘘です。僕のノートは割と美しい方でしたが、信じられないくらい汚いやつとかもいます。というかそっちの方が多いです。

このように、「東大生の」というラベルがついたものはあまりしっくりこないことも多いですが、東大生の間に共通点がないこともありません。私が学生時代に感じた以下の2つの事例についてはある程度的を得ていると思います。

(1) 暗記
皆さんは暗記をするとき、どう暗記しますか?

世の中では多くの人が「書いて覚える派」を掲げており、紙に何度も単語を書いたり、単語帳を1時間かけて作って結局15分で1周しかしない、のようなことは少なくありません。

僕は暗記の仕方については絶対的な自信があります。それは、「書かずに、何度も読む」ことです。実際多くの東大生が同様だと思います。

こう主張すると、やはり「読むだけじゃ覚えられない」と言われ、「地頭の問題」という反撃を受けてしまいます。

確かに書くこと(音読すること、聞くこと)による知覚的なメリットもありますが、まず最初に効率が良いのは読むことであり、書きから入る場合のほとんどが怠惰によるものであると思いおます。

10回書く暇があったら、まず1周して、5分後に1周、10分後に1周、30分後、1時間後、1日後、数日後…とするべきです。世の中には暗記論もたくさんあるので、興味のある方は調べてみてください。

伝えたいことは、忘れたことを思い出すのはエネルギーが必要だから書く行為に逃げてるだけ、であることが多いという点です。

(2) 数学
数学の難問を解くとき、皆さんはどうしますか?

こちらも、問題文で設定されている式や条件をまず全部書き出して、等式が2つある場合は片方を削除してみて、一旦方程式にする、ことが多いのではないでしょうか。結局変数がうまく消去できず、ふりだしに戻るというのもよくある話です。

こちらの場合も、多くの東大生はまず問題文をしっかりと読みます。読んだ上で、変数が何個か、定数が何個か、最終的に何をする問題で、その過程で条件式が何個出てきて、解法としてどれが一番適切だからどうするのか、を最初の段階で考えるのです。

実際、前のnoteでも説明した通り、人間はわからない問題/複雑な問題に遭遇したとき、とても気持ち悪く感じます。気持ち悪いからこそ、わかる部分をほぐしていくという易きに流れて、本質的な部分に取り組めません。

以上の2つの事例をまとめると、僕が東大に入って感じた東大生の唯一の共通点は、易きに流れず、常に本質的な道を選ぶと言うことです。本質的であることは、多くの場合気だるさを伴うものです。

東大生は「頭がいいからすごい」と言われがちですが、本当にすごいのは「だるさ」に打ち勝てることではないでしょうか。

思考力 ー 結局は「本質的な勤勉さ」

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本記事の内容をまとめます。

まずは「頭が良い」「思考が深い」人とは、思考「量」が極めて多く、考え続けられる体力がある人です。

思考「量」と書くと難しい話に聞こえますが、前の章でも取り上げた通り、面倒なことをやりきることです。

仕事でも、「ここはちゃんと考えないといけない、けど面倒くさいし疲れるししっかり考えなくて良いや」と思い、todoを作る時に「考える、思考する」「相談する」と書いてしまうことがあるのではないでしょうか。

こういった機会に、都度ちゃんと思考をすること。思考体力とは、このように考えべきることが深く多くあるときに、しっかりとその場で細部まで考えられる体力のことを指します。

最初は上司や「頭がいい」人に敵わなくても問題ありません。上司や「頭がいい」人は常に思考を続けていて、簡単には超えられません。が、逆に「思考の深さ」とは、その思考の積み重ねなので、まずは時間がかかってもいいので思考することが重要な第一歩です。

思考力の一番の敵は、地頭でなく、怠惰です。「この人はすごいから」「この人と私は違うから」「私は私のやり方で」というのではなく、死に物狂いで食らいついてみてください。

一見一生懸命な努力でも、その努力が主体的かつ目的的でなければ(=本質的でなければ)、結局それは怠惰です。思考が浅い人は、その面倒くささに打ち負けて思考を放棄してるだけのように思えます。

題目に立ち返って「論理的思考力」という言葉に感じていた違和感について説明します。「論理的思考力」の不足は、多くの場合、思考量の不足と強く関係しています。にもかかわらず、当人が思考「法」の問題であると判断した時に縋り付くフレームワークとして使われる、つまり、「論理的思考力」という言葉そのものが、論理的思考(量)を放棄した結果生まれたものだからではないか、と思ってしまうからでした。

※ 本noteは社内への共有資料としても使っており、断定的な表現が強い部分もございます。

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