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社会不安障害チェック!もしかして社会不安障害かも・・・?

皆さんは「社会不安障害」というものをご存じですか?

聞きなれない言葉かもしれませんが、「対人恐怖症」「赤面恐怖症」と言えば、なんとなくわかる人もいるのではないでしょうか。

ですが、対人恐怖症という言葉は知っていても、詳しい症状を把握している人は少ないですよね。

聞き覚えがあるというのは、割と身近にある存在だということです。
そして、もしかしたら自分も関わっているかもしれません。

社会不安障害ってなに?

社会不安障害は「社交不安障害」「社会恐怖」とも呼ばれ、人前で恥をかいたりすることを極度に恐れ、社会に踏み出すことに強い不安を感じて避けてしまうことを言います。

人前に出ると緊張するし、不安になる。

それは誰でもあることだから「気の持ちよう」「性格の問題」と長い間理解をもらえずにいた人も多いでしょう。

ですが今では、人によっては社会生活に支障を及ぼすほどひどくなることもあるとわかっており、れっきとした障害の1つです。

社会不安障害で起こること

スピーチなどで人前に出るとあがってしまう、というのはよくあることですし、もともとシャイな性格の人もいますよね。

ですがシャイな性格であることと社会不安障害は全くの別物です。

社会不安障害の人は人前で恥をかくことを恐れてそのような場を避けるだけでなく、外出や通勤、通学も出来なくなってしまうほど日常生活や社会生活が阻害されてしまうのです。

また、人前に出ることだけでなく、何かを食べる文字を書く、という行動も「手や声の震えがわかってしまうのではないか」と恐れ、食べたり飲んだり書いたりすることも避けてしまいます。

もしこのような行動を求められると、恐怖のあまりパニックや発作を起こしてしまうこともあります。

そしてパーティーやデートなど人と関わることを避けるようになり、学校や仕事に行けなくなり、家から出られなくなり、さらにうつ病を併発する、という人も多くいます。

「ただシャイであること」とは、まったく違いますよね?

社会不安障害の原因は?

社会不安障害が起こる原因は明確にはわかっておらず、生物学的な体質や生育環境が関係しているのではないかと言われています。

例えば不安を感じやすい場所や状況で、何もできなくなるような生物学的な体質がある人は、ストレスがかかるとパニックや発作を起こしてしまうことがあります。

そして一度パニックを経験してしまうと、似たような状況になった時に偏桃体が病的な過活動状態になり、パニックや発作を繰り返すようになります。

もちろんその1回が自分の焦りや気持ちだけでなく、実際に人前で失敗をしてしまった場合にもあり得ます。

ちなみに、生物学的な体質とは脳の間脳という部位でセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の機能に弱い部分があり、ストレスがかかるとパニック障害と類似した偏桃体や前頭葉の機能障害が起こると考えられています。

生育環境としては幼少期の家庭環境が影響しやすく、過保護だったり過度なしつけ、自分に無関心な環境などが社会不安障害の危険因子であるという意見もあります。

また、社会不安障害は10代半ばでの発症が多く、25歳以上での発症は稀なのだとか。
一度の失敗で突然発症してしまうこともあれば、不安が徐々に強くなる場合もあるようです。

自分もそうなのかも?社会不安障害簡易チェック

社会不安障害はあがり症やシャイな性格と混同されがちで、自分ではなかなか気づけなかったり、社会不安障害なのかも?と思っても確信が持てなかったりしますよね。

そこで、社会不安症の可能性を簡易的にチェックしてみましょう。

「はい」「いいえ」で答えてみてください。

1.
人との接し方や、どうやってコミュニケーションを取ったらいいのかわからない場合に孤立してしまうことがある。

2.
大勢の前で話すときに「頭が真っ白になる」「声が出なくなる」「ふるえてしまう」「強いプレッシャーを感じる」ことがある。

3.
人前に立った時に顔が赤くなり、人前に立つことを避けてしまう。

4.
電話に出ると周りの人に聞かれていると感じて不安になったり、電話に出ようとすると声が出なくなる。
あるいは電話がかかってくるだけで緊張する。

5.
人前で食事をすることに恐怖を覚え、食事をすることが出来ない。
また食事をするのが怖くて人と会えない。

6.
他人に見られている、噂をされている、と思うことがある。
あるいは自分が見ることで相手を嫌な気持ちにさせているのではと思う。

7.
人前で文字を書こうとすると手が震えてしまう。
(※例として、人前で黒板に字を書く時など)

