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POP ISLANDS

7月8日(月)

『悲しい予告』

「果たして今日も一日、人と喋らないのだろうか…!」最近、起床すると明らかに高カロリーな予告編が脳内で放送される。それにしても、とっても悲しい予告である。ああ、うるせえ。目覚ましもZ級映画の予告もやかましくて仕方がない。寝ぼけたまま駅へ向かい、気づけば働いている毎日。どよーんと淀んだ時間を送っていると、陽が沈み始めると同時に本編が始まった。

映画の題は「ホーホケキョ」。いかにもつまらなさそうだ。冒頭で主人公は鳩にご挨拶している。うむ、今朝の僕だ。偉いなあ…え、偉いかなあ。底辺映画だけに予算はないようで、シーンはほとんど変わらない。そのうえ、ほぼほぼカットなしの地獄ムービー。ずっとパソコンと睨めっこをしている画が流れていて案の定つまらない、もはやなんだか可哀想だ。「シーンよ変われ、変われ」と祈り続けること何、何時間だ…ようやく帰る時間が訪れた。

カメラは煙草を咥えてぼうっとしているひとりの女性を映している。その隣にもっとぼうっと煙草をふかしている人が存在するはずだ。疲れきった表情に哀愁まで漂わせてしまうニセ俳優、すなわち僕である。ところで、鳩とレジ打ちのお兄さんを除けば、一日のなかで唯一話すのはその女性だけだ。この日彼女は「私にとって自由の象徴は長い髪」と言っていた。駅まで数分の道中で、どうして「自由の象徴」について話していたのかは思い出せない。「僕にとっての自由の象徴、それは…」と話しかけて止めた。駅に着いたからだ。

「さよなら、ばいばい、またね」の方がいいのに「お疲れ様です」なんて堅苦しい言葉で別れてしまうようになったのはいつからだろう。そんなことを考えながら群れのなかにひとり突っ込んでいく場面で映画は終わる。エンドロール後にもチラッと映像が流れる作品があるが、とことん残念な本作にも存在した。無理やり取ってつけたような、僕が部屋でごろごろ漫画を読むだけのサービスショット。ああ、クソほどつまらない映画だった…ところで「ホーホケキョ」ってなんなんだ、愛は何処へ。「ハトポッポー」の方が幾分かマシなのではないかと思う。これが最後のアルファベットまで辿り着いた映画の末路…いや、或る日の僕の日記か。

今日をペラッと丸ごと捲りたい、全部嘘だったかのように。新しい紙とペンを用意してくれ、と思う。しかし、そんなことを言っても現実では今日は戻らないことになっている。今日は昨日、明日が今日になるだけだ。物語はこれからも続いていくらしい、こんな続編!と思ってもね。アクションとか、恋愛とか、SFファンタジーとか。明日はそんな予告を見させておくれよ。祈り続けることほんの数分、気がつけば夢の中にいた。

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旅をしよう、"exotica"を聴きながら

今日聴いていた音楽は一貫してエキゾチカだった。月曜日から"どこか遠くへ行きたい"という思いを強く持ってどうするという感じなのだが…じっと動けない部屋の中で気持ちだけがさまざまな都市へ、そして宇宙へと旅をしているようだった。

ところで、"exotica"プレイリストを作成しながらふと気づいたことがある。カオティックなジャケットが多いということだ。細野晴臣『はらいそ』、SAKEROCK『慰安旅行』、Pearl & The Oysters『Coast 2 Coast』など、山あり海あり雲があり、生物がいて、宇宙までもが見えているような。"ここではないどこか"の異国情緒な風景を写しているのだろう。

一方、50年代よりエキゾチカを牽引してきた元祖マーティン・デニーやレス・バクスターのジャケットなど、美女が単にフォーカスされた作品もあったりと、「この音の感じで、おお、この写真をチョイスしたか…」と思うものがたくさんある。刺激的なジャケットも少なくないだろう。そんなこんなでサウンドとアートワークの関係性も面白いなあと思っていたのだが、当時の混沌とした情勢を鑑みれば、なんとなく理解できるものばかりだ。

"ここではないどこか"に行きたいという思いは、ただの現実逃避にはきっと留まらなかったであろう。現代において、特に日本なんかは一応は安全な国だと思うし、結局は資本主義とか効率重視のシステムとか…そういう"社会"から逃れたいと思う人がいる程度なのだろうけど、当初エキゾチカが鳴らされていた頃は"戦争"が背景にあったに違いない。文明が進化してきて、バカンスできるようになったのも同時期だろう。いつ歌われたものか、どこを歌ったものなのか。そんなことを考えながら聴くと、聴き方がひとつもふたつも増えるような気がした。

