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推しが寝取られたのでファンを辞めるという実話

こんにちは。これを書いているのは深夜2時半、
2時間ほどの間に精神をズタボロに引き裂かれた惨めな一人の学生です。
正直、どうしていいかわかんないです。
好きな歌手が寝取られた。
この言い方は99.9%間違ってて、現実にはただ僕が事実を、その人にとって大したことなない過去を知ってしまっただけなんですが。人から見れば───どころか、僕が逆の立場ならそうするだろうことですけれど───本当にしょうもないので笑ってくれて大丈夫です。

1.事の経緯 その1

好きだった歌手───仮にAさん、とするんですけど、Aさんはいわゆるアニソン歌手です。これを読んでいるみなさんにとって、特定はきっと凄い簡単なのでこれ書くべきか迷ったんですけど、まぁこの際だからということで。

軽くAさんの説明をすると、
その人がデビューしたのは4〜5年前(かな?)、某有名アニメのキャラクターの歌唱担当でした。
当時、歌唱担当が誰なのか明かされておらず、色々と噂が囁かれていたのですが、結局役名で出した数曲の後、Aさんの名前で歌手デビューしました。
当時、Aさんに出会うまでの僕は捻くれていて、オタクであったにも関わらず好きな歌手とかは特にいませんでした。
そんな僕も、Aさんの曲を聴いてすぐにダウンロード。ちょっと囁くような優しい声と透き通るような声とが混ざった「いい声」と、抜群の歌唱力に魅了されて、Aさんの曲を聴き続けてきました。
 その後も僕の好きなアニメの主題歌を担当していたり、歌詞と曲調がピンポイントで刺さるようなものばかりで、いつしか最推し歌手として認識するようになっていました。全曲鬼リピしてましたし、カラオケでは友達に勧めたり。
残念ながら僕は行けなかったのですが、Aさんは
かなり大規模なライブも何回か開催していて、「古参なのに」とかわけわからんこと考えながらだらだら中高を過ごしました。オタクであったことに後悔はないです。

2.事の経緯 その2

「Aさんは歌手デビュー以前はコスプレなどの、別方面でのオタクカルチャーで活躍していた人なんだよ」という話を聞いたのはいつだったでしょうか。おそらくは2年ほど前。へぇそうなんだ、と聞いた名前をGoogleくんに打ち込んでみると、なるほど可愛い。
"Aさん"としての今とは少し違う、まだあどけなさの残る写真が何枚か出てきて、ニヤニヤしていたのを覚えています。今思うと気持ち悪い。
「全然古参じゃないじゃん、もっと早く知ってれば」
とかぼんやり考えて感想欄を見ても、
「可愛い!」とかばかりで否定的だったり目立つコメントもあまりなかったので
何も考えず目の保養だけしていました。
地獄はすぐ近くにあったんですけどね。

3.事件(という名の被害妄想)

そして時はほんの2時間前に至ります。
Twitterをぼんやり触っていた僕は、「詳細検索」なる機能を見つけました。いついつに追加された、なんて話は特に聞かないですし、多分昔からあるのでしょう。兎にも角にも、知らない機能を見つけて喜んでいたバカな僕は、Aさんの新曲を最近よく聞いているを思い出してAさんのアカウント名を調べてみました。
コスプレ時代のお友達、ファンの方、写真家(というよりはコスプレ撮影が趣味の人たち)からの会話が「昔の名前(××さんとする)さんかわいいね〜」みたいに沢山出てきて、「少し得したかな」なんて思ってました。でも。

Twitterで詳しく調べる前に、Aさんのことを書いてるスレを覗いてみることにしました。ただ漠然と調べるよりいいかな、と思ったので。
すると、今のAさんでは考えられないようなアレやコレ、端的に言うなら、「事実じゃなければ誹謗中傷」レベルのシモの話などが載っていました。

「怖いなぁ、アンチ。」
そう思って、さぁTwitter。
関連として挙げられていた歌い手のツイート。
調べると、スレに書いてある事に近いような内容が出てきました。性交渉を匂わせる、みたいなのが。
呆気に取られて、何か否定する内容を見つけようと躍起になって調べました。「Aさん 関係」「Aさん   歌い手」などなど。生々しいのでやめますが。まぁ出るわ出るわでびっくり仰天。
僕の心の中にあったAさん像がガラガラと音を立てて崩れていくのがわかりました。
今ではどこか儚げな雰囲気のAさんの本性は、
遠くかけ離れたものだったんだなって。
「Aさん」という"キャラ"で売っていることは戦略であってそれ以上でも以下でもないので勿論何も悪いことではないですし、僕には責める資格なんて一ミクロンもないです。
しかし、過去を知ってしまうこと、それは即ち、知る前には戻れないということを意味します。
僕が推していた「Aさん」は存在せず、ただただ
知らない男が「Aさん」になった"誰か"と関係していた。服を着るように、靴を履くようにして「Aさん」を羽織っていた"誰か"を前にして、涙と寂しさが胸を埋め尽くしました。
オタクの身勝手な解釈違いと言われたらそれまでですが。
そして今。携帯の中に入っているAさんのデータは一通り消しました。もう聞かないと思います。ライブは行かなくて良かったしグッズは買わなくてよかったんです、きっと。
もう何も考えたくないです。しばらくは、このことを引きずっていくと思います。Aさんをどこかで見かける度に、「好きだったな」って苦くて苦しいものを抱えながら生きていくんです。三次元の、誰か新しい「推し」ができるか───今の所できる気はしませんが、それは人生なので。
僕の心の中の「Aさん」という偶像は、呆気なく散っていきました。
好奇心は猫を殺す。
僕の身勝手な想いは、好きであるが故の詮索によって完膚なきまでに終焉へ。
人や場所が同じでも違っても、僕と同じ思いをする人がいないことを願って、ここで筆を置きます。



追伸、2023年4月。二次元アイドルゲームにハマりました。やはり百合こそ全てです。

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