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不安を和らげるマインドフルネス【やり方&お勧めアプリ】

一部の地域では外出自粛が続き、緊張した日々が続きますね。
私は気持ちを落ち着けるために、マインドフルネスを実践することがあります。今日はその解説・やり方・お勧めの補助アプリについて書きたいと思います。

マインドフルネスという言葉が流行り始めて久しいですが、皆さんはどんなイメージを持ちますか?ちょっと宗教っぽいですか?気休め程度に感じますか?
たしかにそれ自体は禅やヨガをベースとしたものですが、臨床の場では宗教的観念を排してうつ病やがん患者さんなどに施されている治療法となります。マインドフルネスを実践することで血圧やコルチゾールレベルが下がり、長期的には感情処理を行う扁桃体など脳の広い領域に変化を及ぼすことがわかっています。この手法の良いところは、ストレスの原因そのものを直視することなく身体の使い方に集中することで心身の回復を図ることができる点、感情そのものではなくまずは身体感覚に注意を向けることから始めるので理解がしやすい点が挙げられるかと思います。

さて、前回の記事で触れた通り私は(もうすごく前の話ですが)約5年マインドフルネスとニューロフィードバックに取り組んでいました。当時は集中力を高めるトレーニングの一部として実施していましたが、後から振り返ってみると、私にとっては不安症を和らげるという効果もありました。
マインドフルネスな状態を脳波を用いて説明するとすれば、それは脳内が低α波か高θ波優位の状態の時です。日中活動しているときには波長の短いβ波が、リラックスしているときには少し波長の長いα波が、瞑想状態のときにはより長いθ波が出ています。逆にβ波の中でもより波長が短くなるほど、イライラや不安を感じたりさらにはパニックを起こしたりと、生活に支障が出る状態に近づきます。

マインドフルネスな状態を作るポイント

では、どうしたら脳内をマインドフルネスな状態にすることができるのでしょうか?私が実践していたことは以下です。

深い呼吸:20~30秒で一呼吸するくらいのゆったりとしたペースで。腹式呼吸に慣れると、より深い呼吸ができるようになります。吸うよりも吐く時間を長くする方が楽です。
正しい姿勢:呼吸をしやすくするためと、身体に余計な負荷をかけないためです。筋肉の緊張を解きましょう。
五感への刺激を減らす:触覚を刺激しないように、手のひらはなるべく上に向けて膝の上か床に置いた方が良いです。匂いがする場所を避け、音もなるべく遮断しましょう。ただしリラクゼーション目的であれば、弱い植物ベースの香りや小さい自然音はかえって良いです。閉眼(完全に目を閉じた状態)か半眼(僅かに目を開けた状態)、好きな方を選んでください。光が強すぎたりチラつきがある場所はお勧めしません。飲食は禁止でお願いします。

初めはやり方がよくわからなかったり、飽きてしまうかもしれません。そんなときはアプリを使うのも手です。瞑想だけではなく、リラックスに役立つコンテンツがたくさんあります。20くらい試した中で、お勧めのものをピックアップしました。

お勧めマインドフルネス補助アプリ

1.Meditopia

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料金:780円/月
コンテンツ:メディテーション指導/スリープストーリー/自然音/ヒーリングミュージック

このアプリは、MBSRやACTといった心理療法上の技法をベースにしたコンテンツを展開しています。そのためセッション内には説明的な表現も多く、スピリチュアルな雰囲気が苦手な人にお勧めです。例えば「恐怖心と上手く付き合う」というコンテンツでは、まず最初に「なぜ恐怖心が生まれるのか」「恐怖心とはなにか」といったことを身体の仕組みの観点から解説してくれます。このような前情報は、心や感情という不確かに思えるものに向き合う上での抵抗を和らげるのに役に立つでしょう。また、毎日更新されるコンテンツにはギグエコノミーやパンデミックに言及したものもあり、いまの時代に寄り添った内容となっています。

2.cocorus

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料金:600円/月
コンテンツ:メディテーション指導/ASMR/自然音/ヒーリングミュージック

