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【長編現代和風ファンタジー】神社の娘

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「俺も悪神倒しの仲間にいれてください!」 日本のどこにあるのか分からない不思議なとある村。 刺激のない平凡な日々を過ごしていた高校生の橘平は、雪の夜、森の近くで村の神社の跡取り…
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【小説】神社の娘(第27話 冷然な桜)

「も、もしもし、向日葵さん?今、大丈夫ですか?」  柏とひと騒動あった日の夜のことだ。橘…

坂東さしま
2か月前
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【小説】神社の娘(第24話 橘平、山は春がいいなあと思う)

 解読内容はおおまかに二人に伝えた、と桜は葵に説明した。  そのうえで、今後はどうしてい…

坂東さしま
2か月前
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【小説】神社の娘(第20話 葵、橘平を大いに利用し、橘平、友達の話をする)

「冷静冷静、いつも通りいつも通り、笑顔笑顔、デカい声デカい声…」  向日葵は通勤中の車内…

坂東さしま
2か月前
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【小説】神社の娘(第17話 葵、勇気を出す)

『ひまちゃん?あのさ、妖物出たから。俺の感覚だとそんな強くなさそうだから。パートナー葵く…

坂東さしま
2か月前
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【小説】神社の娘(第16話 橘平、名前を尋ねる)

 風のように去った二人を見送り、橘平は家に戻った。  居間では桜が手寧に紅茶を飲んでいた…

坂東さしま
2か月前
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【小説】神社の娘(第14話 桜、橘平と話したくなる)

 野生動物対策課の会議で報告された話は、一宮家、つまりお伝え様の家でも話題になっており、…

坂東さしま
2か月前
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【小説】神社の娘(第7話 橘平、嘘をつく)

「じゃあ、マジでこ、今夜。こんや?コンヤ?本日の夜??ええ、親になんて言えば」  周囲に大きな言い訳や嘘をついてこなかった橘平。「仲間に入れてください」などと宣った時とは別人のように、手を首に当てて掻いたり、頬をむにむにつかんだり、立ち上がっては座ったりと落ち着きがない。 「八神さん、ご無理は」 「無理じゃないです!行く!ちょっと、親に電話してきます」  橘平はダウンコートを掴み、ばたばたと部屋を出ていった。 「ちょろっと、テキトーなウソつけばいいだけなのに。ずいぶん