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社長も投票で決める会社をやってみた。

※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です


はじめの一行

はじめに

誰もが幸せになる組織を作りたかっただけなのに、
どうしてこんなに苦しいんだろう?

誰もが幸せになる組織を作りたい。そんな問いを、僕は10年前からずっといだいてきた。この本は、同じような悩みを持つすべての人の気持ちに、僕の経験が少しでも寄り添えたら、そして何かのきっかけになれたら、と思って書くことを決めた。はじめに言っておきたいが、これは2018年2月現在の、リアルな僕たちの姿だ。

社長も投票で決める会社をやってみた。(武井浩三)

著者の原点というか、発想ができ始めたころの苦悩とキッカケが表現されていると思います。
私的には、非常にグッとくる書き出しだったんですが、皆さんはいかがでしょうか。

本書の内容

ホラクラシー経営

ホラクラシー経営というものが最近はやっているようです。
何かといえば、今までのヒエラルキーに則った経営と真逆の内容。
つまり単純化して言うと、フラットな組織というのでしょうか。

働く時間、場所、休みは自分で決める
上司も部下もなし、全員の給与は公開

まあこれだけでも信じがたい内容です。
給与は公開されるだけではなく、自分たちで決めているそうですし、
役員も選挙制でその是非を問うている。

まあ古い価値観から言えばめちゃくちゃです。
ありがちな話は、それで内部管理体制がちゃんと保てるのか?とかいう疑問は出てきそうです。
しかしそれもどうやらうまくいっているようです。

何もかもが私の知る世界と正反対。
だけど、人間として自然な感じがする。
それもそのはず、どうやら著者は「自然な状態」を求めていった先に、こういう経営にたどり着いたようです。

自然に即した経営

本書では、こういったホラクラシー経営を普通の会社ができるのか?についても論じられています。
その中で重要な3つの要素とその順番まで明記されています。
非常にシンプルではあるのですが、実践はいろいろと難しい部分はありそうです(笑)

実際にこれを自分の会社に活かそうとするなら、自分の組織の現在の在り方などをきちんと把握して始めないと、めちゃくちゃになる可能性は否めません。

どうも「なにをやるか」に注目するのではなく、原理原則に着目するのは重要かと思います。
奇しくも、著者が参考書として挙げているものの中には、「流体力学(物理系の本)」や、「生物の進化」に関するものまであります。
どういうことかというと、水が上から下に流れるかのように、経営を組み立てていくというのが基本原理としてあるようです。

これはなかなか参考になる一冊です。
文字数も少なくて読みやすいですが、一言一言にパワーが宿っています。

著者のその後(2020年6月追記)

このレビューを書いた2018年6月から1年と少し後の2019年9月。著者は、自らが創業したダイヤモンドメディア社の代表取締役を退任すると発表しました。もともと、代表の立候補制度はつくっていなかったものを、この2019年なのかから導入したそうです。そうすると、「自分がやりたい」という代表者候補が手を挙げたそうです。それも複数人数が。そこで著者の武井氏は、自分が立候補することはやめ、会社を去ることを決めたそうです。会社にとっては、とても大きな節目となるのですが、自分が会社にいる以上は会社には自分のカラーが色濃く反映する。だから、離れたほうがいい、という判断のようです。

正直なところ、裏には何があったのか、勘ぐる人もいるかもしれませんし、私だって言葉をそのまま受け取るのは何となく理解不能な感じです。もし裏に何か背景があるとすれば、こういった組織運営のむずかしさを感じざるを得ません。

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