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益田大会出場記 #5~更なる秘境へ?~

皆さまこんにちは。
ご覧いただきありがとうございます。
かるたびと と申します。
関東在住の大学3年生で、大学では競技かるたを嗜んでいます。大会に出場すべく、あるいはただの電車好きが高じて、日本全国様々に旅に出ています。

今回は【益田大会出場記 #5】、昨年8月上旬に島根・益田市で行われた大会の出場記の第5弾。5日目の目的地に向け、午前中からの移動で山陰を抜けつつある私。ついに旅の後半、秘境を探し求める時間が始まっていきます。


前回【益田大会出場記 #4】はこちらから。ハプニングから始まった5日目の朝、鳥取からついに中国地方を抜けてゆく午前中のお話です。今回は、前回#4と同じ日付の午後のお話。まだお読みでない方は#4からぜひ。


旅の全容を見たい!という大変ありがたい方はこちらから、マガジンでご覧いただけます。



旅を中断

乗車券のよさ

さて、前回#4では最後、予定から4時間半遅れという大遅刻をかましながら兵庫県・城崎温泉に到着しました。

前回より再掲。
何度見ても趣ある良い駅前。

遅刻のおかげで城崎温泉に入る時間が消し飛んでしまった私は、駅前の雰囲気だけでも温泉街を堪能して…残念ながら、そそくさと城崎温泉を後にし、次なる目的地を目指していきます。
言わずと知れた有名温泉地とあって、これまでとは比較にならないほど電車でのアクセスが良好なようです。

少し贅沢をして、優雅に移動。
よろしくお願いします。

ということで、この区間は特急に乗車して移動。さすがに観光地、日中のダイヤを見てみると、普通列車よりも特急の方が多いのでは?というくらいの本数の特急が運行されています。
…まあ、普通列車が少ないとも取れますが。

青春18きっぷではなく乗車券メインの旅行にしたことで、こういう時に特急にパッと乗車できるのが、大きな「乗車券の良さ」だと思いますね。

山陰本線 特急こうのとり18号 新大阪行き
13:29 城崎温泉→福知山 14:39
途中下車⑲ 福知山

特急こうのとりは、城崎温泉と新大阪を結ぶ特急。新大阪までは約3時間弱で到着します。
城崎温泉→福知山は山陰本線を走り、福知山で福知山線に乗り入れ。そのまま起点駅・尼崎まで走ると、そこから東海道本線(神戸線)に合流して新大阪へと向かいます。
乗車券は福知山からさらに山陰本線方面に進んでいるので、この特急は福知山で降りることにします。

下車印の増えてきた乗車券と、
乗車変更の跡を残す特急券。

この旅で使用している乗車券の仕組みはどうなっているのだろう?という方は、少し長いですがぜひプロローグをお読みくださいませ~。


特急券の右下にある「乗変」の文字。これは、一度発券した特急券の乗車日等を変更した場合に見られるものです。

前回#4でもちらっと書きましたが、私はもともとこの区間を城崎温泉10:34発の特急で去る予定でした。それも、寝坊をしない!という覚悟を決め、前夜(4日目)のうちに鳥取駅で特急券を購入していたのです。

城崎温泉を発着する特急は、いわゆる「全車指定席」の特急のみ。覚悟も虚しく寝坊をしたので(ダサい)、浜坂駅の窓口で指定席の変更をお願いしたのでした。

「いさ」駅、漢字はなんと「石原」。

コンビニで購入した昼食を取りつつ、炎天下で自転車を漕いだ疲れもあって特急では熟睡。あっという間に福知山までやってきました。

ここ福知山には、JRの他に京都丹後鉄道なる鉄道会社が乗り入れています。日本三景のひとつに数えられる天橋立に電車で行くとなれば、これに乗って行くことになります。

福知山駅の外見。
「JR」と「丹鉄」の文字がある。

寄り道こそ旅の醍醐味

ところで、城崎温泉を入り逃した私がどこへ向かっているかというお話ですが…タイトルにもある通り、前回#4から私は「秘境駅」にこだわった旅を始めております。我ながら、なんとも気味の悪い話です。

