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子育ては人生の一部ですべてじゃない。誇りを持って働くママたちの選択

※こちらは2018.06.26に公開したものです

副業やリモートワークなど、多様な働き方が容認されるようになってきた世の中。働くママにとっても、やさしい制度は整いつつあります。ですが「働きやすさ」だけでなく、「働きがい」にフォーカスして仕事をしたいママもいます。今回は、会社を通して社会に貢献することにコミットするママたちのストーリーです。

「ママとして働く」とは、働きやすさを追求するだけの働き方ではない

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▲カラダノートにてPRを担当する近藤(左)と彦坂(右)

働き方改革が進み、さまざまな働き方が認められ、推奨されるようになってきました。従業員がより働きやすい環境にするために、オフィス内に託児所や保育スペースを設置したり、補助金制度を設けたりしている企業も増えています。

社員には一人ひとり、自分に合った働き方があります。「家族の健康を支え 笑顔をふやす」をビジョンに掲げる当社でも、家族を持つ社員のために、在宅勤務、フレックス制度、時短、子連れ出社など、さまざまな制度を整えています。

しかし、「休みを多く取れること」や「お金がたくさんもらえること」が必ずしもその人の働きやすさではありません。その先にある自分の「働きがい」をいかに見つけていくか。社会に対してどんな貢献をしていくかが大切なのではないでしょうか。

そしてそれは、会社の環境ではなく、自分の意思で見つけていくものだと私たちは考えています。

1児の母である広報/PRの彦坂真依子は、「会社が働きやすい制度を整える」ことだけでは、より良い働き方の実現としては十分ではないと考えています。

彦坂 「制度を整えるのは会社の方向性としてとてもいいと思いますが、私たち雇用されている側は、『なぜこの会社で働くのか』『何にコミットするのか』を忘れてはいけないと思っています。働きやすさを追求して、時短や在宅勤務を駆使するだけがママとしての働き方ではありません。

私のように仕事が大好きで、保育スペースと執務スペースがつながっている職場よりも、子どもを保育園に預けて、離れて働きたいというママもいます。『ママ』というのはあくまでひとつの要素。働きがいを持って働くことが私は一番大切だと思っています」

「ママとして働く」といっても、人それぞれ事情や考え方は違います。どうしても社会の中で「ママ」というと、「家庭を優先して調整しながら働く」イメージが先行しますが、「子どもがいてもバリバリ働きたい」という人も、決して特殊な存在ではないのです。

育児だけでなく、仕事をしている方が精神的なバランスが取りやすかった

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▲子どもと離れている時間がある分、一緒にいる時間をより充実させてられると、ふたりはいう

PR/CSサポートの近藤真実は、以前は映像制作の仕事をしていましたが、育休中に会社が倒産。もともと復帰する予定だったこともあり、必死で働く場所を探しました。子どもが1歳になり保育園に入園するタイミングで当社に転職しました。

近藤 「もともと働くのが大好きで、生きているからには成長したいとか、新しいことにチャレンジしたい気持ちは強いんです。ひとりでできることには限りがあるけど、仕事を通していろんな人とチームになれば何かを成し遂げることができる。それってすごくワクワクするし、得られるものも大きいですよね。

でも、産休・育休中は、子どもと自分だけの環境。すごく世界が狭く感じて、やっぱり私は社会や人とつながっている方が、生き生きしていられるかも、と思いました」

仕事が好きで、何かを社会に提供したり、動かしたりしていくことにやりがいを感じていたのは、彦坂も同じ。ですが彦坂は、専業主婦という期間を経験したことで、よりその思いを強めていました。

彦坂 「私は出産を機に退職し、1年くらい専業主婦になったんです。でも専業主婦は私にとっては全然刺激的じゃなかった。私は、働くのも家庭も人生の一部で、区切りはあまりないと思っています。

だからもちろん子どものことは大事ですが、それまで自分のアイデンティティの半分だった仕事というものがごっそりなくなって、無為な感じになってしまって。外と接点を持って働きたいと改めて思ったのはそれがきっかけです」

近藤 「子どもが生まれたことで、今まで思っていなかったことを思ったり、心を動かされることももちろんあります。でも私たちは、仕事している方が精神的にもバランスが取りやすいんですよね。とはいえ、同じ会社で働いていても価値観は人それぞれ。

