松雪泰子さんについて考える(22)『理想の上司』

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*松雪泰子さんについて考える(51)「歌は語れ、セリフは歌え」*

松雪さん出演シーンの見所:7点(/10点)
作品の面白さ:6点(/10点)
制作年:1997年(TBS)
視聴方法:U-NEXT
 
※以下、多少のネタバレを含みますが、決定的なオチや展開には触れないようしております。
 
2023年現在、配信サイトで視聴できる作品の中では最も古いのが、この『理想の上司』のはず。1997年。松雪さんが24歳の時の作品。
 
さすがにこの頃の作品まで遡ると、いくら松雪さんでも、ところどころでオーバーな演技が無くはないが、一方で、ビシッと決めるべきところは決まっていて、20代でもさすがだと思った。
 
何といっても、仕事でミスばかりしているダメダメOLを演じているのが面白い。20代後半からは『きらきらひかる』『なにさまっ!』『太陽は沈まない』『救命病棟24時』等、仕事をバリバリこなす強気な女性を多く演じるようになるが、この作品では真逆。仕事をミスりまくって情けない姿の演技は、これ以降の作品では見られない。
 
作品の舞台は、都内の旅行代理店。そこで働く3人のOLを、石田ゆり子さん、木村佳乃さん、松雪さんの3人が演じた。その3人の上司役で主演を務めたのが長塚京三さん。その妻役が風吹ジュンさん。豪華な配役。
 
他には沢村一樹さん、前田吟さん、石倉三郎さん等。こうしてみると、放送から26年経っても、どの俳優さんもいまだに活躍しつづけているのがすごい。
 
90年代のドラマは、話が単純で分かりやすい(誉め言葉)。余計な設定や無駄な演出がなく、観やすい。この作品もまさにそんな感じで、メッセージ性はありながらも説教臭くなってない。そういうバランス感覚をもって描かれているのが好感を持てる。

それでいて、最終話とその前の回では、結構意外な展開を見せるトリッキーさもあったりする。
 
余談になるが、この作品での共演者とのその後を整理してみよう。
 
長塚京三さんとは、『真夜中の雨』(2002年、TBS)でガッツリ共演。
 
風吹ジュンさんとは、『半分、青い。』(2018年、NHK)で、共演シーンは少ないが、風吹さんがほぼ全編通してナレーション出演。
 
木村佳乃さん、石田ゆり子さんは二人とも大女優になってしまったということもあり、この作品以降では松雪さんと共演は一度もないはず。それにしても、みんな若い…。

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