実は、現在地・福知山からそれほど遠くない所に、秘境駅とされる駅が2駅あります。まずその一つを訪れようと、時間を空けることなく福知山を去ろうとしている私なのです。


私が秘境駅に興味を持ち、訪れた秘境駅を記録するようになったきっかけを記した記事は、ぜひこちらからどうぞ。


始めに向かう駅は、山陰本線・立木(たちき)駅。福知山からは普通列車で5駅進んだ先にあります。がしかし、ここに向かうにあたって問題が。こちらの地図をご覧いただくと…

左側の分岐点が、福知山駅。
ピンの位置が目的地・立木駅。

福知山から立木に向かう山陰本線から、途中駅の綾部で何やら線路が分岐しています。
これは「舞鶴線」という路線で、京都府の北部を横断していく路線。終点駅の東舞鶴からは小浜線が走り、時折海沿いを走りながら福井県に入って、延伸された北陸新幹線の終着駅・敦賀までを結ぶ路線となっています。
そして、私が使用中の乗車券はこの綾部から舞鶴線に入るルートで購入しています。つまり、この乗車券では立木駅に向かうことができないのです…。

困ってしまいますが、当然それは織り込み済み。季節は夏真っ盛り、すなわち、事前に用意したあのきっぷの出番がようやくやってきたわけです。

青春18きっぷを併用

はい、青春18きっぷ。長い休みに少しでも安く旅をしたい、庶民の心強い味方です。
福知山ではこれで改札に入り直し、なんとここから1日目の利用を開始していきます。

相変わらず使用後の写真。
学ばない人間です。

さて、青春18きっぷにも、券売機で購入時の日付や駅名が記録されます。
この青春18きっぷの購入日は2023年8月4日、場所は播州赤穂駅…

播州赤穂、物静かな駅でしたが、(中略)個人的には非常に好みです。
ここで実は今後の旅の鍵になる「あるもの」を購入したのですが…それはまたの機会に。

益田大会出場記 #1~暇さえあれば~ より引用。

東京を出発した長旅の1日目、午後に降り立った新快速の終着駅・兵庫県にある播州赤穂にて、私は青春18きっぷを購入。
4日間、山陽も山陰も経て京都府に戻ってきた後に、ついに使用開始というわけです。

ということで、片道きっぷの旅は一旦中断。ここからは寄り道をしながら、種々の目的地に向かっていくことにしましょう。

秘境探訪の始まり

第1弾:ポツンと一軒駅

山陰本線 普通 園部行き
14:53 福知山→立木 15:18

山陰本線に乗車して、秘境駅探訪の始まりです。駅間の長い区間を走り抜け、5区間に25分をかけて秘境駅・立木に到着。
列車は時間調整で5分ほど停車し(定刻です)、立木駅には私1人だけが残されました。

駅名標は割と新しめ?
そして…
反対側の駅周辺を見ると、
これはなかなか良さそうな雰囲気。

今回も例によって、訪問の記録を全てここに書き残してしまうと相当な文字数になってしまいます。別途「秘境駅訪問記」シリーズの1つとして記録に残しますので、ぜひこちらもお読みいただければと思います。

秘境駅訪問記 No.148(編集中)


滞在は十分な時間とは言えませんでしたが、次なる目的地のことを考えても1時間に1本の普通列車を逃すわけにはいきません。
そそくさと立木駅を後にして、再び福知山方面へと戻っていきます。

電車が進入。
私も影で画角に侵入。

山陰本線 普通 豊岡行き
15:41 立木→福知山 16:09

第2弾:トンネルを貫く駅

さて、福知山に戻ってきました。今度は間髪入れずに乗り換え、次なる秘境駅を目指して進んでいきます。

先ほどの地図を再掲。
福知山駅からも下方向に線路が分岐

福知山駅は山陰本線の駅であると同時に、福知山線の終点駅でもあります。先ほど特急こうのとりの話題でも出しましたね。その特急以外にも、福知山駅始発の「丹波路快速」が朝夕の時間帯に運行されており、大阪駅まで乗換なし・特別料金なしで向かうことができます。

