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HYKE トレンチコート

  “普遍的なモノ”が好きだ。

  毎年変わる世の中の流行を追っ掛けるより、昔から愛され続けているモノの方がずっと心をときめかせる。それは例えばボーダーのバスクシャツだったり、あるいはBURBERRYのトレンチコートでもいい。何せ、長年変わらずに残り続けているモノは美しい。

  そうは書いたものの、私はBURBERRYのトレンチコートは持っていない。持っているのはHYKEのトレンチコートだ。昨今、流行のロング丈やオーバーサイズではなく、オーソドックスなサイズのトレンチコート。実際のところ、元の身長がそんなに高くない所為でロング丈に近いシルエットになってしまっているが、それが私には丁度いい。その丈感が妙にしっくり来て春先や秋、初冬に着る度に嬉しくなってしまうのだ。

こっくり深いベージュ色にシックな水牛の角の黒ボタン。パリッとハリのある生地で美しいシルエットなのに、着ても堅苦しくない動きやすさ。裏地に着いたライナーはあたたかく、初冬なら問題なく過ごせる機能面。(裏地が全面黒なのもポイントが高い!)エポレットやチンウォーマーに至る細部にまでこだわって作られている。

  トレンチコートは元々、袖も裾も長めに作られている。それは何度も着用し、生地自体が傷んできた際に仕立て直して長く着られるようにするためだ。

  私の買ったHYKEのトレンチコートは今年で5年目に入る。買った当初より身体に馴染んで着やすくなったけれど、袖の縁の部分は若干傷んで毛羽立ってきた。あと2回くらいはクリーニングで乗り切れそうだけれど、そろそろ1度目の仕立て直しの時期が迫ってきたのか.....と思うと、なんだかむず痒い感慨深いものが込み上げてくる。

  私がモノ(主に服飾類)を買う基準は「10年後も大切にしている」こ、どうかだ。一時の流行も素敵だと思うけれど、インスタントにモノを選びたくない気持ちが勝ってしまう。(そう言いながら流行に飛び付くこともあるので、なんとも言えないけれど 笑)

ただ、このHYKEのトレンチコートは仕立て直して、丁寧にクリーニングをして、何度も何度も着用し、どうしようもないほどにボロボロになったら、きっとまた同じモノを買うのだろうと思う。

  そういう普遍的なモノをこれからも少しずつ増やしていきたいと望むのだ。

香蓮

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