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大根の面取りをしていたら、「料理が好き」の言語化が進んだはなし

先週、ローカル×ローカルの別館リノベーションに参加するために、久しぶりに南伊豆に行った。

その日の作業が終盤に差しかかったころ。

「夕ごはんにおでん作ってほしいって、イッテツさんが言ってたよ」とダバちゃんに言われ、台所でひとり、黙々と大根を面取りしていた。

大根を切って、角をぐるっと削って。十文字に切り込みを入れながら、こんなことを考えた。



もともと料理をすることは好きだけど、一人暮らしの部屋で自炊をする時と、ここでみんなの分のごはんを作る時は、気持ちが違う。

神奈川の1Kでごはんを作って、仮にそれが上出来だったとして。
「うまー!」と思わず声が漏れても、わたしの部屋には誰もいない。

でも、ここで作るごはんは、みんなで食べるごはんだ。

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美味しい美味しい、と誰かが言いながら、お皿が空になるのを見たり、
「あー美味しかった」と小さな声が聞こえたりすると、

わたしは、とっても嬉しくなる。

「くろちゃんは辛いカレーが苦手だから、ルーは甘口と中辛の半分づつにしよう」とか、
「イッテツさん、最近忙しくて、ちゃんとごはん食べられてなさそうだから、あったかい和食にしよう。肉じゃがもいいな、豚汁もいいな」とか。考えるところから、もう楽しいのである。

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誰かと一緒に料理をするのも、誰かのことを想って料理をするのも、
わたしにとっては、とっても幸せなことだ。

別に、たいそう手の込んだものは作ってない。
ありふれたご飯なんだけど、それでもやっぱり、自分が大切にしたい人と食卓を囲むことは、わたしにとっては、かけがえのない時間だった。

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大根を最初にお鍋に入れて、そのあと、たまご、こんにゃく、そして大量の練り物をのっけて、
ぐつぐつ、ことこと。

夕ごはんの時間より先に、乗らなければならない電車が来てしまうから、わたしは食べない。

みんなが食べるころには、大根に味がしみてるといいなあ、なんて考えながら、電車は神奈川へ向かっていった。

翌日、リノベーションに参加していた子から、

「おでん、ほんっっとにおいしかった」とLINEが。

思わずにんまりした。


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