それでもエキゾチカは頭空っぽで聴くのがいいのさ、ということも断っておきたい。非日常へと誘う音楽であることに間違いはないだろうし、鬱屈とした日々のなかでも気軽に旅することのできる音楽だろう。波やマリンバの音に身を委ね、制限のない世界を旅するのも最高に心地が良いのである。


7月9日(火)

【踊れ日記】動物たち、未来を打った、交差点

・動物たち
お休みのところ失礼します。
ゾウさん、パンダさん、ヤドカリさん。
今どこで何をしていますでしょうか。
僕はこれから仕事に行くところです。
あなた方にも悩んでいることはあったりしますか。
返事を待っています。

・未来を打った
キーボードで「2024年」と打とうとして手が滑る。
2025年:きっと楽しい日々が待っているだろう。
2028年:手が滑りすぎた。
2204年:二連打。間違いなく死んでいる。
3024年:世界ってあるのかなあ。
気が遠くなりましたのは二〇二四年七月九日。
まだ生きてます。

・交差点
足のつま先まで画面にのめり込んでいるみたい。
こちら現実世界、君のせいで一歩遅れた。
破れて底が擦り減った、僕の赤いコンバース。
交換してよ、君のそのピカピカの青いシューズと。


エッセイ『天使の魔球』

久しぶりに携帯のゲーム「パワプロくん」を起動したときのこと。前回のプレイからかなりの歳月が経っていたらしく、状況がとんでもないことになっていた。なんと言っても選手の能力が違いすぎて別のゲームに変わったのかと思う程だった。僕がコツコツと選手を育成していた当時、「最強じゃん!」と謳われる選手の能力は「Ps」というレベルだった。ここで少し補足しておくと「パワプロくん」にはパワーや守備力などの能力がアルファベットで表記される。「G」を最低として「F、E、D〜S」のように強くなっていくのだ。途中、大学の単位みたいな「B+」や「A++」などが挟まれるので「S」までいくのも一苦労なのだ。

では先程の「Ps」とは何だ…ということになるのだが、それこそ小学生のときに初めてやったパワプロは「A」が最強だった。しかし、時代の変遷に合わせてパワプロ界ではインフレを起こし続けているのだった。では「Ps」までの羅列を見せよう。「…S、S1〜S9、SS1〜SS9、PG1〜PG9、PF1〜PS9」というわけだ。うむ、気が遠くなって当然だ。それでも、長旅を制した当時の僕はカキーン、カキーンと課金なしの癖して意外とパワプロくんが上手だった。

だがしかしバット、久しぶりにプレイするとまったくボールが前に飛ばないのである。おかしいなあと思って相手の能力を確認すると目眩がした。そこには「J」というアルファベットがずらりと並んでいたのである。すかさず「J」までの道のりを調べてみる。羅列はこうであった。「…PS9、UG1〜UG9、UF1〜US9、XG〜XS9、J青、J黄、J赤」鼻血が出そうになった。まさしく終わりなき旅…道中、何度か気絶するだろうなあ。まさかこんなことになっているなんて、どうして誰も教えてくれなかったんだ…

能力差がありすぎてまるで試合にならない。うう…打てない。でも僕には現実世界で磨いてきた投球術とバーチャル世界で磨いたバントの技術がある。そんなこんなで開き直ってオンライン対戦を10試合やった。結果、10連勝。しかも全部の試合で完封した。変化球に頼らない裏をかいた外の直球、続けて裏をかいて再び直球、最後はゲームならでは、高めから高めに悪魔の変化球。その名も「エクスカリバー」や「暗黒星雲」のような魔球を放り込む。僕が次に投げる球が向こうはまるで分かっていなかった。「ふはははは…」深夜3時、変な声が出た。

ちなみにどうやって点を取ったかというと「特別延長」というゲームのルールを駆使してやろうと考えた。どうやら最終回だけ「0死1,2塁」から始まる仕組みになっているらしかった。ふんっ!送りバント、スクイズで終わりさ!ちょこんと転がしグッバイ、サヨナラの大金星である。「Psの癖に!」と思われていたらと想像し、シシシシッ。ひとり勝手に有頂天の真夜中を送っていた。

そろそろ現実に帰ろうと思い、メイン画面に戻ってきたのだが、ここでまたしても目を疑った。ガチャを引ける宝石「パワーストーン」がなんと1000個も貯まっていたのだ。当時は50個集めるのでさえ苦労していたというのに…なんだこれは!しかし、もう今の僕にはコツコツと選手を育成するエネルギーも時間もない。情けないかもしれないが、自分のことで精一杯なのだ。

