四国遍路記録⑨高知の海と山を行く25〜27番札所
*掲載したつもりが一回分ぬけておりました。
通し番号もかわりますが三人旅の最後の回、
あらためてアップします。
マガジンでは順番通りに並んでいます。
‥‥‥‥‥
さて今回は3人旅の高知遍、3回目です。
朝、幸せなサプライズの後、
バスにのって次のお寺へと向かいました。
高知東部交通と言うバスで
9時36分 室戸岬バス停から乗って
9時50分室戸バス停下車。
そこから徒歩10分でつくのが次のお寺ですが、
実はバス停を降りて逆の方向に歩き始めてしまいました。
すると通りの向こうに立っていた
地元のおじさんとおばさんが
こちらを見ていてくれたようで
「どこにいくの?」と尋ねてくださいました。
25番さんですと答えますと
「じゃあ逆よ」と教えてくれました。
ひとりはお遍路姿、
ひとりはちょっとだけお遍路っぽい姿、
もうひとりは普通の格好の男性、
この方たちにも、どんな取り合わせだろうと、
思われたかもしれませんが、
ちゃんと気を配ってみていてくれる
親切な地元のかたたちでした。
お礼をいって示された方向へとあるきはじめると
すぐ前が港、海に向かって立っています。
室戸港に向かって立っている
階段を上った小高い場所にあるお寺です。
今回は音声での方が内容が多いです。
よかったらこちらから是非👇
第25番札所 宝珠山 真言院 津照寺
通称「津寺」とよばれて
船乗りたちの信仰を集めているこちらのお寺。
ご本尊も楫取地蔵となっています。
昔、高知の藩主になった、かの山之内一豊さん、
「山之内一豊の妻」の方が有名な気もしますが
出世物語で有名なあの方が、
この土地に入る時、この室戸港沖で
暴風雨に見舞われたそうです。
その時、どこからともなくひとりの僧があらわれて
楫をとり、船を操って無事入港できたそうです。
ところがその僧は気づけばどこにもいなくて、
後にこの津寺にのぼったら
ご本尊のお地蔵さんが海水でびっしょり濡れていたそうです。
そこで、あの僧はこのお地蔵さんだったのだと気づき
それから「楫取地蔵」と呼ばれるようになったそうです。
ちなみの前のお寺から歩くとしたら
海岸線か国道を歩くことになりますが
約7㎞ありますから、2時間程度見ていればよいかとおもいます。
お参りをすませたあとは、
お寺入り口すぐ横にあった
室戸スーパーマーケット遍路の駅によりました。
すると、名物「野根饅頭」というものがありました。
折角だからと買い求めました。
先ほど降りた室戸バス停まで戻り、
次のバスを待つまでの間
3人でつまみました。
ちょっと酒まんじゅうのような香り、
とてもおいしかったです。
そうこうしているうちにバスがきます。
11時00分に乗車し
次は元橋バス停で11時14分下車、
そこから約2.3㎞、徒歩30分ほどあるいて
次のお寺につきました。
第26番札所 龍頭山 光明院 金剛頂寺
このお寺、も少し小高い所にあり
途中気持ちの良い山道ものぼります。
そしてさらに階段を上ります。
ですからその分しっかりと、
境内からは、はやり海が見えました。
太平洋に向かって立っているお寺が続きます。
このお寺で印象的だったのは
仁王門には大きなわらじと
境内の大きなお釜です。
いろいろ大きいものが多いお寺です。
ちなみにこの釜は一粒万倍の釜と呼ばれていて
弘法大師さんがお米を炊いたら一万倍に増えて、
人々を飢えから救ったという釜なのだそうです。
ちなみに前のお寺から歩いたとしたら
5㎞ありますので1時間半くらいはかかったかもしれません。
そしてここから次の札所まで、と続きますが
次は距離にして33㎞あります。
12時間はかかると思います。
ですから今回でなくても
歩かず交通機関をつかったかもしれません。
26番札所から30分かけて
元橋のバス停まで戻り、
そこから13時04分の高知東部交通バスに乗車
奈半利駅で13時36分に下車、
約30分ほど乗りました。
そしてさらにここから
土佐くろしお鉄道に乗り換えます。
ただこの時、少し時間がありましたので
駅に隣接していた「物産館 無花果」と言うショップで
お弁当など買いまして
外のベンチで昼食となりました。
その後、奈半利駅14時01分発に乗車、
唐浜駅に14時10分に到着、
そこから約1時間半弱歩いて
この日最後のお寺を目指しました。
ですが、実はここ、
高知で一番の難所と言われている
真縦(まったて)とよばれる札所だったそうです。
