刈谷圭司

ボードゲームの編集をしたり、ボードゲームのイベント運営をしたりしています。

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最近の記事

刈谷メソッド_32「真心のすべてを」

 そんなわけで一応これが最後です。番外編3がある気がしますが、ひとまず置いておいて。 「真心のすべてを」は、わたしが好きな海外ドラマ、『アリー my Love』シーズン3の16話のタイトルを借りました。番外編2に書いた「心に愛を」だと、ちょっと恥ずかしかったので(笑)。  仕事についての話で言えば、結局最後はこれかなと。  いろいろごちゃごちゃ言っても、やっぱり真心と言いますか、誠実さと言いますか、真剣に、必死に仕事に取り組むという、それ以外ないです。  人をダマしたり、

    • 刈谷メソッド_31「承認欲求との付き合い あるいは今後の編集のあり方」

      「番外編2」であげた項目もほとんど残り少なくなってきました。 このあと特に伝えたいことが思い浮かなければ、残り1~2回で終わることになると思います。  10月18日が力造くんの一周忌なので、16~17の土日が最終回だとそれっぽいなという気持ちもありますが、まあ、そのために無理矢理ネタを探すのも本末転倒なので、自分なりに必要ではないかと思うことを書いて、スパッと終わるつもりです。  そんなわけで、承認欲求との付き合い方ですね。編集者にとって、ここのバランスは結構重要だと思いま

      • 刈谷メソッド_30「メンタルが強いと幸せになれる」

         なんだか物議をかもしそうなタイトルですね(笑)。  ただ「メンタルが弱いと不幸になる」と言いたいわけではありませんので、ご容赦いただけたらと思います。  タイトルを聞いて身構えた方もいるかもしれませんが、わたしが言いたいのは、結局のところ「楽に生きようぜ」という話です。  それなら大丈夫ですか?(笑)  実のところ「楽に生きる」のも大変ですよね。言葉にすると矛盾しているようですが。楽に生きるのは、メンタルの強さと言いますか、「鈍感力」のようなものが要求されると思います。

        • 刈谷メソッド_29「言い訳をしない」

           すでにいろいろなところで触れたかとは思いますが、今回は「言い訳をしない」ということについてまとめてみたいと思います。  結論から言いますと、言い訳はしない方がいいです。  シンプルですね。  どこまでが言い訳で、どこまでが事実の報告かの見極めということはありますよね……という話が出そうですが、事実の報告はどこまでも淡々と行うべきで、「こういう状況だったからこういう結果になったのもやむを得ませんよね」という誘導があった時点で言い訳かなと思います。  そして自分が報告すると

        刈谷メソッド_32「真心のすべてを」

          刈谷メソッド_28「褒めること、リスペクトすること」

           今回「リスペクト」についてと「褒める」について、どっちを先に書こうか迷ったのですが、一緒に語ってしまおうと思います。  どちらも似たような行為ですね。要は相手を認め、感謝するということです。リスペクトは尊敬・尊重の意味が強いので、目上の方や他社の方に対する態度や気持ちであり、褒めるはまあ、年下のスタッフや、社外の方に対する態度や気持ちであり、通常目上の方に使うことはないでしょう。  ところで余談になりますが、刈谷は褒めるのが得意ではないんですね。理由を考えてみるに、やはり

          刈谷メソッド_28「褒めること、リスペクトすること」

          刈谷メソッド_27「責任の量」

           間に組織での自己の律し方を挟みましたが、話を戻して「責任を取る」ということについて語りたいと思います。  このあたり、昨今特に難しい話題ですね。と言いますのも、昔は責任なんて取って当たり前だったわけです。ただやはり行き過ぎもあって、例えば上司が部下に罪を擦り付け、部下が責任を負わされて退職させられたりとか、もっとひどいことになったりといったパワハラの存在が取りざたされるようになり、いまは会社や上司もスタッフにあまり厳しいことが言えない風潮にあります。鬱などの問題もありますし

          刈谷メソッド_27「責任の量」

          刈谷メソッド_26「社内で意見が対立した際の対処法」

           さて今回は予告通り、「社内で意見が対立した際の対処法」について語ってみたいと思います。とはいえ、シチュエーションが千差万別すぎてとても一言で語ることはできないのですが。  一応おさらいをしておきますと、そもそも「そうした状況を招きにくくする」ことが重要で、そのやり方はデール・カーネギーの『人を動かす』を読んでくれと(笑)。そういう話でした。  そして社外の方々、特に開発仕事においては、基本的に相手をリスペクトして、相手が気持ちよく力をふるえる環境を構築し、よいパフォーマ

          刈谷メソッド_26「社内で意見が対立した際の対処法」

          刈谷メソッド_25「自己を律する」

           今回は「責任」ということについて語ろうかと思っていたのですが……日々生きているといろいろなことが起こるわけで、ポジションが上がるスタッフに対して、通常ちょっと語りにくい、組織内部のトラブル対処法について語ってみようかと思います。  正直に言えば、外向けの仕事の方が楽です。  いままでも書いてきたことですが、原則相手にリスペクトをもって、相手が仕事しやすいように細やかに気遣い、全力で仕事をすれば、普通は良い成果につながります。  開発であれば、クオリティの高い商品を開発でき

