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お遍路記録⑦徳島22~23番札所おえていざ高知ジオパークに興奮

毎週1回standfmでおおくりしています
四国八十八カ所お遍路の旅
個人的記録第7回です。

前回までは独りで回っていた時のお話ですが
今回はまず3人旅、
そしてその後しばらく2人旅になります。
良かったらおつきあいください。

さて前回、21番札所太龍寺さんまですませて
一旦家に戻りました。

が、今日お話するここから先は
前回より3年ほど前、2015年に回った時のことです。

前回お話したのが2巡目なのですが
この2015年も20番21番からはじまり、
そのまま、27番札所神峯寺までの2泊3日のお遍路旅でした。
20~21番を歩いた時の詳細は前回すませましたので、
今回は23番札所からのことを記します。

そしてこの時の行程は実は特別、
わたくしの中でスペシャルな場所、
高知県室戸岬、御厨人窟(みくろど)が入っているのです。
これにより急遽3人旅になったのです。

正直いいますと、ここに行きたい!
だったら、お四国全部回ってみたらいいじゃないかという
気持ちではじめたお遍路、
何なら、ここだけでもいいというくらい
強く惹かれる場所でもありました。

そしてこの気持ちは、既に以前から
長い付き合いの友人に語っておりました。
「そこになら、わたしも行ってみたい」と
彼女も言っていまして、
「じゃあ、一緒に行こうか」となりました。
そして当然この場所には、是非、夫も連れて行きたい、
ここを体感してもらいたい、ということで、
3人でのお遍路がはじまりました。

いきさつや詳細は音声に収録しています。
よかったらこちらから👇

そして今回は、そんな3人旅なので
使えるところは全部
公共交通機関、バスや鉄道などを使っています

ですから、お遍路行きたいけど
ずっと歩くのはちょっと、思っている方には
参考にしていただけるかもしれません。
ただ8年も前なので、
いろいろ変わってはいますので、
調べていってくださいね。

ともあれ、この時の初日は
朝から徳島にはいって、
前回お話した鶴林寺の麓までバスでいき
午後から、そこを登りました。
「こんなに急だとは思っていなかった」と
ちょっとびっくりされましたが、
その後、徳島駅にまたバスでもどり、ホテルに一泊、
翌日にまた朝から太龍寺の麓まで。

つまり前回お話した私が歩いて降りてきた地点まで
徳島駅からバスにのって行きました。
そしてそこからロープウェイに乗りました。
歩くのはちょっと厳しい人は、これもまた楽しくていいですよ

ですから今日のお話は太龍寺の次のお寺からです。

太龍寺をくだり、
和食東(わじきひがし)というバス停から
山口中(やまぐちなか)と言う所まで
13分程度ですが、バスに乗りました、
と言う所からスタートです。

そして降りたバス停からは3.5㎞、
そこから徒歩約40分、22番札所につきました。

第22番札所 白水山 医王院 平等寺

(はくすいざん いおういん びょうどうじ)
宗派 高野山真言宗 ご本尊 薬師如来
創建 弘仁5年(814)
ご真言 おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

ご本尊は
「あらゆる人々の心と身体の病を平等に癒し去る」という誓いを立てて
弘法大師がお作りになった薬師如来像だそうですが、
秘仏ではなくて、いつでも拝むことができるというお寺です。

