切なさ纏う風

夜風はまだすこし冷たく、ひんやりしている。なんとなく切さなを纏うような風が私を包んではすり抜け消えていく。心地が良い。その風に影響を受けながら私も切ない気持ちになる。夜の良さが私の心を掴んで離さない。毎日天気に気分を左右されているけれど、昼間晴れた日の夜に吹く風が1番好きかもしれない。どうしたって心地が良いのだ。たとえそれが切なく哀しげな風でも。気持ちが揺れ動くことを嫌っていた私ももう気づけばどこか遠くへ姿を消していた。心地良いと思えればそれだけで良い、とても素敵なことじゃないか。これから少しずつ暖かくなり春が私たちを迎えに来る。春の夜風はどんなものを纏って私を包むのだろう。考えるだけでとても楽しみだ。

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