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ショートショートの小部屋

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拘ることなく、自然に筆を進ませてみた。そんなショートな物語をご覧ください。
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2021年5月の記事一覧

雨宿り

雨宿り

走り梅雨の季節。突然の雨降りは困りもの。
傘はない、雨に濡れれば寒い。いいことは特にない。

そんな雨降りの街の片隅で困ったちゃんがいた。

「いや、急に降ってくるからびっくりしたね。」
「今日、雨の予報だったっけ?」
「いやそんなことはないはずだよ。2丁目のピーコちゃんは絶対今日は降らないって言っていたから。」
「またピーコちゃんの話かね。ごちそうさまだね。」
「いやいや彼女はすごいんだって。だ

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まもるべきは

まもるべきは

守るは自分か、護るはあなたか。

言葉のはしっこが、どうにもひかかってしまう。
適当に生きているほうが、今の世の中ではいいように思う。隣を気兼ねすることなく。

例えばだが、布団を干していて雨が降っている時に慌てて布団を取り込むとする。同じマンションの他の階で布団を干している時どうするだろうか。

ほっとくのが一番いいという人がいる。
他人なのだから、わざわざ声をかける必要はないと言う。
私は、わ

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