ちなみにこちら現在
24時間YouTubeでこの本堂Live中継をしてくれています。

後ろの森とあわさり力強く感じる仁王門

山門の前には石段がありますが
なんともたのもしい姿にみえました。

けれど境内は、住職一家でしょうか、
お子さんがいたり
朗らかにご挨拶いただいたり、
アットホームなやさしい空気でした。

こちらは護摩壇・不動明王

さて、納経をすませましたら、
そこからは2㎞弱をやや急ぎ足で、
JRの新野(あらたの)駅まで。
約25分かかっています。

お昼もすぎています。
おなかも空いていました。
でもお店もなく、しばし我慢かと思っていました。

けれど幸い、駅前に、
昔からあるような古き良き喫茶店が!
喫茶たけのこ と書いてありました。

名前とちがってというと失礼ですが
中に入れば、洋食屋さんの喫茶店、
お昼だったのでまだランチタイムでしたが
実はあまり時間がありません。

13時10分に喫茶店に入り
次はJR移動ですが
その発車時間は13時51分。
注文後、お料理が出てくるまでの時間もありますから
結構、ばたばたいただきました。

早食いは得意なのでよかったですが、
新野(あらたの)13時51分発の安佐海岸鉄道に乗車。 
14時21分に日和佐(ひわさ)で下車。

ちなみにこの時のJRチケットには
当時の設定と値段ですが
お得なものがありました。
徳島から室戸、高知2日間フリーチケット
4980円でしたので、これを利用しました。

そして日和佐駅から徒歩10分
23番札所につきました。

左上に見える塔が23番さん

第23番札所 医王山 無量寿院 薬王寺

(いおうざん むりょうじゅいん やくおうじ)
宗派 高野山真言宗 ご本尊 厄除薬師如来
創建 神亀3年(726)
真言  おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

ちなみにこの日和佐は、
あかうみがめが産卵にくる浜で有名です。
境内からも浜がみえます。

そして、本堂と大師堂で納経をすませ、
まだ上へと階段があるので登っていくと大塔、
そこからは美しい景色も見渡せます。
そしてここには、金色の亀がいました。

さきほど駅前からみた大塔
大塔をささえる?亀
海がすぐそこです

そして、ここで
徳島の札所はお参り終えた
ということになります。
ここから先のお寺は高知県になります。

そしてこの道のりは本来、
22番札所平等寺から23番札所まは21㎞ありますから
歩くと6~7時間
かかるでしょう。

そしてここから先の高知は
お寺とお寺の間が遠い所が多い
まさに「修行の道場」です。

それぞれの道場

四国はそれぞれ
徳島=阿波の国 高知=土佐の国
愛媛=伊予の国 香川=讃岐の国

阿波は発心の道場
「発菩提心」悟りを求め、
「仏道修行してみようかな」と
思い立ってでてきました、と言う感じです。
23の札所があります。

土佐は修行の道場
ひたすら歩く場所が多い「修行の場」
さらにはお大師様が悟りを開いた土佐です
心身共に鍛えられるし、
ここを歩いたことは自信にもなるでしょうね。
あの広い県内に16の札所しかないので
その間の広さは想像がつくと思います。

伊予の国は「菩提の道場」
煩悩を捨て去り、悟りを得るための道場、
この境地に達するための修行の場
26の札所があります。

最後が讃岐の国「涅槃の道場」
涅槃そのままですね。
でも涅槃なんて、とてもとてもと思っていましたが
それでもほんの少しだけ解る気がしました。
もう感謝しかでてこない
これまたその時に聞いていただきたいですが
それぞれなりの涅槃があると思いました。
23の札所があります。

いざ高知へ

さて、お参りをおえて駅へともどります。

その際、駅に戻る所に道の駅があったので、
そちらに立ち寄りました。
飲み物を補充したりお手洗いをお借りしたり。
そしたら、そこでちょっとした思い出ができました。

少しの間、3人それぞれ目的がありましたので
ばらばらに散らばっていました。
そしたら、普通の格好をしている夫が
そこでお掃除のお仕事をしているおばさんに
話しかけられておりました。

おばちゃんは「どうしてきたの?」と尋ねたらしく、
どうやら彼は「お遍路にくっついてきた」と答えようで、
そうしたら「じゃあおばちゃんがコーヒーをかってあげる」と
言ってくださった、という場面でした。

これは、今までも私が感激してきたお接待なんですけど、
「いやいやいや、おかあさん、僕はそれほどの心意気はないので」
と断る彼でした。
それを遠目に確認して、我々女性陣も合流して、
「いやほんと、お気持ちだけ」とお礼を言って
お別れするという、そんな出来事でした。