当社のカルチャーに『仕事もプロ、家族もプロ』という言葉がありますが、バランスの取り方やスタンスは“プロ”でありさえすれば、多様であっていいと思います」

それは良し悪しではなく、価値観の違いであると私たちはとらえています。働くのが好きであることや、子どもと離れて過ごす分、仕事も家庭もより充実できるという考え方で、ふたりは働いているのです。

1分も無駄にしない。子育てと仕事、どちらも犠牲にしない工夫と葛藤

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▲看病のかたわら、在宅で業務をこなす近藤

彦坂 「カラダノート入社後すぐに娘がインフルエンザになりまして。その時は1日だけお休みをもらって、あと2日くらいは夫が見てくれたりしたので助かりました。入社したばかりということもあり、夫が気を利かせてくれました。夫婦ふたりともガッツリ働こうとすると、ふたりが協力体制にないと難しいですね」
近藤 「私は子どもがアデノウイルスという病気になった時に、親も働いているし、夫も忙しいので、誰も頼れなくて、2週間くらい会社を休まなければいけなくなってしまって。それが自分の中で納得いかなかったんです。

今の状況だと、母親である私が調整するというのが普通になっていて、『それが当然でしょ?』っていう世の中の風潮も嫌だし、夫とのパートナーシップや男性の職場環境も変えていけたらいいなという想いが強くあります」

また、仕事への取り組み方も工夫が必要な点がたくさんあるとふたりは感じています。

近藤 「子どもの病気や家庭の事情を仕事ができない言い訳にしたくないので、在宅で、子どもが寝ている時間に少しでもとは思うんですけど、それでもやっぱり葛藤はあります。
もっと時間を気にせず思いっきり仕事に注力したいと。それがかなえられない状況にフラストレーションはたまりますね」
彦坂 「私は時間で区切らなきゃいけないのが苦しい時はあります。保育園のお迎え時間を逆算して退勤するんですけど、その時に、たとえばミーティングが白熱していたり、すごく調子良く企画書が書けていたり。そこでブツっと切らなきゃいけないのは結構苦しいです。

夜にも作業時間をつくっていますけど、その時にはさっきまでの熱はなかなか取り戻せなくて。あの時あと30分あれば……みたいなことは結構あります」

その分、効率よくやろうと思える部分もあるのも事実。彼女たちは常に、出社から退勤までの段取りを確認して、1分の無駄もないように心がけています。

彦坂 「育児があると時間がなかなか取れないというのも聞きますが、意外とそれってとらえ方かなと思っていて。私は通勤中に調べものをする時もあれば、本を読む時間にしたりしています。

これが独身の時だったら、絶対電車の中は寝てたと思うんです。そういう意味で時間をうまく使うことは、ママになってから特に精度高くできるようになりました」

誇りを持って働き、「働くって楽しい!」を子どもにも伝えたい

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▲保育園の帰り、今日あったことをお互いに話しながら帰る彦坂

働きやすさがどんどん実現されていく中で、それによりかかるだけの働き方ではなく、自分で選び取っていく姿勢や、会社や社会に何ができるかを考え、自律してパフォーマンスを発揮していくことも必要。

彦坂は、そんな生き生きと働く自分の姿を子どもにも見せていきたいと考えます。

彦坂 「最近、保育園のお迎えに行った帰り道に娘に『今日何して過ごしたの?』って聞くんです。そうすると娘からも『ママ今日何したの?』って聞かれるので、『今日はね、いろんな人とずーっとお話してた!』とか話しています(笑)。『昨日のあれうまくいったの?』と聞かれて『うまくいったよ!』とか。

それがふたりの振り返りになって楽しかったりして。だから子どもには、働くことが楽しいんだっていうのは感じてもらいたいなと。それも、ただの労働というよりは、志や誇りを持って働くことってかっこいいなって」
近藤 「私は彦坂が入社する前の面談に同席したんです。その時に、『毎日、ママ今日楽しかった?って子どもに聞かれる。でもなんか全然最近は楽しめていない』と。
『でももう1回、“楽しかったよ”って言える自分になりたい。そういう場を求めているんです』と言っていたことが印象的でした」

自分なりの工夫を凝らしながら育児と仕事を両方とも犠牲にしない働き方を実現しているふたり。自分たちのような事例が、もっと普通のものとして取り上げられるようになることを、彼女たちも望んでいます。

「ママとして働く」うえでの選択肢はたくさんあります。仕事と子育てをやりくりしながら、どちらも楽しむという選択肢が、これからより一般的になっていくのではないでしょうか。

カラダノートでは今後も、働きやすさと働きがいと両立させ、より多様な働き方が認められる環境や社会を創出していきます。