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刈谷メソッド_30「メンタルが強いと幸せになれる」

 なんだか物議をかもしそうなタイトルですね(笑)。
 ただ「メンタルが弱いと不幸になる」と言いたいわけではありませんので、ご容赦いただけたらと思います。

 タイトルを聞いて身構えた方もいるかもしれませんが、わたしが言いたいのは、結局のところ「楽に生きようぜ」という話です。
 それなら大丈夫ですか?(笑)

 実のところ「楽に生きる」のも大変ですよね。言葉にすると矛盾しているようですが。楽に生きるのは、メンタルの強さと言いますか、「鈍感力」のようなものが要求されると思います。スルーする力。開き直りに近いかもしれません。

 難しいのは、本当に鈍感で察しが悪いと、それはそれで行きにくいところです。人間社会のなんとややこしいことでしょう(笑)。
 つまり空気を読む力はもちつつ、そのうえで状況に上手く対応する力と、状況を上手くスルーする力を身に付け、さらに重要なのが、そのへんをいちいち記憶しないということです。そのあたりにメンタルの強さを必要とします。

 人間どうしても後悔するものです。
 日々の行いすべてに納得していて、一切後悔がないという人がいるでしょうか。お釈迦様やイエス・キリストだって後悔はしていたようです。
 後悔に伴う反省は、大いに行うべきです。反省がなければ成長がないからです。
 ですが後悔によって落ち込む時間は、可能な限り短くすべきです。なぜならその時間はまったく生産的ではないからです。

 とはいえ、「ワン、ツー、ハイ! じゃあ気分切り替えた!」と切り替えられるかと言えば、それもなかなか難しい。しょーもない失敗であれば、ちょっと美味しいものを食べたり買い物をしたりすれば気分を切り替えられるかもしれませんが、取り返しのつかないような失敗をした場合など、むしろ「ワン、ツー、ハイ!」で切り替えられる方が異常です。
 それでもなお。
 その苦しみを飲み込んで前に進まなくてはならない。
 そこはもう、メンタルの強さで乗り越えるしかないと思います。

「でもメンタルが弱い人はどうすればいいの?」という話ですが、そこはやはり鍛えることだと思います。
 もちろんただ耐えろということではないですよ。ただ耐えるのは賢いやり方とは思えません。上手にスルーしましょう。

 具体的にどうやってメンタルを鍛えるのかと言われれば、やはり千本ノックではないですが、経験を積んで乗り越えることだと思います。
「24_食う浴びる寝る」で書いたことも、そうしたメンタルを鍛える技術論です。「美味い物を食う」「風呂に入る」「ベッドで寝る」というアクションを取ると、自分のストレスは減る……という刷り込みを自分に行うことで、ストレスを克服する成功体験を得ていくわけですね。

 この成功体験の積み重ねのいいところは、やがて振り返ったときに、過去に落ち込んだことが、現在の自分にとって結構どうでもいいことだったことに気付いたりすることです。
 もちろん、いつ振り返ってもきつい失敗という、トラウマのようなものも存在します。そのトラウマとは、一生付き合っていくしかない。でもきついトラウマがあったとしても、それでも人生に楽しいことは起こるし、優しい気持ちになることはあるし、人のために役立てることがあることに気付くはずです。
 そうして振り返れば、そのときは絶望的に思えたことも、最終的には何とかなっていまここにいるなと気付ける。
 そうすると、今後何か起こったときに、「まあ、なんとかなるさ」と思えるようになるわけです。歳をとって図太くなってるだけかもしれませんが(笑)、でもその図太さ、開き直りは、案外重要なのです。
 少なくともずっと落ち込んでいるよりは、心の健康にいい。

 少し話が飛躍しましたが、そういうわけで、メンタルを鍛える方法というのは、やはり小さなストレスを乗り越えて、成功体験を積むことが重要な気がします。
 何度も言うようですが、我慢して耐えろと言うことではないですよ? ストレスをスルーしたり、上手に処理して、心を守る技術を身に付けていこうということです。


 さて。本論は「メンタルが強いと幸せになれる」でした。
「幸せになれる」とは大きく出ましたね(笑)。
 でもこれは事実だと思います。

 例えば成功している方のインタビューとかを聞いていると、めちゃくちゃ不幸な目にあっているのに、「プラスに考えて乗り越えました」みたいなコメントを耳にすることがあります。

「どうしてその状況でそこまで前向きになれるんだ」と驚き、感心させられるわけですが、実のところ、そうした方々は本当にストレスを感じていなかったりするんですね。本当に、心から「これは自分が成長するためのステップだ」と思っていたりする。逆に言えば、だからこそその状況を乗り越えられたりする。
「前向きにでも思わなきゃ、耐えられない」というメンタリティではないのです。
「最後にはうまくいく」と思って、その状況を楽しんでいたりする。

 そこまでいくと、本当に強いですよね。どういう状況でも楽しめる。「メンタルが強いと幸せになれる」というのは、そういう境地をイメージして話しています。

「いやいや、そのメンタリティは特殊過ぎるでしょ!」と言われるかもしれませんが……でも、それもやはりある程度訓練で対応できるのではないかと思っています。
 それはわたし自身の経験から言っていることです。

 もっとも、わたしは分類するとどうやらメンタルが強い方のようですので、結局のところわたしにはメンタルが弱くて苦しんでいる方の本当の辛さは理解できていないのかもしれません。
 それでも、例えメンタルが強かろうと弱かろうと、人並みに精神的に苦しい目にあってきた自覚はあります。
 初めて自分の名前でゲームが発売されるときは、プレッシャーで頭がおかしくなりそうになったものですし、母を亡くしたときやプライベートでいろいろあったときも、相当すさんだ精神状態で数か月過ごしたものです。
 ゲームマーケットの事務局長などをやっていると、見知らぬ方からさまざまな不平不満にさらされます。この「刈谷メソッド」にしても、身内からは「社内の資産の流出になるのではないか」と問題視されたり、外からは「中身のない駄文を得意げに垂れ流しているアホ」だと陰口をたたかれたりします。

 でもまあ、鈍感力ですよ(笑)。
 正直、いろいろ気にしても仕方がない。
 もちろんいい意見には耳を傾けますし、反省もします。より良い自分になりたいからです。
 ですが単なる誹謗中傷であったり、シンプルな誤解の類をいちいち気にしても仕方がありません。そうした誤解を解いて回るほど、人生は長くありません。

 それよりは、自分が楽しくなれることに時間を使った方がいい。
 そういう割り切った処理ができるメンタルを手に入れることができると、自然に人生が楽しくなってきます。

 そうした話を総合して、「メンタルが強いと幸せになれる」と書かせていただいたわけです。

 そんなわけで、冒頭に書いた結論を繰り返して今回のテキストを終えたいと思います。

「楽に生きようぜ」


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