その際に少しお話した中で、
おかあさんは元々は長崎の人ということでして
「あら、うちの親戚も長崎です」
「そこ、近くです」などと会話が弾みました。

そして実は、この
話しかけてくれた人がとても身近なエリアの人
あるいは縁がある人だった
という出来事が、
この後まだまだ出てくるのです。
本当にこれは不思議というか、縁だと思うのですが
その時にまたお話したいと思います。

ともあれそこからはいよいよ室戸へと鉄道で向かいます。

まずは、
安佐海岸鉄道の日和佐から15:47発に乗車
海部(かいふ)駅までの線なので乗り継ぎ
甲浦(かんのうら)駅下車

鉄道はここまで、16:38着でした。

そこからは高知東部交通のバスになりまして
甲浦駅16:41⇒室戸岬17:31分の移動となります。
先にあげたフリーチケットはここも勿論使えます。

ただ、現在はここはDMVという線路のあとを走る
鉄道のような、けれど普通の道路は
タイヤがかわってバスになるという、
そんな乗り物に乗って行ける路線となっています。

ですがわたしたちが行った時はまだ
鉄道を2つ乗り換えて、バスに乗り換える、
という行程でした。

室戸岬に到着したのはもうすっかり夕方、
2月のことでしたから
辺りはかなり暗くなっていました。

けれどわたしはもう、ウキウキがとまらない
初めての高知入りでした。

大迫力の岩と太平洋
旅館の前の海岸
岩を登りまくっているわたし

室戸荘という民宿にとまったのですが
そのすぐ前には月見ヶ浜
わたしは岩登りが楽しくて
もう本当にテンションあがるジオパーク。

月が随分綺麗だなと思ったら、13夜でした。
もう絶好の月見びより。
そして、この海岸で撮った写真が、
standfmでのわたしのアイコンになっています。
すごいすぎる~と、暗くなっていく中、
3人であそんでいました。

本当は翌日も、もっとあちこちみたかったけれど
そうもいかないので
また是非、いつかと思っています。

雲の上にのっているような月

ちなみに民宿のすぐ前には
坂本龍馬さんとともに幕末に活躍した
中岡慎太郎さんの像があります。

マグマの痕跡みたいな岩があったり、
これもはじめてみましたがアコウの木、
ガジュマルみたいに枝と根っこみたいに
ぐねぐね絡まり合う不思議な姿にも大興奮でした。

夕陽と中岡慎太郎さん

念願の御厨人窟へ日の出とともに

ということでいよいよ翌朝になりました。
念願の御厨人窟(みくろど)へ向かいます。
それも日の出の時間に合わせて。

なぜなら空海が悟りを開いた地「御厨人窟(みくろど)」
そのまま裏の山をのぼれば24番札所最御崎寺ですから
納経所が開く7時過ぎに伺うのにも丁度よい、
ということでもありますが、
まあ、何より日の出を見たかったのです。

空海さんがここで悟りを開いたというその時、
外に見えたのは空と海、
そして明星が飛び込んきたわけですが、
勿論、われわれにそんなことは起きませんから、
せめて海からの朝日をそこから拝もうと思ったのでした。

そうしたら!!
またまたすごい出会いと忘れられない記念、
想い出ができたのです。
これは次回にしたいと思います。

でもここで、この御厨人窟での
空海さんの修行については、
お話をしておきます。

それは太龍寺の時にもご紹介した虚空蔵求聞持法
この御厨人窟でも、この修行なさいました。
その時に口に明星が飛び込んできた
これが虚空蔵菩薩の化身といわれていて、
悟りを開いたとされています。

そしてこの虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)
というのは、虚空蔵菩薩の真言 
おんあぼきゃ きゃらばや おんありきゃ まりぼりそわか
 を
100万遍唱える秘宝
「一度見聞きしたものを絶対忘れない、すごい記憶力
を身につけることが出来る」そうですよ。

ということで今日も長くなりましたので
今回はここまでにいたします。

次回はこの朝からの出来事
お遍路のなかでも
トップ3に入る私にとってのスペシャルな思い出、
来たくてたまらなかった御厨人窟での出会いをお話します。
またよかったらお越しください。

最後までおつきあいいだきありがとうございました。

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