          刈谷メソッド_25「自己を律する」

          刈谷メソッド_24「食う浴びる寝る」

           改めて前回のテキストを読み返すと……内容が薄い気がしますが、大丈夫でしょうか。まあ、こういうとき、お金を取ってないと気楽でいいですね(笑)。  とにかく「仕事は楽しく」やろうと。楽しめない仕事なら辞めちまえと、そういう話でした。  ただ、当然ながら仕事は楽しいだけではありません。いや、むしろツラいことの方が多いでしょう。だからこそ、無理やりにでも楽しさを追求しないと心折れちゃうぜという話なわけですが、すべてのストレス解消を仕事に求めるのもまた無理というもの。  では日々

          刈谷メソッド_24「食う浴びる寝る」

          刈谷メソッド_23「仕事は楽しく」

          「番外編2」でも書きましたが、今回からは「刈谷の考える仕事そのものに対する姿勢」について語っていきたいと思います。  当然ながら、内容は超私的な雑文であり、読まれる方にとって意味のあるものになるかは分かりません。 「じゃあいっそ書かなくてもいいのでは」という話ですが、それでもやはり、わたしがいろいろ書いてきたボドゲ制作法のスタンスについて、補完する役割を果たすことができるかもしれませんので、書いておこうと思います。  ボドゲ制作はやはり、定型的なものではなく、ひとつひとつ本

          刈谷メソッド_23「仕事は楽しく」

          刈谷メソッド_番外編2「広報宣伝について語れることはなかった」

          「広報宣伝」について語ろうと思ったのですが、わたし自身に広報宣伝に関する知見がなさ過ぎて、何を書いてもしょーもない情報になるなと悟りましたので、今回は番外編とさせていただくことにしました。  いや、こうなることは予想できていたのですが、でも広報宣伝に触れないのも片手落ちだよなと思い、恥を忍んで項目立てしたのでした。 「いい商品を造る」ことに関してはそれなりに人前で語れる自信もあるのですが、広報宣伝に関してはまったく手探りの最中です。  といいますかSNS周りを使った広報宣伝

          刈谷メソッド_番外編2「広報宣伝について語れることはなかった」

          刈谷メソッド_22「恐ろしきは在庫」

           前回まででボードゲーム制作についての話は大体語り終えましたので、あとは「在庫」と「広報宣伝」について語り、最後は「仕事に対する姿勢」についていくつか語ってこのメソッドも終了かなと考えています。  そんなわけで「在庫」です。  インディーズとメーカーでは在庫に対する考え方も多少違うと思いますが、大元のところは同じではないかと思います。  今回のタイトルに「恐ろしきは在庫」とありますが、在庫は何が恐ろしいのでしょうか。もちろん売れない在庫は恐ろしいですね。でも当然ながら、需

          刈谷メソッド_22「恐ろしきは在庫」

          刈谷メソッド_21「印刷と輸送について」

           ボードゲームの印刷ということでは、わたしの部署では中国の印刷所を使っています。これはシンプルに費用の問題です。  クオリティはやはり日本が最高レベルだと思いますが、印刷費はボードゲームをいくらで出せるかに直接関わってきますので、国内の印刷所さんには非常に申し訳ないのですが、いまはクオリティと値段のバランスでそうなっています。  実際の印刷所さんとのやりとりですが、まずは見積もりをお願いするところから始まると思います。  ちなみに中国の印刷所さんだと、相手が法人、つまり会社

          刈谷メソッド_21「印刷と輸送について」

          刈谷メソッド_20「カードのグラフィックデザインについて」

           ボードゲームのグラフィックデザインについて語るうえで、カードのデザインは丸ごとひとつ項目を使う価値のある重要な要素だと考えています。  まずボードゲームのカードのグラフィックデザインに求められることですが、これは圧倒的に「遊びやすいデザインか」ということになるかと思います。そして「遊びやすい」というのはほぼ「見やすい」と同義です。  その「見やすさ」は、手札と場札でも異なります。  手札は当然ですが手に持ちます。手に持てば一番上のカード以外は大部分が隠れてしまいます。そ

          刈谷メソッド_20「カードのグラフィックデザインについて」

          刈谷メソッド_19「グラフィックデザイナーさんに渡す素材について」

           イラストの完成データを受け取ることができたなら、グラフィックデザイナーさんにお渡しする素材は揃っているはずです。  念のために箇条書きにしてみましょう。 ・各種イラスト (イラストがない場合もアリ) ・パッケージレイアウト案 ・パッケージ周りのテキスト ・ルールブックレイアウト案 ・ルールブックテキスト (タイトル、プレイ人数、プレイ時間、対象年齢、ゲームデザイナー名を含むクレジットを含む) ・カードやタイルなどの内容物周りのテキスト (必要ない場合もアリ)

          刈谷メソッド_19「グラフィックデザイナーさんに渡す素材について」

          刈谷メソッド_18「完成イラストの回収」

          「ルールブックの編集方法がこのテキストの第2部だ!」と意気込んでいたのに、前回のエピソードで大体語り終わってしまいました。  やはりボードゲームのルールブックはケースバイケースと言いますか、実際の話は結局のところ商品に合わせたオーダーメイドになることが多く、一般論のようなことは示しづらいですね。それでも誰かにとって何らかの指針になれば幸いです。  ルールブックのレイアウトを構築したあとは、入稿を目指すことになります。入稿データを作ってくれるのはグラフィックデザイナーさんです

          刈谷メソッド_18「完成イラストの回収」