この1000個の宝石はもう何の意味も持たない。変化に驚き、大人になったことを実感した夜。磨いてきたことは失われないと確かめた夜でもあった。輝きを放つ千の石を片目に、アプリをそっと閉じて目を瞑った。焦らずに、着実に僕だけのアルファベットを積み上げていこう。自分が面白いと思うものを信じて磨き続けよう。いつかの未来で天使の魔球「コシーカーワユキ」を君の胸元に投げ込めるようにね。


7月10日(水)

『立派にはならぬ』

シメシメといった表情の同僚に「何聴いてるんですか?」と訊かれ、ハッとした。もしかしたら先程からニヤけていたかもしれない、と思ったからだ。え…っと、動揺がバレて2本目の矢が飛んできた。「なんか楽しそうだったので…」ナンカタノシソウダッタノデ…これは確実に聴いていた姿を見られていたということ。うわ〜、と思う。完全にニヤけていたんだ、自分は。そんなこんなで聴いていたものを教えた昼休み。午後になって、遠くのデスクから笑いを押し殺したような声が聴こえた。咳で誤魔化しているのが見えて、なんかごめんという気持ち。こちらから矢を放つ出番だ、反撃の気持ち。ニヤけているのと実際に吹いてしまう差はあまりにも大きい、気をつけようと密かに思った。その晩、「あの一瞬、背中凍りついた」と連絡が飛んできた。「ナンカタノシソウデナニヨリデシタ。オヤスミナサイ」

くだらない映画に登場した女性が今日も居た。「雲の流れはっや、原チャリや」と言って笑っていた。帰り道、モテる方法を教えてあげると言われた。「身体からWi-Fi飛ばすの、それで大丈夫だから」は…?なにが大丈夫なんだ…分からずにこのまま独り身で暮らしていくのか俺は。ちなみに彼女の別れの挨拶は「幸あれ〜」であった。「お疲れ様です」「幸あれ〜」同じ世界の住人とは思えないが、たまに波長が合って困惑する。ギャップが魅力的な人だと思う。ポッドキャストをやっていると言っていて気になったが、名前は教えてもらっていない。きっと面白いんだろうな、と想像する。訳の分からないを話を永遠にしていてほしいと思った。

最寄り駅に到着し、そのまま飲み屋へと足を運んだ。本当は今頃、夜行バスに乗って関西へ向かっているところだったのだが、諸々のお金が足りなくて色々無理で諦めた。そんな訳でここへ来ましたと話すと「バカだな〜」と言われた。確かにバカである。今頃バスで眠っている時間だというのに…大阪の友だちに「すまん、やっぱ行かれへん」と連絡を入れて阿佐ヶ谷で胡瓜を食べている。こいつをバカと言わずに何と言おう、アホであろうか。今日はなんだか軽く酔っていた。「立派にだけはなりたくないんです」なんてふざけたことを抜かしながら、財布からお札を2枚抜いて帰宅した。

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HYUKOH,落日飛車 Sunset Rollercoaster『AAA』

韓国のバンド HYUKOHと台湾のバンド 落日飛車がコラボ・アルバム『AAA』をリリースした。まだ全曲通して聴けていないが、先行シングル「Young Man」は名曲なのではと思っている。明るい曲調で楽しいはずなんだけど、うっすら影が見え隠れするような感じは気のせいかなあ。「Glue」も個人的に好きだったが、サビの"Time After Time"と繰り返す歌詞が気になる。"何度も何度も"なんなんだろう。「Antenna」の浄化される感じも良い。「Aaaannnnteeeeennnaaaaaa」は逆にひたすら不気味だったけど。このアルバム、なんだか良い予感がする…

Cornelius,細野晴臣「薔薇と野獣」

Corneliusが細野晴臣「薔薇と野獣」をカバーしていたのも良かったですなあ。オフヴォーカルでも聴きたいと思った。ところで、最近はアンビエントがキテるキテると言われているが、確かに流行っていてなんらおかしくないと思う。"言葉は必要だろうか"という抽象的な問いを打ち立てたとき、現実的な問題なんてのを一切抜きにすれば、もしかしたら要らないのかもしれない。"世は情報社会、言葉は溢れ返りまくり!"的な現状に嫌気が差すというのもあるし、なんだって人間のみならず、生き物はみんな言葉にできないようなところに身を置きたくなるはずである。ところで、好きな漫画家の作品に「世界はうたでできている」というセリフがあるのだが、本当にそんな気がしてる。音楽を、音を聴いて何かを思える、感じ取れるって素敵なことだ。音にどれだけ耳を傾けられるか、そこに言葉はすでに眠っているとも思うのだ。アンビエントは環境音楽、時代を遡ればアイヌ民族の音源なんかも出てくるし、その理由も興味深くて奥が深い。"こんな風に感じ取ってほしい"が曖昧で、それこそ多解釈な音楽も面白いなとつくづく思っている。