少し話題が逸れましたが、今度はその福知山線に乗車して、すぐに再び兵庫県へと入っていきます。

再掲。
右側「丹波竹田」方面に進む。

福知山線 普通 篠山口行き
16:11 福知山→篠山口 17:07

乗り換え時間はたったの2分でしたが、対面乗換とあって時間には全く問題なし。連日の早起きや運動で体力もかなり削られ、車内ではすっかりお休みモードになってしまいました。

意外と名前が読めない駅。
「しのやまぐち」ではない。

終点の篠山口では、さらに宝塚線へと乗り継ぎ。こちらも乗り換え時間は1分ですが、対面乗換のため問題ありませんでした。

この「JR宝塚線」という路線は、正式には存在する路線名ではありません。これは、#1で登場した「京都線」「神戸線」などと同様にして、JR西日本が愛称として定めている路線名となっており、篠山口~(尼崎)~大阪という正式には福知山線および東海道本線の区間を「宝塚線」と呼んでいます。

篠山口駅は実質的に宝塚線の起点となっている駅で、同じ福知山線の中でも運行系統は基本的にここを起点に分かれています。大阪駅で「宝塚線 篠山口行き」を見る機会が多いのは、このような理由があるのです。

宝塚線 快速 大阪行き
17:08 篠山口→三田 17:37

これを見て「みた」と読んだあなた、
関東人か、慶應生?

快速と言いつつ三田まで各駅に停車する電車を、三田で下車。ここから快速運転が始まるのですが、その前に降りてしまいます。

お隣の新三田は、大阪を越えて東海道本線(京都線)の高槻に向かう普通電車の始発駅。三田からはこの普通電車に乗り換え、近づいてきた次なる目的地まではあと少しです。

宝塚線 普通 高槻行き
17:51 三田→武田尾 17:59

乗り継いで2駅進み、第2の目的地・武田尾に到着。大阪からは宝塚線で45分程度、アクセスは相当良い秘境と言えるでしょう。それでも、しっかりと自然を感じることができる場所であることは間違いありません。

ホームで1枚。
背景には豊かな自然が映り込む。

上の写真から分かるように、この駅は高架の駅になっています。が、それもまた不思議な高架駅。駅がトンネルの中…ではなく、トンネル"を"貫くようにして存在しているのです。百聞は一見に如かず。

ホームのトンネル内から。
トンネル外までホームが!

武田尾駅の訪問記についても、同じように「秘境駅訪問記」シリーズとして別途記事を執筆しております。こちらも併せてぜひお読みいただくと、よりその雰囲気をお楽しみいただけます。

秘境駅訪問記 No.189(編集中)


更なる秘境への準備

無事に秘境駅訪問を終えた私は、ようやくこの日の宿泊地へと移動を始めます。ここからはやや早送り気味(?)でお届けします。
ここまで全く触れてきていませんでしたが…5日目の宿泊地は京都府・京都です。今しがた京都府から兵庫県に戻ってきたばかりの私ですが、ここからは乗換少なく、ルートの取り方こそ(当然)遠回りですが楽に京都駅を目指します。

宝塚線 普通 高槻行き
18:12 武田尾→宝塚 18:20

普通電車で3駅、路線名にもなっている宝塚駅に到着。夕方のラッシュ時間帯に差し掛かりつつあり、多くの客が電車を待っていました。

ここで快速電車に乗り換えるのですが…その行先がまた一興。関東地方に湘南新宿ラインや上野東京ラインがあるように、関西地方でもJR線内で非常に長距離の直通運転が行われています。

宝塚線 快速 同志社前行き
18:26 宝塚→同志社前 19:48

「同志社前」。一度は聞いたことがあるであろう、ご想像の通りの同志社のことを指しているに違いありません。
この駅はその中でも、同志社大学京田辺キャンパスの最寄り駅です。京田辺キャンパスがあるのは京都府南部の京田辺市。兵庫県から電車1本で京都府へ向かう手段は、新快速だけではないのですね。

先ほども言及した通り、「宝塚線」と呼ばれる区間はこの先尼崎を経由して大阪まで。ですが、この電車は尼崎から別の路線に入っていきます。

大阪近郊の簡易路線図。
尼崎から東に進むが…?

