【小説】神社の娘(第7話 橘平、嘘をつく)
「じゃあ、マジでこ、今夜。こんや?コンヤ?本日の夜??ええ、親になんて言えば」
周囲に大きな言い訳や嘘をついてこなかった橘平。「仲間に入れてください」などと宣った時とは別人のように、手を首に当てて掻いたり、頬をむにむにつかんだり、立ち上がっては座ったりと落ち着きがない。
「八神さん、ご無理は」
「無理じゃないです!行く!ちょっと、親に電話してきます」
橘平はダウンコートを掴み、ばたばたと部屋を出ていった。
「ちょろっと、テキトーなウソつけばいいだけなのに。ずいぶん