8.
人に見られていると、手が震えてしまうのではないかと思ってしまう。
(※上司に仕事を見られている場面で手が震えてしまい緊張が強くなる、など)

9.
人と接しているとき、大量に汗をかくほど緊張してしまう。

10.
大勢の前でお腹が鳴るのではという不安や緊張が強い。

11.
自分の体の匂いで周りの人に迷惑をかけているのではないかと思って行動できなくなってしまう。

以上の項目で「はい」が2つ以上あれば、社会不安障害の疑いがあります。


社会不安障害の治療

社会不安障害の治療には、薬物療法と認知・行動療法が行われます。

社会不安障害には薬物療法が驚くほど効果的で、投薬を行うことで90%の人が回復すると言われているのだとか。

薬物療法で不安を抑えつつ、認知・行動療法で不安を感じる物事への対処法を身に付けていくのが社会不安障害の一般的な治療法のようです。

投薬で現状が変わるなら、自分が社会不安障害だと確信を持てなくても、まずは相談してみようと思えますよね。

治療での注意点

社会不安障害は薬物療法を行うことで症状が軽くなり、就職や結婚などの環境の変化でそのまま症状がまったく出なくなることもあります。

ですが、ストレスで悪化してしまうケースもあるので、ただ薬を飲むだけではなく、周りの人から日常生活面でのサポートも欠かせません。

いくら薬を飲んでいても、周りから「性格のせい」「気の持ちよう」などと言われていると、治るものも治りません。

本人と一緒に、周りの人も社会不安障害に対する正しい知識を持つことが大切です。

治療の際のアドバイス

社会不安障害は本人だけでなく、周りの人の協力があってこそ治療できるものです。

そこで、社会不安障害の治療の際に気をつけておきたいことを3つ挙げさせてもらいます。

まず一つ目は、早期発見・早期治療です。
症状が無くなっても、時間や何かのきっかけで症状が戻ってしまうこともあります。
本人に自覚がなくても、
「もしかしてまた症状が出ている?」
と周りの人が感じたら、早めに相談して治療しましょう。

二つ目は、自分一人ではなく二人三脚で治療していくこと
治療は本人だけ、医師だけが頑張ってもうまくいきません。
医師、患者、患者の家族が二人三脚でそれぞれに出来ることをこなし、解決へと導いていきましょう。

三つめは、前向きに進めていくこと
社会不安障害が完治してから社会復帰するのではなく、症状がある状態でも薬の力を借りて、やりたいこと、やるべきことをこなしていきましょう。

社会不安障害とうつ病

社会不安障害はうつ病やアルコール依存症についで多い疾患です。

また、社会不安障害はうつ病、躁鬱、双極性障害などと併発することも多い症状です。

外に出るのが怖くなり、外に出られない自分を責めて、結果的に鬱を起こしてしまう。

どちらが先かという違いはあれど、精神的な病気は併発しやすい傾向があるようです。

ですが、上記のように社会不安障害は薬物療法で改善しやすい症状なので、社会不安障害を克服すれば、他に併発している病気が改善するきっかけになるかもしれません。

性格なのか社会不安障害なのか、自分では判断しきれない分、なかなか確信が持てず余計に不安が募り、一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。簡易的なチェックではありますが、上記の項目について自分の当てはまるものは何か考えることで、自分の特性に向き合いやすくなるかもしれません。

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