路線図では尼崎から4方向に路線が走っています。左上が、宝塚から乗車して通ってくる宝塚線方面。左右に貫くのが東海道本線(京都線)。そして、右下に向かっていく路線が、その先向かっていく路線になります。

尼崎から大阪駅を経由せず、大阪環状線を東西に貫くようにして京橋へと向かうこの路線は、JR東西線という路線です。さらに京橋からは、学研都市線と呼ばれる路線(正式名称は片町線)に直通していきます。路線図では京橋から右方向に伸びている路線です。

終点・同志社前はその先の放出ー木津間にある駅。始発駅から乗車し、終点まで一気に向かいます。

学研都市線 快速 木津行き
20:03 同志社前→木津 20:23

同志社前駅はホームに人が多い印象でした。それもそのはず、この区間は単線区間となっており、同志社前駅のホームも1線だけ。どちらの方面に向かうお客さんも同じ方を向いて電車を待っています。

同志社前からは快速を乗り継ぎ…と言いつつ、木津まで各駅に停まる電車に乗り継いでいきます。

すっかり夜の到着。
ピンク色の駅名標。

到着した木津駅は京都府最南端の駅で、学研都市線のほかに大和路線(やまとじせん。正式名称は関西本線)・奈良線と計3路線が乗り入れる駅になっています。
個人的には、京都府のJRのターミナル駅と言われれば「北の福知山・中心部の京都・南の木津」くらいのイメージです。

奈良線は、木津-京都間を結ぶ路線。お、ついにゴールが見えてきました!

ようやく「京都」の文字。
最後までよろしくお願いします。

余談ですが、上の写真の左側に、向かい側ホームの緑色の駅名標がちらりと見えますね。#1で触れたように、JR西日本の駅では路線カラーに合わせた駅名標のバリエーションが豊富にあります。
緑色は大和路線の路線カラー。奈良線は…すぐに分かります。

奈良線 区間快速 京都行き
20:29 木津→京都 21:18

ずっと乗換がスムーズだったこともあって、電車のトップの写真はなんだか久しぶりですね。夜になって移動メインになってしまうと、どうしても書く内容が薄くなってしまいます。。

奈良線は開業後ずっと単線の路線でしたが、2023年3月に京都-城陽間で完全複線化が完了。ホームも延長されて、輸送力はかなり強化されてきています。沿線には誰もが知る伏見稲荷大社や平等院鳳凰堂などがあり、京都観光ではそこそこお世話になる可能性の高い路線です。

…あ、そもそも
単線:駅間の線路が1本。対向列車が進行方向正面からやってくるので、駅などの入替設備で到着・通過待ちが必要。
複線:駅間の線路が1本ずつ、計2本。正面衝突の心配ナシ。
です。「複線化」によって大きな違いが生まれること間違いなし。

ようやく到着。
茶色の駅名標。

ということで。定刻通り、京都駅に到着です。
京都駅の奈良線ホームの駅名標は茶色。奈良線の路線カラーは茶色だったのですね。

この日の宿は、京都市営地下鉄の四条駅からほど近い「We Base京都」さんにしました。



せっかくなので京都駅から40分ほど歩いて向かい、この日の行程は終了。
痛恨の寝坊から始まった1日でしたが、結果的には3つの秘境駅を巡った、充実した1日になりました!


というわけで、今回の記事はここまでとさせていただきます。
突然(計画通りに)秘境駅を巡る旅へと変貌した、東京への帰り道。6日目はその様子がさらにエスカレートしていきます。

なぜ京都まで一気に来たのか、そして6日目の朝は…

深い深い藪の中の、
ここは…駅?

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同趣味の方は、こちらからもぜひ記事拝見させていただければと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。
またお次の機会に。

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