私がこのアプリで最も気に入っている点は、音です。BGMも語りも、音質がほかのアプリと比べてとても綺麗です。さらにマインドフルネスコンテンツでは、好きなインストラクターからその人が提供しているコンテンツを探すことができます。瞑想をしているとき、基本的に外部情報は音だけになるので、「この声は素敵だ」とか「この人の話し方は少し合わないな…」といった感覚にいつも以上に敏感になると思います。そんな中で、気に入ったインストラクターをベースにメディテーションを進められるのはとても良い仕組みです。プログラムの種類も豊富で、アンガーマネジメントやジャーナリングなどの心理療法を用いたものもあります。

3.Relook

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料金:580円/月
コンテンツ:メディテーション指導/ASMR/自然音

メディテーションの効果は、継続によって強化されます。このアプリでは、多くのテーマが数日間にわたるセッションにより構成されているため、メディテーションを習慣化したい方にお勧めです。セッションでは主に、ある場面における感情・思考の想起と、現在の身体的感覚の知覚を繰り返します。このようにして身体の状態と心の状態が結びつくと、身体感覚の知覚が「感情を知覚してただ見つめる」という受け入れに繋がります。これは抑うつや不安を引き起こす「認知の歪み」とは真逆の状態であり、マインドフルネスそのものです。このアプリのアプローチ法は、ヨガと似ています。

英語OKなら間違いなく以下のものを

さてここまで日本語対応しているアプリを紹介してきましたが、もし英語でのセッションに抵抗がなければ、以下の3つがお勧めです。各アプリにはっきりとした特徴があるので、自分が好きなスタイルをみつけやすいでしょう。

4.Calm

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料金:1,650円/月コンテンツ:メディテーション指導/エクササイズ指導/スリープストーリー/ASMR/自然音/ヒーリングミュージック

Calmはリラクゼーションのためのあらゆる方法を提案してくれます。もしもあなたが私のように面倒くさがりで飽き性なら、“Daily Calm“というコンテンツがお勧めです。毎日更新される10分間のメディテーション指導は、1テーマ完結型です。過去の内容はYouTubeから視聴できるので、この少し高価なサブスクリプションに抵抗があるときは利用してみてください。Calmのインストラクターは、メディテーションの専門家だけではありません。オリンピックのメダリストやアントレプレナーなど、様々な人が語り掛けてくれます。またCalmには、良質な睡眠を助けるスリープストーリーが数多く用意されています。スマートフォンを置いて穏やかな声に耳を傾けていると、頭の中を巡っていた様々な思考が離れていくのを感じ、安心して眠りにつくことができます。

5.Headspace

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料金:480円/月
コンテンツ:メディテーション指導/エクササイズ指導/自然音/ヒーリングミュージック

10分という時間も長い!と感じるのであれば、5分、3分、場合によっては1分でメディテーションを完了できるHeadspaceを試してみてはどうでしょうか。ほとんどのセッションは長さを自分で選択することができるため、気分や体調に合わせたメディテーションが行えます。このアプリは、見た目も機能もとてもシンプルです。セッション中に背景で音が流れたりはしません。そのため、静まり返ったお寺で説法を聞いているような感覚にもなります。それもそのはず、共同創業者でほとんどのプログラムのナレーションを務めるAndy Puddicombe氏は、仏僧としての経験を持つメディテーションのエキスパートなのです。

6.Ten Percent Happier

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料金:1,600円/月
コンテンツ:メディテーション指導

もしあなたがメディテーションの効果について懐疑的であるならば、このアプリがお勧めです。ここでは、書籍“10% Happier“の著者であるDan Harrisとメディテーションの理論について学びながら、実践を繰り返します。理論パートでは、Dan Harrisがインストラクターへのインタビュー形式で、メディテーションのテーマを深掘ります。これを通してわかるのは、メディテーションには科学的根拠が存在すること、そしてインストラクターが普段の生活では決して神秘的な話し方や振る舞いをしているわけではなく「ごく普通」であることです。メディテーションやその従事者に対する私たちの心理的距離を、このアプリは埋めてくれます。

自分のペースで続けましょう

よくマインドフルネスは毎日続けなさいと言われますし、継続することで効果は上がると思います。実際に、何年もブランクがあると私のように不安症が再発するかもしれません。しかしこれらはあまり苦しくない程度に続ければいいと思います。私たちの目的はストレスや不安から解放されることなので、今日もやらなきゃというプレッシャーから逆にそれらを受けては本末転倒です。
また、どうしても合わないと感じたら思い切って辞めることも良いと思います。意思決定はレジリエンスのとても重要な要素だと私は考えているので、自分の気持ちを大切にしてくださいね。


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