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ドラマ・映画感想文(15)『プラダを着た悪魔』
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個人的評価:7点(/10点)
制作年:2006年
※ネタバレを含みます。
『ブルックリンでオペラを』を観て、アン・ハサウェイの過去作品を観ることにした。
手始めに『マイ・インターン』を観て、素晴らしい完成度に快哉を叫んだのだが、その後に『プラダを着た悪魔』を観て、両作の不思議な共通点に驚いた。
アン・ハサウェイのファンの方あるいは映画をよくご覧の方にとっては既によく知れたことで、今さら自分が周回遅れのように感想文をしたためるのも恥ずかしいのだが、その共通点を記そう。
①「自己中社長vs新入社員」という構図
②「社長にふりまわされながらも徐々に懐に入り始める」というストーリー
③広い意味でアパレル業界
そして、『プラダ―』では新入社員役を、『マイ―』では逆に社長役をアン・ハサウェイが演じていて、好対照なキャラクターの演じ分けが面白い。
『プラダ―』では、いまでいう“パワハラ”社長をメリル・ストリープが好演していて、ファッション誌の編集長だけあって、本人はもちろんのこと、社員もみな彼女に憧れている者たちで占められ、全員、洗練された着こなし。そうした中、中途採用で、ファッションに興味なくノコノコ入ってきた主人公(アン・ハサウェイ)だけが、野暮ったい服で、白眼視される。
社長の下でこきつかわれるが、全然うまくいかず、不平をかこつ日々だったが、ある日を境に決心し、服を着飾り、本気モードになる。そこからあれよあれよという間に出世していく。
着飾りはじめてからのアン・ハサウェイは、大女優の面目躍如。大向うから掛け声が飛んできそう。演出もキレがある。街中を駆け回りながら、手前に映る遮蔽物を過ぎると別の衣装になっていて、スピード感と高揚感がある。このシーンは何回でも観れそうだ。
それまでのダサダサ女子から一転、パワハラ社長も認めるほどの外見を誇るようになり、先輩社員も鎧袖一触。一気に社長の右腕にまでなるが、最後は、価値観の絶対的な違いを理由に社を去る。
最後は袂を分かつが、相容れなかった両者が互いに認め合う。未練がましくない、いい終わり方。なんだけど、もうひとひねりあるかな?という期待があっただけに、小さみしい。
とはいえ、万人が観て楽しめるであろう娯楽作品として、非常に良作であることは間違いない。私はファッションに疎いが、詳しい人ならもっと別の視点の楽しさもあるはず。
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