片想い『からまるおも』

待ってました!片想い!
"眠れない夜はまるを描こう"という「カラマルユニオン」の歌詞で思い出したのだが、そういえば黒田硫黄の漫画『大王』に「まるいもの」という短編があって、"まるいもの"は偉いということが描かれていたような…『からまるおも』の雰囲気はそんな"まる"さがよく似合う、とっても柔らかい作品だった。やりきれない気持ちから見えてくる情景がとことん優しくて…辛くなったら誰かとご飯を食べに行こうかとか、引きこもってしまう日でも少しは外に出て散歩しようかなとか…これから来るべき従来の夏をほんの少し彩れそうな、立ち向かえそうな、そんなスパイスが投入されていた。


休憩がてら、ちょいと余談

先程のアンビエントの話で「言葉って要らないかも〜」と書いたが、ノンノンノン。僕が生きる世界は言葉がないと生きていけないのも無論確かである。たまに部屋でギターを手に取ってジャーンと鳴らすのだが、そんなときふと考える。文章だけの良さはなんだろうなあ…と。文章単体にあって、音楽にないものは在るのだろうか。うむ、分からん…

いくら言葉を紡いでも音楽的な音をくっつけるということは、どうしても文章単体にはできない。驚くほど当たり前なことを話しているが、毎日無駄なことばかり考えていて…もしかしたら何か降ってこないかなあといった具合に思考が止まらないのである。そんな僕の超妄想実験によれば、文章にも「音」自体はくっつけられて「うた」をうたえると信じられている。「うた」が聴こえる言葉や文章に出会ったことがあるのが根拠だ。例えば「短歌」はわかりやすくその代表例だと思う。改めて、強烈に面白い世界がそこには広がっている。たった31音で世界の見え方が変わるなんて…魔法かなにかだろうか。自分が書きたいと思う文章は内容に留まらず、リズムやメロディを欲していることに気づく今日この頃。超妄想実験的文章は続いていく。


7月11日(木)

『ぼーい・みーつ・タコシェ』

木曜日。大阪に帰っているはずだったので、仕事は休みであった。「お金がないんだろ?はたらけよ!」とセルフでツッコミを入れて一日が始まった。そんな今日は中野ブロードウェイで漫画を数冊購入して帰宅、ごろごろサーズデイであった。「おいおいおい」と声が聞こえてきそうだが、中野に行ったのは別の用件で出向いたのだった。

わたくしの初エッセイ集『ぼーい・みーつ』を中野ブロードウェイにある書店「タコシェ」さんに置いてもらいたいなあと思って足を伸ばしたのだった。「タコシェ」にはそれこそ一般人が書いたようなリトルプレスもたくさん眠っていて、行った際はいつも何かと出会う。今日は先日の文学フリマで買い損ねた『VACANCES バカンス 4』を買った。本書に初めて出会ったのも「タコシェ」だった。人気インディペンデント・カルチャーマガジン、毎回好きな人がたくさん登場するので驚きだ。いつか執筆させてほしいなあ…ガンバロウと思いながら、レジに持って行ってお会計を済ませた。

そんでもって、危うく忘れかけたけど『ぼーい・みーつ』を置いていただきたいのですが、という話をした。快く受け取っていただいて、置かせてもらえることになりました。感謝の気持ちでいっぱい。そんなこんなで「タコシェ」さんにも『ぼーい・みーつ』あります。お店のオンラインショップでも購入できるみたいです。早速、紹介文も書いてもらっているので、気になった方はチェックしてみてください〜。引き続きよろしくです。

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【踊れ日記】帰り道、気をつけて

・帰り道
「シフトってさ〜」
小さい男の子が母親に尋ねていた。
車が通り過ぎて、肝心の内容は聞こえなかった。
「お金を稼ぐのって大変なんだよ〜」
最後にそれだけが聞こえた、子どもははしゃいでいた。

・気をつけて
後ろ向きで歩いている人がいた。
「いいよいいよ、そうそう」
掛け声のする方へ、ペタペタと地面を踏む犬がいた。
ふたりとも棒に当たらないように、お気をつけて。


7月12日(金)

『くだらない』

珍しくLINEが活発であった。普段はそんなに多くの人と連絡は取っていない。それに加え、お互いに丸一日経った後で返信するくらいのテンション感でしかやり取りしていない。それなのに今日は不思議なことに連絡が何件も届いた。返信のタイミングが見事に被っていたのだ。以下、本日のやり取り。

