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播磨陰陽師の独り言・第439話「子供の死亡率のこと」

「わが国の子供の自殺数はG7で最多である」
 と、ある政治家さんが叫んでいました。
「こんな国になったのは自○党のせいだ」
 とも言っていました。
 確かにG7なら最多です。しかし、こんな国になった……と言えるでしょうか?
 人の死因には、それほど種類はありません。
 事故死、病死、天災による死亡、殺されての死亡……と、そして自殺ですべてです。どのような死因も、このどれかに収まります。
 と言うことは、自殺による死因がトップでなかったとしたら、他のどれかの死因がトップになると言うことです。
 たとえば、殺人事件で亡くなる子供が多いと仮定します。わが国以外にはそんな国もありそうですが、怖くて外を歩けません。ちなみに米国の子供の死因の一位は〈銃撃〉だそうです。
 また、たとえば、病死が死因のトップだと仮定します。発展途上国ならいざ知らず、そんな国なら仮にも文明国だとは思えません。医療は発達しているのです。それに従って、病気での子供の死亡率は年々少なくなっています。
 事故死が死因のトップだと仮定します。車優先の国ならそうなりそうですが、わが国では子供の事故死も減りつつあります。
 そして、天災が死因のトップだとしたら、毎年、目を覆いたくなるような悲惨な災害が起きる必要があります。しかし、わが国は天災の多い国ですが、そこまでひどくはありません。ちなみに、日本の未成年の死因は、自殺、事故死、ガンの順番です。
 確かに江戸時代と比べたら、子供の自殺率は高いと思います。江戸時代の子供は自分で死を選んだりはしません。生きることで精一杯だったのです。
 さて、江戸時代のわが国の平均寿命は三十五から四十歳くらいだそうです。しかし、これはあくまでも平均寿命であって、
——栄養状態が悪くって四十歳までしか生きれなかった。
 と言う意味ではありません。三歳までに亡くなる子供が多かったので、もし、四十歳までしか生きられなかったら、平均寿命は二十歳前後になります。それが四十歳前後の平均寿命です。長く生きた人は百歳超えていると言う意味ですね。
 江戸時代にあたる時期の隣国の平均寿命は二十五歳前後だったそうです。それが当時としては普通だと思います。わが国の民が長生きし過ぎるとも思うのですが……。

 今夜、火曜日夜九時からクラブハウスによる配信があります。配信時間は一時間で、後半は質問やおしゃべりを楽しみます。朗読とそれに続く質問コーナーは『陰陽師の嫁/W&M Club』で……では、よろしくお願いいたします。

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