![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/116163619/rectangle_large_type_2_b5ef7bf50cf406c2d63114b776f7c5ba.png?width=1200)
目の前であなたを見つめているその世界に、微笑みかけることができるか
「最高の幸せ」を頭に思い描くとき、私たちはどうしても、100%を夢想してしまう。
多分そこに、間違いの始まりがある。
お金持ちになりたいと願うとき、そこで想像するするのは永遠に途切れることのない、使い切れないほどの豊かさ。
仕事で自己実現したいと願うときは、永遠にやりがいを感じられる楽しい職場を、いつまでも上っていき、下がることのない業績を想像する。
恋愛の成就を願うときは、永遠に変わらない愛を。
安定を願うときは、決して消えることのない安心を。
どうあっても揺らがない平和。条件なしの友情。決して変わらない、非の打ち所のない美貌。
とにかくそういうものを想像してしまう。
SNSなんかを見ていると、そういうものが本当らしく思えるんだよね。
完全無欠の「絶対的何か」が存在するように思えて、誰かがそれを手にしているように見える。だったら私もほしい。私だって、完全なる安全を、成功を、美を、富を、自由を手に入れたいとみんなが願う。
でも、実際にはどうなるかというと、
大金持ちになっても、愛されてモテモテでチヤホヤされても、世界中に知られる成功者になっても、結局のところ、問題は繰り返し起こってくる。
自分のことをブスだと思わない美人はいない。お金のことで悩まない金持ちはいない。なんの問題も抱えていない夫婦はいない。仕事のことで悩まない成功者はいない。人気の低迷に悩まないスターはいない。
私たちはみんな不安定に揺れる波の上にいて、どんなに沢山の夢が叶ったとしてもその波からは逃れられず、いつまでも「絶対的何か」を探し続ける。
でも、完全無欠の「絶対的何か」を誰も手に入れられない。それは存在しないものだから。
それはまるで、想像上の生き物のようなものだ。私たちはユニコーンがどんな姿形をしているかよく知っているけれど、ユニコーンに出会うことは決してない。
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?