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感動させることは、顧客のロイヤルティ向上につながらない

一言でいうと

「期待以上のサービス」は意味がない・・・?

活用シーン

顧客対応

内容

9万7000人余りの顧客の回答分析によると、
期待以上のサービスを受けた顧客と、期待が満たされただけの顧客のロイヤルティには、事実上差がまったくなかった。

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係
マシュー・ディクソン (著), ニック・トーマン (著), リック・デリシ (著)

今回は純粋な心理学実験の話ではなく、ビジネスにおけるカスタマーサービスに関する調査です。

リッツ・カールトンや、ディズニーランドなどを冠したビジネス書では、「感動サービス」を非常に強調していることが多いと思います。感動は、期待値を超えたときに起こる、と言われていますが、一度感動すると次の期待値が高まり、けっこう大変です。

しかし、本書が解析したデータによると、期待以上のサービスを受けたからと言って、次もそのお店を利用するかどうかの決定係数は0.13.つまり、ほとんど影響を及ぼさない、という事です。


確かに、心温まるサービスを受ければ、そのお店に対する印象は良くなります。だからと言って、わざわざ次回もそこにするか、というと私はそんなことはしません。リピートするのは常に、便利で手軽なところです。購入に際して、負荷が少ないところで買う、という事です。

このデータ解析においても同様の結果が出ているようです。
つまり、期待以上のサービスをするよりまず、期待されるサービスをちゃんとやろうよ、という話です。例えばホテルなら、余計な気遣いより先にフロントで毎回名前書かせるの、勘弁してくれよ、と思うわけです。そもそもフロントの行列に並ばず部屋がわかって、スマホかなんかで開錠できるようにしてくれた方がうれしいわけです。疲れてホテルに到着した時に、いつも不満に感じることです。

とはいえ、その期待値というのは相対的なもの。価格に応じたものであってしかるべきですし、感動サービスが回り回って売り上げに貢献することもある。だから簡単に切って捨てることではないような気もしますが、感動サービスという果てしない追及を行うことを議論する前に、まずは顧客の苦労を減らすことから始めるのがいいのかもしれません。


こんな本を書いてます。良かったら是非(^^)/

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