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【感想文】『国宝 東京国立博物館のすべて』(東京国立博物館)

 即完売続きという話を聞いていて、「どうせ取れないだろう」と諦めていた本展。結局会期延長のおかげで無事取ることができたんですが、(5分弱でしたが)平成館の外で並んだり、こういう経験はけっこう久しぶりな気もします。当然のように作品ごとに人だかりができている状況で、コロナ禍以前からそういう中で並んで鑑賞するというのが苦手ということもあって、まずざっと全体を一周してから(後ろからも見られるように、作品パネルもありましたね)、自分が興味をひいたものをつまみ食い的に拝見させてもらった感じです。

 個人的に興味を持ったのは(元々の興味でもありますが)彫刻などの立体関連。点数こそ多く無かったですが、兵士の埴輪、撮影OKコーナーにあった阿吽像、初代館長の彫像も手掛けている竹内久一による執金剛神立像の模刻、生人形、そして科学博物館を内包していた時代に展示されていたキリンの剥製…と、まとめてみるとちょっぴり雑多ですが、それゆえにかえって変遷がわかるというのもあります。中でも三代安本亀八による生人形《徳川時代花見上臈》の生き生きとした描写が印象に残りました。

 もう一つ気になっていたのが「装飾」の変遷について。刀の鞘なんかが顕著で、宗教性が薄まり、実用性が高まるにつれ「装飾」が減っていって… という流れはなんとなく知っているんですが、最近アドルフ・ロースの『装飾と犯罪』という論考の一部を読む機会がありまして、その中で日本古代〜近世を中心とした今回のような展示は「うってつけ」なところもありました。まだまだ自分の考えがまとまっている段階ではありませんが、色々見ていく中で考えを深めていこうかなと考えております。

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