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#11 【宰相への道】将校から政治家へ

これら抜きでは、私の人生は語れない。
防衛大学校、東大法学部、この2つは子供の頃からの夢だった。
私は幼稚園の頃からミリタリー趣味で、幼稚園の卒業制作の将来の夢をテーマにした絵画においても、戦車に乗り軍人として活躍している自分を描いた。小学校に入ってからも、絵の具セットに他の生徒がドラゴンやポケモンの柄を選んでいたのに対し、私は、「モンスターは戦車やミサイルで倒せるし、陸軍の方が強い。」と思い、炎と迷彩のものを選択した。中学に入ってからは東大法学部を目標に設定したが、それでも、心の中には防衛大学校を卒業して将校として働くことに憧れている自分がいた。
現役で東大法学部に113点という圧倒的点数差で落ちた私は、いくつかの滑り止めへの進学する権利を全て捨て去り、駿台予備校にて翌年に東大法学部に合格することを選択した。しかし、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言によって駿台は9月中旬頃まで授業が取り止めになり、河合塾は5月から授業を再開していたらしいが、私は自宅学習を余儀なくされた。結果、夏休みまでろくに勉強もせず、優雅に一人暮らしを満喫していた。恐らく、人生で1番遊んだ半年間だったと思う。しかし、英語と世界史と日本史には全力で取り組んでいたので、その三科目は東大模試で偏差値70超えを記録した。現在は廃止されてしまったが、当時、東大入試実戦模試の際には模試の成績優秀者を掲載する一覧表が採点後に配布されており、そこに私は掲載されていた。あまり勉強しなくても成績が上がる私は、受験校を、東京大学文科I類ではなく、東京大学文科III類に変更した。前者よりも後者の方が入学難易度が低かったので、確実に入学できる方を選んだのだ。そして、滑り止めに、防衛大学校、慶應義塾大学経済学部B方式、慶應義塾大学法学部政治学科、を受験することに決めた。正直、この中で1番行きたいのは東大だが、2番目は慶應ではなく防衛大学校だった。先程も述べたように、昔から憧れていたからであり、一度だけでも軍隊生活を味わってみたかったことが理由である。
そして、いざ、憧れの防衛大学校を受験する機会に恵まれた一浪の秋。正直、結果はわかっていた。当時は駿台のエントランスに成績優秀者の名前と各科目の点数が掲示されていて、そこに私は常に掲載されていた。私が通っていたのは駿台お茶ノの水3号館であり、そこは東大専門校舎であった。言うなれば、浪人生のトップが集まる予備校でトップレヴェルだったわけである。結局、海軍将校、航空軍将校との面接を難なくクリアした私は、倍率およそ20倍の試験をくぐりぬけ、令和3年4月、防衛大学校第69期生として、神奈川県横須賀市の小原台にて軍人としてのキャリアを歩み始めることになった。
着校と同時に上対番(「うえたいばん」1年生の世話役のことで、普通は2年生が選ばれることが多い。)が食堂に連れて行ってくれた。同い歳の人間だと思っていたが、私の上対番だけは何故か3年生だった。初めて、見習いではあるが軍人として食堂で食べたメニューは今でも忘れない。カレーライス、フルーツヨーグルト、ブロッコリーのサラダ。おかわりは自由。とても美味しかった。
先程、上対番は普通は2年生が選ばれると言った、そして1年生が失敗するとその2年生は一緒に、3年生と4年生に怒られる。しかし、私の上対番は3年生だったので、私は怒られることがなかった。
YouTubeで「防衛大学校入学式」と調べればわかるが、入学式の後に観閲行進(「かんえつこうしん」入学式に来たお偉いさんに見せるパレードのこと。)をすることになっている。その練習をした時のことが、今でも頭から離れない。

防衛大学校第70回開校記念祭観閲行進

この写真は、入学式後の観閲行進ではないが、全く構図が同じなので掲載した。入学式後の観閲行進も同じく、日の丸の左奥に階段があるが、そこはお偉いさん方が座るステージであり、その横に、1年生がいるのだ。上級生の行進、それも、私のだいすきな陸軍分列行進曲の演奏と一緒に、一糸乱れぬ行進だ。
正直、私は、アメリカ帝国主義の犬である現在の日本のお遊び軍隊、自衛隊の大佐まで行ければまあ良いかなと思っていた。防衛大学校から幹部候補生学校を出ればほぼ大佐まで昇進できることが約束されているから。


しかし、この行進を見て、
帝国の再興を誓ったのだ。


こいつらを絶対に帝国軍人にしてやる!
こいつらは、法的解釈も曖昧で、社会的な身分も保証されていない、そんな状態でいいはずがない。俺が変えてやる。
上級生による素晴らしい行進を見て、私は軍隊を辞めた。絶対に俺が政治家になって変えてやる。変えてみせる。
その夜、上級生の方々と大浴場でお会いし、今までありがとうございますと感謝を伝えた。その頃には、彼らは、私の中で、ただの歳上の人間から、とても立派な尊敬できる上官へと変わっていた。また、同期の連中にも、今までの感謝を伝え、「俺は政治家になる、決心がついた。」そう言った。同期は、歳下か同い歳しかいなかったが、彼らも、私の中では、尊敬できる戦士達だ。
私は必ず政治家になると誓った。
みんなが背中を押してくれた、感動して涙が出たのは、それが人生で初めてだったと思う。消灯時間に、ひとりで考え込み、本当に充実した日々だったと述懐しながら、ひとり泣いていた。
俺は必ず東大法学部に合格し、政治家としてのキャリアを歩んでいく。そして、帝国を再興し、彼らが誇れる日本をつくる。


ーーここからは本編と関係ありませんーー
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