僕「いい漫画たくさんあるよ」
友達「漫画が違法になった世界線の売人」

友達「渋谷りますか、脱渋谷りますか」
僕「渋谷ります」

友達「日曜どうする」
僕「お疲れっす、夕方合流で行こう」
友達「おっけ」

友達「Clairoのドラムの音」
僕「わかる」

やっぱり、くだらないやり取りしかしていない。それにしても、愉快なやつらが多いなあ…ありきたりな返信を考えれば「売人」呼ばわりされることなく「教えて」と頼まれるだろう。それはそうと「渋谷」が動詞になるなんて驚きだ。それで結局、日曜日はどこで合流するんだ俺ら。最後に関してはテキトーが過ぎる…なにもわかっちゃいない。静かになった携帯を置いてぼうっとしていると金曜日が終わった。

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【踊れ日記】そんなもん

・そんなもん
「どうしよっかなあ」と考える場面は日常によくある。真面目に考えたり、テキトーにやり過ごしたり。今日は床に海苔が落ちていたので、ノリで行くことにする。

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Clairo『Charm』

Clairoのニュー・アルバムを待っていた人はとても多いと思う。いつかのブログで、2ndアルバム『Sling』が内省の日々とこれからの未来への中間点を強く打ったアルバムのようだと書いた。待望のリリースに胸を躍らせながらも、ゆっくり聴いている。今年3月にリリースされたFaye Websterの最新作にも似通うローファイ感が心地良い。スチールギターの音色に酔いしれている。


7月13日(土)

『朝に弱すぎる』

起床。昼が終わっていて絶望。まったく、朝起きれないのは何故なんだ。朝から活動している人たちのことを思うと、なんだか無性に焦る。朝スッと起きれる人たちは宇宙人なのでは、と思う。起き抜けにコップ一杯の水を飲み、お湯を沸かして、食パンをトースターにセットする。待っている間にサッと着替えて、背伸びをする。珈琲をズズズ、カリッと焼けたトーストにマーガリンやジャムを塗る。くだらない政治や興味のないプロ野球の結果を眺め、星占いの結果に一喜一憂したところで「さて、今日を始めますか」といった具合にフレッシュな一日を始めることだろう。

昼過ぎに起きると気分が悪い。休日とはいえ、せっかくの休日でもある。「ああ、もう3時ですか…ほへえ」とベッドに転がる携帯で時刻を確かめ、そのままネットサーフィンをして迎える夕方。コンビニの菓子パンを頬張りながら外が暗くなっていくのを窓から眺めている。今頃、宇宙人たちは町へ出て、美味しいものを食べたり、デートをしたりしているのだろう。完全に敗北だ。こんな日の勝ち方を知っているにも関わらず、今日は棄権してしまった。良くも悪くも孤独との向き合い方が日に日に上手くなっているのだ。孤独のプロ試験があれば、今度トライアウトに出てみようかなと思う。スカウト陣の目に止まる自信はある、もっとも朝起きることが出来ればの話だが。

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7月14日(日)

『いい夜は音楽が鳴ってる』

have a goood music!!!

友達に誘われて三軒茶屋で即興セッションを見てきた。メンバーの1人にD.A.N.のベース 市川仁也がいた。演奏を間近で浴びることができて感激であった。アダモビッチの5弦ベース格好いいなあ…渋い。佇まいから何から何まで、クリエイティブのプロを見て学ぶことはたくさんあるなあ。帰りに渋谷の兆楽でルース焼きそばを食べて帰宅、漫画を読んで就寝。昨日と違って良い一日、いい夜だった。

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【踊れ日記】わっ、わっ

・わっ
レジにて、掴み損ねたおにぎりがふたつ宙を舞った。
辛子明太子とツナマヨネーズのグラン パ・ド・ドゥ。

・わっ
道端にカップ焼きそばの湯切り口だけが落ちていた。
どうしてこの場所で湯切る必要があったのだろう。
湯けむり殺人ならぬ、湯切り殺人…!?


【宣伝】『ぼーい・みーつ』取扱い書店

・蟹ブックス / 高円寺

・タコシェ / 中野

・百年 / 吉祥寺

素敵な本屋さんばかりですので、ぜひ足を運んでみてください。遠方にお住まいでもし欲しいという方がいらっしゃいましたら、個人の通販もやっていますので、ぜひそちらで購入していただければと思います。

早速、次作に向けて制作を始めています。
『ぼーい・みーつ』の何倍も面白いです。
ではまた、どこかでお会いしましょう。

2024.07.14 越川雪

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