【サッカー日本代表】2024年パリ五輪世代の市場価値ランキング※2021/6/30時点
先日、2020東京五輪を闘うサッカー日本代表のメンバーが発表されました。
このメンバーの中にもほんの数年前まではノーマークだった選手だったり、或いは数年間ずっと候補生としての地位をキープし続けてきて順当に選出された選手だったりと様々なケースがあります。
「当時あの選手が候補だったのに…」や「この選手が伸びてくるとは…」という気持ちで一喜一憂出来るのも醍醐味の一つですね。
そこで今回は、敢えて次回大会のオリンピックに目を向けてみようかと思います。
次回のオリンピックは2024年にフランス・パリにて開催が予定されています。現時点でその候補に該当するメンバーの市場価値ランキングTOP10を記載していきます。(6/30時点)
そしてTOP10記載の前に2点ほど補足説明させていただきます。
補足①:五輪代表選出条件
ご存知の方も多いかとは思いますが改めてお話させてください。
オリンピックのメンバー選出条件は通常の代表と異なり、年齢制限があります。
『オリンピック前年時点で23歳未満の年齢である選手』がこれに該当します。
(それより歳上の選手はOA[オーバーエイジ]枠として通常3人までの選出が可能です。)
そのため、今回の対象者はパリ五輪の前年となる2023年に上限22歳の選手たち、言い換えると2001年生まれが最年長という条件になります。
補足②:市場価値とは
端的に言うと、「世界的に見たサッカー選手の評価額」です。
通常、サッカー選手というのは所属元クラブが保有権を持っているというルールです。悪い言い方ではありますが、クラブが抱えている商品ということになります。
そのため、選手と所属元クラブとの契約が続いている期間内に他クラブが該当の選手を欲しがった場合は交渉の上、『商品』を購入しなければなりません。
(どういう因果か、ここの交渉でお人好しにも無料や格安で選手を他クラブにあげてしまうパターンも無くはないのですが…。)
選手を手に入れる際に必要な金額というのは各クラブ間の交渉によって決まるものであるため、決まった数字が選手ごとに付けられているという訳ではありません。
ただ、分かりやすいのであくまで『目安』として各選手に購入のための金額が定められているという訳です。それが選手の需要を表す指針として便利であるため、我々一般のサッカーファンにはサッカー選手としての価値を表す金額として見られています。
そんな各国の選手の市場価値を記載しているとして、クラブやジャーナリストにも多大な信頼を寄せられているほど世界的に権威のあるサイトが以下の『transfer markt』です。
(余談ですが、どうやって市場価値を定めているのかはサイト内部の人間しか知らない極秘情報だとか何とか。年齢の若さと実績の2点から見ていると一般的には言われています。)
分かりやすい例が必要かと思うので、今の日本人サッカー選手TOP10がどのようなランキングになっているのかを記載したいと思います。(6/30時点)
1位 鎌田大地(フランクフルト🇩🇪)/2250万スターリングポンド=約34億4千万円
2位 冨安健洋(ボローニャ🇮🇹)/1800万スターリングポンド=約27億5千万円
3位 ????
4位 南野拓実(リバプール🏴)/1080万スターリングポンド=約16億5千万円
5位 遠藤航(シュツットガルト🇩🇪)/900万スターリングポンド=約13億7千万円
6位 伊東純也(ヘンク🇧🇪)/720万スターリングポンド=約11億円
7位 堂安律(PSV🇳🇱)/630万スターリングポンド=約9億6千万円
8位 酒井宏樹(浦和レッズ🇯🇵)/360万スターリングポンド=約5億5千万円
9位 中島翔哉(ポルト🇵🇹)/315万スターリングポンド=約4億8千万円
9位 鈴木優磨(シントトロイデン🇧🇪)/315万スターリングポンド=約4億8千万円
9位 板倉滉(マンチェスターシティ🏴) /315万スターリングポンド=約4億8千万円
※スターリングポンド…イギリスの通貨。1スターリングポンドで日本円にして約153円。
※6/30時点所属チーム記載。酒井宏樹のみ移籍先が内定済のため、移籍先のチーム記載。
※9位のみ同率3人のため、3人同時記載。
このような順位です。
3位を伏せてあるのは、ここにパリ五輪世代のとある選手が入るためです。
(と言ってもサッカーファンの皆さんなら誰なのかもうお気付きかとは思いますが…。)
このように市場価値というものは、世界からの需要の度合いを示すものです。
定期的に順位が変動して面白い結果になるので、興味があれば逐一チェックしてみてはいかがでしょうか。
補足説明が長くなってしまいましたが、本編に入りたいと思います。
パリ五輪世代の市場価値TOP10選手を10位から記載していきます。
9位タイ
川﨑颯太(京都サンガF.C.)
