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#42 クリエイティブな夢

 世の中に職業と言うのは、数えきれない程あって会社員、公務員、自営業。どの職業も素晴らしい。要らない職業など無くて、生きていれば大体の人は何らかの職業に就くことになると思う。僕が将来なりたいのはファッションライターという自分で文章を生み出し読者に影響を与えたいのだが、そんな職業になぜ憧れてしまったのか今回は書いていこうと思う。

 今現在、僕は大学3年生で就活が本格化しつつある。大学に入る時には夢なんて本当になくて、東京という福島出身の田舎者からすれば眩しすぎる程の大都会。そこに行けば新しい価値観や夢が見つかるかもしれない、ぐらいに考えていたと思う。将来は公務員や先生になって安定した職業に就こうとも思っていたかもしれない。
 東京に来てからは何もかもが新鮮で少し怖いまであった。沢山の人とずっと流れる街の広告、東京出身の人からすれば当たり前すぎる光景がどれも眩しかった。しかし、それがとても輝いて見えたのも事実で沢山の人やモノをよく見るようになった。あの人が着ているモノは何なのか、あの広告はどこのブランドなのか、常に飽きさせない東京はすごく魅力的。

 その観察するようになった癖は普段使うSNSにも影響を与え、この人は誰なのか、この靴は誰が作ったのか、興味関心が止まらなかった。そうしていくうちにヴァージル・アブロー、トム・サックス、權志龍、トラヴィス・スコットといったファッションだけではない、世の中のトレンドを作る人たちを見つけていった。インスタやTikTokなどに出てくるインフルエンサーには全く興味がなく、こういった世界的なデザイナー、アーティスト、彼らの作るものにどんどんはまっていった。彼らが生み出すものは学生の僕には簡単に手の出せる値段ではなくて見るだけで精一杯といった感じなのだが、見ているだけでテンションが上がるものばかり。自分のデザインで人を感動させる、魅了する。膨大な選択肢の中から、自分の求めるものを組み合わせ、それが消費者に評価される。安定した職業ばかりを考えていた僕には未知の世界だったが、そういったクリエイティブな事がしたい。そう考えるようになっていった。

 彼らは共通して服をデザインしているから、最初は服をデザインする職業も考えた。今は誰でも服が作れるし、SNSで世界に向けて拡散することも出来る。しかし、服について学んでいない僕が服を作ることは、服について本気で取り組んでいる人達に対して失礼なのではと最終的に考えるようになった。生半可な気持ちでいい服は絶対に作れないし、消費者の気持ちを動かすことも出来ない。なにか革新的なアイデアを生み出さないといけない。アパレル業界はそういう業界で、だからこそ本気のデザイナーをとてもリスペクトしている。僕は服を作れる人間ではない。

 ではどんな業種なら、クリエイティブな事が出来るのか。ファッションに関われて服ではない何かを生み出す仕事。それこそまさにファッションライターだと考えた。音楽の歌詞のように自分の言葉で影響を与えられるし、大好きなファッションにも関われる。最高の仕事というわけだ。消去法のように書いたが、ちゃんと影響も受けている。それが訓市さんの文章。ユーモアがあって読んでいる人を文章の虜にする。今まで読んだどの文章よりも面白い。そんな文章が書きたくてファッションライターになると決めた。
紛れもなく訓市さんの書く文章を読み人生で一番の影響を受けたと思う。
夢を与えてもらったから。自分の表現で他人に影響を与えるというのは奇跡的だとも思うし、そんな所に憧れてクリエイティブな仕事がしたいというのもあると思う。そういった影響力のある作品を生み出し続けているデザイナー、アーティストは本当に凄まじいのだけれど、そんな影響力のある文章を書きたい。

 訓市さんを超える文章を書こうとは思っていないが、お前の書く文章いいなぐらいに言われるまで書き続けていこうと思う。


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