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卒業アルバムをすべて手放せた

母の入院、娘の卒入学を機に、実家から少しずつ卒業アルバムを持って帰ってきていた。


小学校、中学校、高校、大学の四つがそろうとさすがの分厚さ。収納を圧迫し始めた。


小中学校とは違って、楽しくて仕方がなかった高校、大学生活。手放すことはないだろうと思っていたアルバム。

久しぶりに見てみると、鮮やかに蘇る記憶たち。楽しい時間だったなぁ…と笑みがこぼれる。

と同時に、このアルバムに一緒に載っている大半の人たちを知らないという事実に気づく。

全然存在を知らなかった部活やサークル、委員会、研究室などなど…を目の当たりにして、自分はいかに小さな世界で、狭い視野で生きていたのかを思い知った。

急に、気持ちが冷めてしまった。
今までの楽しいと思っていた思い出はなんだったのだろう?

小中学校のときよりも世界が広がったわけで、すべてを知ることは不可能だったにせよ、自分のことにしか目が向いていなかった私。外の世界を全然見ようとしなかった私。


そんな事実を知って、なんだかホッとした私もいる。もう、そんな過去に縛られる必要はないんだ、と妙に納得した。今を懸命に生きることに専念しよう、と思えた。


そんなとき、大好きなこんまりちゃん、こと近藤麻理恵さんの最新著書『部屋も心も整う 片づけ学』を読んだ。


こんまりちゃんのどの著書にも書いてある「思い出品は、片づけ祭り総決算。じっくり見て読んで、味わい尽くす」ということ。

思い出品を納得して手放せるようになるポイントは、味わい尽くすこと。使えるものは日常で使い、眺めるものは専用の箱を作って、時折見返してみてください。「この思い出は十分味わった」と感じられるようになり、心おきなくお別れができるようになります。

池上彰 責任編集 近藤麻理恵『部屋も心も整う 片づけ学』



今回私は一人でアルバムを見たのではなく、夫と子どもたちと一緒に見た。
みんなでわいわい話しながら見て、私自身はそんなちょっとナーバスな気持ちになりながらも、夫や子どもたちにとっては新鮮だったようで、とても楽しそうに、興味深く見ていた。


こんなにたくさんの人が載っているアルバムを捨てるなんて非情かな…アルバムって捨てていいんかな…なんて思って今まで手放せずにいたけれど、こうやってみんなで味わい尽くした結果、すんなり手放すことができた。


一人で抱え込むんじゃなくて、みんなで共有することで手放せる。
新しい発見だった。

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