36万スターリングポンド=約5500万円
2001年7月30日生
171cm/66kg
ポジション:MF
9位は2人が同額でランクイン。1人目は京都サンガのユースチームからトップに昇格してきた中盤のフィルター役です。
絶妙なポジショニングで相手のパスをカットしたり、セカンドボールを的確に回収したりして攻撃の目を摘みます。
守備から転じて前を向いてチャンスメイクする能力もあり、守備と攻撃の切り替えを重視する現代サッカーに合致する存在と言えるでしょう。
京都では現在20試合に出場しており、並々ならぬ期待をかけられていることが窺えます。
日本代表の中盤には東京五輪世代に最近ドイツへの移籍が内定した田中碧、A代表にドイツで躍動した潰し屋遠藤航等がいるため、早めに代表入りして先輩たちから経験を吸収して欲しいところです。
9位タイ
中野伸哉(サガン鳥栖)
36万スターリングポンド=約5500万円
2003年8月17日生
173cm/63kg
ポジション:DF
同率9位の2人目は近年、若手育成が目立ってきているサガン鳥栖にて台頭してきた左サイドバックの新星。
かつては7歳以上も上のカテゴリーの代表に飛び級で招集され、周囲をざわつかせたこともありました。
両足を使ったプレーが可能で、サッカー選手としての全ての基礎能力がこの年齢にしては完成されています。
まだ高校生の年代であるにも関わらず既にJリーグで出場機会を多くもらい、一回り以上も年上のプロサッカー選手たちと渡り合っています。
一部のサッカーファンは「日本代表の長友の後継者は中野」と言うほど将来性があり、ロマンを感じさせてくれる存在です。
年齢相応で見ると能力に大きな弱点が無いため、今後どのようなタイプの選手に育ってもおかしくない伸び代満点な選手と言えます。
8位
成瀬竣平(名古屋グランパスエイト)
40万5千スターリングポンド=約6100万円
2001年1月17日生
166cm/63kg
ポジション:DF
8位には名古屋グランパスのユース出身、サイドバックの成瀬がランクイン。
日本の学年で言えば東京五輪世代になるのですが、五輪代表選出のルールに則って考えるとパリ五輪世代に該当します。日本の学年の仕組みが謎ですよね。理由とか分かる方、是非教えてください。
話が逸れたので成瀬の話題に戻しましょう。
トップチーム合流直後は満足な出場機会を得られなかったものの、段々と起用が増えていき今では名古屋のサイドに欠かせない人材となっています。
元々MFをやっていたので攻撃への意識は高く、走力を活かして積極的に相手のエリアに侵入したり、フリーの味方を見つけてチャンスに繋がるパスを供給するプレーが持ち味です。
無論サイドバックなので守備にも磨きをかけており、まだまだ荒削りではありますが味方を使いつつ相手のコースを的確に切ってボール奪取を狙います。
攻守に渡って運動を絶やさず存在感を放っており、まだ20歳ながら監督が手放しで褒めるほど。
名古屋の同世代に現在海外で奮闘している菅原由勢が居るため、彼に追いつき追い越さんと日々精進していることでしょう。
6位タイ
藤田譲瑠チマ(徳島ヴォルティス)
45万円スターリングポンド=約6800万円
2002年2月16日生
172cm/70kg
ポジション:MF
6位に位置する1人目はJ1に昇格したての徳島ヴォルティスに加入した新戦力です。
ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれたハーフであり、サガン鳥栖同様若手育成に定評がある東京ヴェルディのユース出身。
元々は相手の攻撃の目を摘み取る守備を行う潰し役の能力を存分に発揮していましたが、J2での試合に出続けるうちに攻撃センスも上昇。
ゴールに向かっての積極的なドリブルや鋭い縦パス等随所で光るものを見せつけ、瞬く間と言わんばかりのスピードで成長を見せてJ1昇格チームに引き抜かれていきました。
彼の成長を見ている辺り、もしかしたら世代で上位を争うほどの伸び代の持ち主かもしれません。
将来海外に移籍するようなことがあれば知らぬ存ぜぬ間に日本トップに立っているなんてことも想像がつきます。
