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良い会社と悪い会社について

<幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきがことなっているものである。>

これは、トルストイ『アンナ・カレーニナ』の有名な冒頭のフレーズである。

銀行員として、いろいろな会社、優良企業からダメダメ企業までをたくさん見てきた経験から言わせてもらうならば、

<良い会社はすべて互いに似かよったものであり、それと同様、ダメな会社もそのダメさ加減のおもむきにおいてどこも似かよったところがあるものである。>といった具合になろうか。

つまり、良い会社も、ダメな会社も、わりと共通点が見いだせるということになる。

良い会社の共通点は、以下のようなところであろうか。

  • 意思決定がスピーディである。

  • 権限と責任が明確になっている。

  • 必要な情報がメンバー間で共有されている。

  • 「5S」(整理、整頓、清掃、清潔、躾)が徹底している。

  • 人事評価が公平で透明感がある。

悪い会社は、この真逆である。

  • 意思決定が遅い、会議が多いわりに、何も決まらない。

  • 権限と責任が曖昧。誰が責任者かよくわからない。

  • 風通しが悪くて、いろいろな情報が共有されない。

  • いらないモノが散乱しており、探しモノに時間がかかる。

  • 人事評価が不透明で情実人事がまかりとおる。

これらは両極端かもしれないが、とことん良い会社、とことんダメな会社は、びっくりするくらいに似かよっている。「デジャブ」というか、「既視感」を感じて、驚かされたことが何度もある。

世の中の多くの会社は、これらの中間に位置する。どれかの項目に該当するが、全部に該当することは少ない。

悪い方のすべてに該当するとなれば、ちょっと会社の先行きを心配した方が良いかもしれない。経営者ならば、性根を据えて再建に取り組まないと、マズイことになるだろうし、社員ならば、転職を考えてみても良いかもしれない。

ここに挙げたような項目に該当するから、良い会社/悪い会社になるのか、良い会社/悪い会社だから、これらの項目に該当するようになってしまうのか、その点に関しては定かではない。たぶん、両方向あるかもしれない。

したがって、経営者にしても、管理者にしても、まずは「良い会社の共通点」から真似るようにすれば、少なくとも、現状よりは社員が生き生きと働きやすい会社になるだろうし、そうなると、業績だって少しずつ上向くのではないだろうか。

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