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2年間プレミアリーグ全試合視聴してみて
どうして可能だった?
私は20-21、21-22のEnglish Premier League(以下EPL)全試合フルマッチを試聴した。その他にもラ・リーガとJリーグを毎節2ゲーム、欧州のコンペティションを週に3ゲームを観ていたから多いと週に20ゲーム視聴していた。コロナ禍の大学生という環境を存分に活かした。
私はNetflixもYouTubeもほとんど観ない。読書は週1冊。大学の課題は単位が取れる程度に。バイトもサッカーコーチなので試合を見ることは準備にもなる。友達との外食やデートを合わせて週2回ぐらい。という生活だ。
20-21はコロナ禍でEPL側がキックオフ時間をずらしていた事でほとんどのゲームをリアルタイムで視聴したが、21-22は従来通り、現地土曜日15時キックオフのゲームを始めとして同時キックオフのゲームが多かった。そのため、結果を遮断して見逃し配信に頼ることが多かった。
明らかに後者の方が快適だった。無理に生活リズムを崩さなくて済むし、選手の治療時間、セットプレーの準備、VARチェック、ハーフタイムの時間をスキップすることで1試合あたり70分あればプレー時間は全て追うことが出来るので時間の節約にもなる。
クレイジーな時間の使い方だし、来年は就活もありさすがに見るゲームを絞ろうと考えているので今回は自分の振り返りとして、メリットとデメリット、楽しめたことを記しておこうと思う。
文脈
まずは想像のつきやすいメリットから。各チームのシーズンを線で追えるということ。
チームの戦術というのは、毎試合相手に合わせてコロコロ変えるようなものではない。監督・ファン・クラブのフットボール観が融合してチームの志向・スタイルが形作られる。その上で、チームとしての大枠となる原則が定められ、これが戦略階層に当たる。
毎週試合を観ているとこの部分を上手く掴めるようになる。そのため、目の前のゲームに用意してきたプランを監督が選んだ理由が見えたり、問題点がそのチームの恒常的な課題なのか相手との力関係や相性で表出してしまっているものなのか分かったりする。
例として分かりやすいのはサウサンプトン。彼らはハイプレスから中央をショートカウンターで素早く陥れることを志向している。しかし、中堅クラブ故の難しさで、力関係に応じていくつかのマッチプランを持っている。
相手がボールを持たせてくれば後方でアンカーを使う、あるいはサリーして相手を引き込んで前方にスペースを作り出す。擬似的にショートカウンターのような状況を作り出す。
相手の保持にハイプレスが通用しないと見ると、5バックでローブロックを敷きロングカウンターを繰り出す。このやり方でシティから2試合共にポイントを奪ったりアーセナルに勝利した。
皮肉にも、いわゆるレッドブルスタイルで臨むゲームよりも2つ目、3つ目のプランが上手くいくのだ。
このように、20チーム分の志向、戦略、戦術階層を観察し自分の中に取り込み、ツイートや会話、noteを通じてアウトプットすることで自分がチームを線で追う上でのフレームワークや評価軸を定めることとなった。
これはもちろん、自分が指導する中で長期の強化戦略を立て、原則を設定し、実際のゲームで戦術を策定する際に大きく役立つ視点・能力となった。
精神安定
今度は感情面の話。全チーム追っていると多かれ少なかれ各チームに好きな部分や応援したい選手が現れる。
クリスタルパレスのゲームだけは相手のラフプレーなどに怒りが込み上げる時はあれど、例え順位が下のチームに敗戦しても文脈を追えば妥当だと考えることが出来ることもある。
また、客観的にどちらにも肩入れせずに観ているゲームが多いおかげで純粋に両チームの素晴らしいプレーを楽しめるし、戦術の駆け引きや盤面のマッチングを冷静に観察出来る。
例えパレスが不甲斐ないゲームをしても、好ゲームや好プレーを楽しむことでフットボールを楽しむ気持ちだけは毎週保ち続けられた。
義務感
デメリットも当然ある。それは外れゲームを引いても途中で視聴をやめられないことだ。外れゲームとは、点差がつきすぎているゲーム、退場者が出てしまうゲーム、ファールが多すぎて流れがぶつ切りなゲーム。
もちろん、誰にも「全試合見てくれ!」なんて言われてない。でも始めてしまった以上、中途半端に300試合見るぐらいだったら残りの外れ80試合も観ようという気持ちになるのだ。不合理だがこれがヲタクマインドなのだろう。
これから
これからどうしようか。冒頭に記した通り、就活も始まるわけで、その次のシーズンには社会人になってしまうので全試合観ることは当然無理だろう。
しかし、文脈を掴み、ピッチ上で現れている事象の背景をある程度わかった上でゲームを見ることで観戦に深さが出て楽しめることを知ってしまった以上は全試合観ないと満足感が薄れるだろう。
そのため、観るゲーム数を減らした上で出来るだけ多くのチームを線で追えるような方法は模索した上で来季以降のEPLも楽しんで行こうと思う。
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