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播磨陰陽師の独り言・第三百十三話「サムライとは?」

 最近、外国でも流行りのサムライ。日本と言えば、〈ゲイシャ〉か〈サムライ〉とも思われています。しかし、この〈サムライ〉と言う言葉、語源は何でしょうね?
 サムライの語源は〈さもらう者〉です。さもらうと言うのは、〈そばにいて仕える〉と言う意味です。殿様のそばに仕えているのでサムライと呼ばれる訳です。
 サムライには様々な別名があります。それは、強者つわもの、もののふ、武士ぶし丈夫ますらお、武者などの言葉です。この中で最も古い言葉は、多分、〈もののふ〉だと思います。
 もののふの語源は〈もののふべ〉です。これは滅び去った物部もののべ一族の中の、特に武力集団を意味する言葉です。この言葉が省略され、やがて〈もののふ〉となった訳です。
 まだ、サムライが〈もののふ〉と呼ばれていた頃……平安時代あたりは……頭は丁髷ちょんまげではありませんでした。丁髷になったのは戦国時代あたりからです。
 平安時代にサムライたちが持っていた刀には直刀もありました。今に見るような反りのある刀は、平安時代に増えたもので、まだ、直刀を好むサムライの大勢いました。中には〈小烏丸〉と呼ばれる、反りのある両刃刀もありました。両刃の刀は反りのある刀に比べて重いです。また、肩に担いだりも出来ないため、余計に疲れます。しかし、切れ味はかなり凄いです。特に上から下に振り下ろした時の切れ味は、最高だと思います。
 両刃の刀を〈つるぎ〉と呼びます。これは『剣法略記』に、
——ツルツルと切ることが出来る故、つるきと言うべきだが、言葉が訛って〈つるぎ〉となった。
 と書いてありました。
 刀は、同じく『剣法略記』に、
——つるぎが切れ過ぎる故、真ん中で割って片刃とした。これを〈かたば〉と呼んでいたが、やはり言葉が訛って〈かたな〉となった。
 と、語源について書いてありました。
 剣に比べ刀は軽く、反りもあるので、横に振り回しただけで素早く簡単に切ることが出来ます。
 最近、YouTubeで真剣で巻き藁を切る映像を見ました。下手な人は腕の力で切ろうとするので、どうしても後ろに反り返って振り下ろします。反り返って腕を伸ばす瞬間に、
——あぁ、この人、下手なのね。
 と思う訳です。
 一方、上手い人は腰が入っています。腕の力ではなく、腰を回してスッと切るのです。そして、さらに上手い人は、全身の回転を使っています。まぁ、刀の使い方には色々とありますが、長くなるので、また、いつか。

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