ひとまずJ1での経験を重ね、どれだけのポテンシャルを発揮できるのかに期待がかかりますね。
6位タイ
若月大和(湘南ベルマーレ→FCシオン/スイスにローン移籍中)
45万円スターリングポンド=約6800万円
2002年1月18日生
170cm/68kg
ポジション:FW
6位タイ2人目は現在湘南ベルマーレよりスイス1部・FCシオンにローン移籍中の若武者。
昨年、湘南に加入内定していた高卒選手が直後に欧州移籍を果たしたということで少し話題になったのを覚えている方もいると思います。
彼は主に中央の攻撃的な位置でプレーしており、トップ下やセカンドストライカーのタスクを与えられている存在です。
小柄ではありますがスピーディーなドリブルと確かな足元の技術が持ち味で、相手ゴールを脅かす存在となります。
インパクトのある数字はまだ残していないもののシュートにもセンスを感じさせるものがあり、スイスではボレーシュートを決めています。
いずれ慣れてくれば得点も重ねられる可能性があるのではないでしょうか。
こちらもまだまだ荒削りでは有りますが、海外メディアに日本代表のエースである南野拓実を彷彿とさせると言われており、その才能はお墨付き。
今後フィジカル面を含め荒削りな部分がどう伸びていくか見ものな選手と言えます。
5位
荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)
49万5千スターリングポンド=約7500万円
2002年1月29日生
170cm/60kg
ポジション:MF
5位にランクインするのはまだ19歳ながら鹿島の中盤を制圧していると言っても過言では無い男。
今シーズン、J1にてまだ10代ながら既に前半戦だけで6ゴール5アシストを記録しており、大器の片鱗ぶりが窺えます。
ハイレベルなドリブルテクニックに加えてサッカーIQが高いのではないかと絶賛されており、相手が嫌がるプレーを的確に遂行できる判断力が持ち味です。
数字に表れている通り得点力にも優れ、まだ若いながら重要な場面で点を決めるメンタリティにも只者では無いオーラを感じさせてくれます。
例えるのであれば、ポスト香川真司となり得る可能性がある選手ではないでしょうか。
もちろん、現代サッカーの中盤は攻撃的なテクニックだけではなく守備の面でもハードワークを絶やさず、貢献が必要となります。
ただ、ここまでサッカーIQが高ければ新たな環境への適応や新たなタスクの消化等も苦にはせずに活躍できるのではないかと期待せずにはいられません。
4位
山本理仁(東京ヴェルディ)
54万スターリングポンド=約8200万円
2001年12月12日生
176cm/65kg
ポジション:MF
続いて4位は、こちらも6位の藤田同様東京ヴェルディのユース出身のレフティ。
監督に「中村俊輔を超える」と称賛されている才能の持ち主です。
一番のストロングポイントはその中村同様の左足から繰り出される長短のパス。
視野の広さを生かして味方を見つけ、中盤の底から大きく展開するパスやコーナーキックで味方の元にぴたりと合わせるボールなどを蹴ります。
司令塔として必要な要素を兼ね備えており、歳上の選手らに混じっても謙遜が無いほどにゲームを作る能力に長けています。
パス出しだけではなく鋭いタックルを果敢に試みる姿勢もあるため、選手として完成してくれば1人でカウンターチャンスを作り出せる存在になりそうです。
パスセンスは今の段階でより高いレベルに放り込まれても通用しそうなため、一刻も早く次のステージで見たいですね。
中村以上にオールラウンダーな選手になって欲しいものです。
3位
松岡大起(サガン鳥栖)
67万5千スターリングポンド=約1億円
2001年6月1日生
170cm/65kg
ポジション:MF
3位にして、なんと日本円で1億円の評価を打ち出す選手が出てきました。
中野同様、若手の宝庫である鳥栖で躍動するMFです。
5位の荒木が攻撃面での頭脳であるならば、こちらは守備面での頭脳でしょうか。
