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AIベンチャー5選!その②:PKSHA Technology

こんにちは、KARAKINGです。
まだまだ話題の尽きないAI界隈、日本のAIベンチャーが活況です。
前回は日本に上場したAIユニコーン第一号で「AppierGroup」を取り上げましたが、今回は日本が誇る東大発AIベンチャーPKSHA Technologyです。

■業界各社比較

まずは同業界の各社比較から

2023.04時点の各社比較

売上高は日本のAIベンチャーの中でトップクラス。
旺盛な人材獲得と研究投資をしながら着実に利益も出しています。
後述しますがAI企業なのに駐車場の精算機メーカーをM&Aしたことで安定したキャッシュエンジンを持っていることもユニークな企業です。

■PKSHA Technologyの企業情報

PKSHA Technologyの売上高推移です、2020年にはM&Aした精算機メーカー「アイテック」社の売上・利益がフル寄与して売上高が30億円ほど上乗せされていますが、毎年20%以上の成長を続けています。
アイテック事業で創出したキャッシュを、AIの研究開発や人材獲得費用に回していると思われます。

売上高の推移  引用元:バフェット・コード
各種利益の推移   引用元:バフェット・コード

■PKSHA Technologyの事業内容

前回取り上げたAppierGroupがマーケティング領域に特化ていることに対して、PKSHA Technologyは様々な業界との業務提携を通じて、様々な業界のニーズに対応するAIアルゴリズムを共同開発している、いわば何でも屋のようです。
そこで培った業界ノウハウやAIアルゴリズムを活用した自社プロダクトを開発し、いよいよ自社プロダクトを拡販するフェーズにはいっています。

■AIリサーチ&ソリューション事業
●顧客から研究・開発を受託し、 個別のAIアルゴリズムの提供
→いわゆる受託開発に近い業務。
 すでに様々な業界の様々な業務に対するAIエンジンの提供を実施しています。
  業界)小売・マーケティング・医療/製薬・物流・製造・教育・金融等々
■AI SaaS事業
●具体的なプロダクト提供
 業界向け:クレジットカードの不正利用検知、金融機関FAQプラットフォーム
自社プロダクト(PKSHA AI SaaS)たち
 PKSHA PRA
 PKSHA ChatAgent
 PKSHA ChatBot
 PKSHA Voicebot
 PKSHA Helpdesk for MS Teams
 PKSHA Knowledge Maker
 PKSHA FQA

PKSHA TechnologyWEBサイトより

PKSHA Technologyは少し前まで何やってる会社か分かりにくかったですが、
受託事業:パートナー企業とAIアルゴリズムを共同で研究開発する。
自社プロダクトにしてサービス提供:受託を通じて培ったノウハウを具体的なプロダクトに落とし込んで販売する。
という二軸が具体的に形になって、いよいよPKSHA Technologyの成長に拍車がかかってきたようです。

■AIの進化で目指す社会

PKSHA Technologyは、日本の労働人口減少はAI業界にとって活躍の場ととらえています。
人口減少による労働力を、AIとソフトウェアが補填すると、減少分の労働力=2.8兆円の規模であると試算しています。

なので、現在の事業領域は顧客接点、社内業務、情報の分析など人が担ってきた業務にフォーカスしているようです。

■PKSHA Technologyの強み

・日本のAIベンチャーの草分け、知名度と実績は業界随一。
 トヨタからの出資も注目を集め、今はあらゆる業界のリーダー企業からの
 受注があり、それらも単発ではなく継続的な取引=研究開発をしている。
・東大初をうたうだけあって優秀な人材が集まる(多分)。
・研究開発フェーズから、いよいよ自社プロダクトの提供フェーズに入り、
 ここから顧客獲得が一気に進むと思われる。
 2022年9月期は顧客+354社は相当高い伸び率。
・アイテック社の駐車場ビジネスが安定したキャッシュを生み出す

日本で現在最も勢いがあるAIベンチャーではないでしょうか。
私もしばらく前からチェックしてましたが、今まではお金のある大企業がAIの研究開発を委託する、というポジションだったのが、自社プロダクトの提供が始まり、一般企業にも浸透するフェーズに入ったと思います。

個人的には、PKSHAプロダクトを他社製品にバンドルする(例えば製品マニュアルのヘルプを押すとPKSHAのFAQが起動する、といった展開ができれば市場は無限大でしょう。

脅威としては、ChatGPTなど強力な競合サービスが突然現れることや、AppierGroupのように業界特化型のAIが進化してデファクトになると、業界を握られてしまうことかな、と思います。

■おまけ:代表の経歴

どんだけピカピカやねん!

代表取締役社長、上野山 勝也さんの経歴
 ボストンコンサルティンググループ
 グリー・インターナショナルのシリコンバレーオフィス立上げに参画
 東京大学 松尾研究室にて博士(機械学習)取得後、研究室助教に就任
 並行して2012年、PKSHATechnology創業
 内閣官房デジタル市場競争会議WG構成員
 経済産業省AI原則の実践の在り方に関する検討会委員等に従事
 2020年、世界経済フォーラム
 「ヤング・グローバル・リーダーズYGL2020」の一人に選出

引用元 PKSHA Technologyホームページより


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