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引用元間違えがち

地獄はもぬけの殻である。全ての悪魔は地上にいる。

さてどこでしょう


これを聞いて誰の言葉だか思いつくだろうか。
無論、多読家かイギリス人であればこれを聞いて直ぐに、ああ、シェイクスピアの言葉だなと分かる訳だが、私は長い間ずっとこれをシャーロック・ホームズでモリアーティが放ったセリフだと信じて疑わなかった。
いやまあ、多分その場面でも誰かの引用だよ、みたいな感じで言っていたはずなので完全に私の早とちりなのであるが、本当に目からウロコであった。

例えばジョジョ1部をだいぶネットミームに侵されてから見た人は、このディオってキャラやたらとネットミームを言うな、等と前後関係が逆であることに気づかないと言ったパターンがあると言うのは知っていたがそういう事が最近私の身の回りでも多々起こったのである。

そう言った事例を皆さんも経験したことは無いだろうか。

例えば上記のセリフも、だいぶ気に入っているのだが、モリアーティ以外にもどこかで読んだような気がするぞと思っていた。
ぼんやりそのシーンが思い浮かぶのだが、絶望した学者だかなんだかが、失明していて……いやニーチェだったか、ドストエフスキーだったかと悶々も考えをめぐらせていたのである。
今どきGoogleやヤホーで調べればなんとでもなると聞くがなんともならないことも多々ある。

知識こそが武器

赤と黒。宝塚最高。


なのである。私の中にある曖昧な、半分ぼんやりとしたかつて読んだ本たちの記憶などどこにも載っていないのである。

人間必ず、誰かが、何かを覚えていますからね

象は忘れない,ポワロ

という訳で必死になって灰色の脳細胞をフル活用させて名探偵ポワロよろしく鍵となる糸を引き寄せたのである。

まずその印象的なシーンでは、失明した学者の印象的なシーンに人造人間が出てきたことを覚えている。
ただし、人造人間なんて言葉ではなかった。
その言い換えがどうしても思い出せない。
この際、確かにGoogleは役に立ったと言えよう。

そう、人造人間の類義語「ホムンクルス」。
間違いないこれが使われていた、この言葉をその本の中で見た事がある。
となると、なるほど人間的な、あまりに人間的なでもなく、悪霊でもなく、ゲーテのファウストだったと理解ができた。

生憎、家に原本がなかったので借りてきてパラパラやっていると残念ながらファウストにはそのようなシーンもなく、やはりどこかで勘違いしていたのである。(博士が失明した後、天使というかなんというかそういうもの達のセリフを聞いてさ迷う時に上記のシェイクスピアのような言葉を言っていたと記憶していたわけである)

まあなんなのかと言うと、本は大好きだし、今どきなんでもGoogleで調べられるよと言うかもしれないが、頭に入っていない知識でないと役に立たない場合なんて多々あるわけで、私なんてのは全く怠惰な人間なので攻殻機動隊よろしくはやく外部記憶装置を人間の体に設置できないものかとも思っている訳だが……。

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