優れた危機察知能力を有しており、敵の攻撃パターンを狭めるためのスペースを埋める守備が出来ます。
相手のドリブルで球が離れた瞬間を狙って的確なタックルを見舞い、攻撃に転じる起点を作ることができる逸材。
そんなボールを刈り取ってからの動きも素晴らしく、縦パスを通したり自分が持ち上がったりと言った選択肢を遂行。
センターバックやサイドバックも少しだけ経験しましたが、そういった多くのポジションを託されるのも彼の守備能力あってのことでしょうか。
今後は年齢に沿ってのフィジカル面の成長と能力の向上さえすればすぐにでも世界に通用しそうに思えるので、こちらも楽しみです。
キャプテンシーも秘めているとのことなので、もしかしたらパリ五輪では彼がキャプテンマークを巻いているかもしれませんね。
2位
斉藤光毅(ロンメルSK/ベルギー)
90万スターリングポンド=約1億3千万円
2001年8月10日生
170cm/61kg
ポジション:FW
2位にランクインしたのは昨年マンチェスターシティグループのチームの1つであるベルギー2部のロンメルSKに旅立った横浜FCの最高傑作。
足元のテクニックと瞬発力に優れ、サイドの狭いスペースを独力で突破し得るドリブルが持ち味です。
フィジカルコンタクトに多少苦戦しているきらいがあるものの、足元に激しいプレスをかけられてボールを奪われにかかっても簡単にはロストしないだけのスキルがあります。
シュートも決してズバ抜けた数字を残しているわけではありませんが、思いがけない位置から蹴り込んで枠内に決める等随所で光るものを見せてくれます。
ベルギー1年目のシーズンはインパクトを残すことが出来なかったものの、自分の中で思い描く成長プランがあるようなので2年目以降も変わらず期待してみましょう。
同学年でもある6位の若月同様小柄なドリブラーであるため、同じタイプの日本を背負う見込みのFWとして切磋琢磨して欲しいものです。
1位
久保建英(レアル・マドリード/スペイン)
1350万スターリングポンド=約20億6千万円
2001年6月4日生
173cm/67kg
ポジション:MF
1位はもはや説明不要な日本サッカー界期待のホープ。東京五輪にも選出されていますね。
前置きの日本人サッカー選手市場価値TOP10にて「????」と伏字にしていた3位に入るのは彼の名前です。
市場価値は日本円にして2位の斉藤におよそ19億円もの大差をつける約20億6千万円となっています。
幼い頃にスペインの名門バルセロナの下部組織に所属してその能力を磨き、日本のメッシと言われ早くからその才能に期待がかかりました。
成長してからサッカー界の規則上の制限によって一度日本に戻り、Jリーグでプレーした後に同じくスペインの名門であるレアル・マドリードへの電撃移籍を発表したことは日本のサッカーファンの記憶に新しいかと思います。
独力で相手陣地を打開できるドリブルテクニックやスピード、正確なパス、フリーキック等…。アタッカーに必要なものを多く兼ね備えています。
パリ五輪世代とは言っていますが、前述の通り既に東京五輪のメンバーにも選ばれており、何なら最上位のA代表入りすら既に果たしています。
現在は所属元のレアル・マドリードから他クラブにローン移籍をして武者修行という年が続いており、日本サッカー界の最高傑作となるため日々精進している最中です。
もはやパリ五輪世代という枠に囚われない彼のポテンシャルには末恐ろしささえ感じてしまうものです。
あとがき
以上が、2021年6月30日現在時点でのパリ五輪世代の市場価値ランキングTOP10となります。
無論、今回ランクインしなかった中にも逸材は多く、市場価値の変動はすぐにあるかもしれません。
先に言った通りサッカーの代表メンバーの人選というものはその時になってみないとどう転ぶか分からないものです。
もしこの記事が2024年まで残っているようであれば、またその時に照らし合わせてみたいものですね。
サッカー日本代表、そして日本のサッカー選手たちから今後も目が離せません。
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