45度近い傾斜が1.3Kmつづくということは
有名だったそうですが、
のぼりきるまで知らなかった私でした。
おそらく昔からの最も険しい本当の遍路道だけでなく
舗装された道の新しい遍路道も使っているので
実際には聞いたほどではなかったと思います。
ただ、歩く気満々の私はともかく、
一緒にいった2人もそんなことは知るはずもなく、
ちょっと申し訳なかったなと思ったりました。
とはいえ、お寺近くなってからの遍路道は
ショートカット分だけあって
傾斜は急でしたが楽しいものでした。
やはりわたしはむしろ
そこに至る前の車道の方が辛いと感じましたが、
この時はおしゃべりしながら歩けたので
まだ楽に感じられました。
そしてついたのがこちらです。
第27番札所 竹林山 地蔵院 神峯寺
以前、徳島・阿波の関所は立江寺さんですと
ご紹介しましたが、高知・土佐の関所はここ
神峯寺さんです。
ちなみに26番札所から歩くとしたら
先にあげましたように距離にして33㎞ありますし、
標高450mの山の上ですから
なかなかハードな関所と言えます。
そしてさらに、山門をくぐったからといって
着いたと油断してはいけないタイプのお寺です。
そうです、そこからまだ石段が続くのでした。
けれど途中に「神峯の水」という
清水がわいていまして、
これがとても元気をくれました。
さてこれで、今回の札所巡りはおしまいです。
そこで、本当ならゆっくり戻りたい所ですが
帰りの列車の時間が決まっています。
なにせこのまま博多まで帰ります。
山門を出たところに小さな食堂があり
うどんと書いてありましたが
「食べたいね」といいながら、
「そんな時間はないよね」と後ろ髪を引かれながら
また登ってきた道を駅へと戻っていきました。
登りは1時間半ほどかかっていますが
下りはさすがに1時間でつきました。
お陰で唐浜駅では20分ほど時間ができました。
駅前には何もなく、誰もいないのですが
唯一、おじいちゃんと3~4歳のお孫さんがやってきました。
本数がすくない路線ですが、
その時間をあわせてお孫さんに列車を見せに
来ているということでした。
とてもステキな光景でした。
そしてホームに上がると、
お一人男性お遍路さんがいらっしゃいました。
定年退職をして自由になったからやっとこれた、
一気にまわっている、と仰っていました。
宿を一つ戻った駅近くに取っているとのことで
私たちとは逆の列車にのるようでした。
私たちは唐浜駅17時26分発にのり
後免駅と言う所まで。
ここに18時14分につきます。
そして心に残っている景色は夕陽です。
ホームからもでしたが
車内からも水平線の向こうの夕陽がとても綺麗でした。
その日の朝、室戸岬で出会ったカメラマンさんは
この同じ夕陽をどこかからとっていて
それもだるま夕日として撮影できていたと後で知りますが、
同じ夕陽を見つめていたことがまた嬉しいのでした。
でも、後免駅に着いた時には日はとっぷり暮れていました。
ここからが長旅です。
食糧を買い込みたい所ですが
あいにくお店はしまっていました。
ようやく少し歩いた所にコンビニがあるとわかり
何とか急場をしのぎます。
そしてここからは
JR四国 土讃線 特急南風にのります。
後免18時45分発、岡山に21時10分につきます。
そしてこの日は節分でした。
そこで友人が車内でおもしろいことをしましたが、
それは音声配信でお聞きください。
そうこうしているうちに岡山に到着。
わたしと主人は岡山駅隣接のスーパーマーケットで
名物ままかり寿司や鰆の押しずしなどもかって
新幹線へと乗り継ぎます。
余談ですがこのスーパーマーケットはその後
駅ビルのリニューアルでなくなってしまいました。
今ではこじゃれたショップがずらりと並んでいます。
ちょっと残念です。
新幹線は21時31分に岡山駅を出て
博多に23時14分につきました。
ということで3人旅、無事帰ってまいりました。
友人とは博多駅で解散。
ですが、この後、まだつづけたいと言ってくれて
しばらく共にお遍路旅へとでることになりました。
ちなみに主人は、「お山登りはもういいです」と
お断りされました。
ので、次回はこの友人とふたりで
また区切り打ちをつづけます。
まだまだ先は長いお遍路旅
よかったらまた覗きにきてください。
つづきはこちら
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