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ドント・ウォーリー・ダーリン

オリビア・ワイルド監督
フローレンス・ビュー、ハリー・スタイルズ、クリス・パイン

ネタバレ無し感想


完璧に幸せな街
1950年代アメリカ風の住宅地
きれいな奥さんたちが玄関の外まで夫を見送りに出て
夫達は高級車で一斉に砂漠を同じ職場に向かって走っていく
いつも全員同じ時間

パーティーは常に夫婦セットで
みんなラブラブ
子供のいる家庭もあるけど子育てで苦労してる風もない

奥様達は街から出る事はなく、いつも同じ会社の妻たちでつるんで
上司の妻が主催するバレエ教室に通ったりショッピングしたり…

一見完璧な幸せに見えるけど
そこから出ようとすると出られない管理社会ディストピアものと思って見始めました

ディストピアものとして

ディストピアものの場合

主人公がいつどのようにその世界の矛盾に気づくのか?
主人公はそこから無事脱出?もしくは世界を解放?できるのか?
主人公たちはリアルにはいつ、どこにいるのか?

そのディストピアを作った黒幕は誰で意図は何なのか? 

あたりでいろーんなパターンがある

  • 人工的に完璧な街、例えば1950年代のアメリカを作られ、住人は洗脳されていた(実際は2020年や未来、とか。広大な国土のアメリカなら街の一つや二つ作れそう。宇宙のパターンもありそう)

  • 自分以外の数人はアンドロイドだった

  • 死語の世界だった

  • 昏睡中の夢/妄想だった

  • バーチャルリアリティ(今でいうところのメタバース)だった

等々
SF見過ぎ…

今回もどんなパターンかなーと思って見てました

ディストピアものとして見た時には、これまでになかったパターンもあり面白かったです!

夫がイケメン~と思ったら元ワン・ダイレクションの人なんですね!

ここからネタバレ






実はバーチャルリアリティ、メタバースでした
そして、ちょっとおばかに見えた主人公(奥様)は実は外科医!

何度かショーガールが踊るシーンが出てくるので
この世界の奥様たち実はみんな同じお店の踊り子さん達かな~位に思ってたのでびっくり!

30時間で6つの手術をこなし6時間寝たらまた出勤するような激務
ダンナはリアルでは結婚してない恋人でおそらくニート
なのにごはんも作らず激務の外科医主人公をゆっくり寝かせようとしない


この話のキモ…新たなパターンかも


そして、私がこの話のキモだと思うのは、この、バーチャルなディストピアに、ほとんどの男達が自ら入ってきて、
女性側を無理やり記憶なくさせて引きずり込んでるってこと!

半数の住人が自ら望んで偽りの世界に入ってきてる
パターンはこれまでになかったかも

中には主人公の隣人(監督でもあるオリビアハート!)のように、おそらく亡くした子供と一緒に過ごすために自ら入ってきた人もいるけど。
残りの奥様達はおそらく結婚すらしてない状態でリアルな人生を奪われてる

男たち、どんだけ恋人に専業主婦やってほしいんだ!(笑)
結局これが理想なのか?!


最初から撒かれていたヒント、ちょっとした不満


そういえば、みんなお酒がんがん飲んでも二日酔いしてなさそうだし、お腹の大きい妊婦が酒飲んでバレエやってるし…。
最初からヒントは撒かれてました!

この世界を作った黒幕は上司であるはずなんだけど
ラストは奥さんに殺されちゃう

ひょっっとして黒幕は奥さん?という含みもありつつ(これはニコールキッドマンのあの映画のパターン)
主人公が外科医である「リアル」に戻れたかどうかもはっきりしない

洗脳が溶けそうな主人公の記憶を消して再洗脳するシーンがあるんだけど
(結局うまくいかずにリアルを思い出してしまう)
そこは、リアルのほうの処置ではないのか????
リアルの方がどのくらいバーチャルに介入してるのかは、バーチャルに入れられる時以外一切描かれてない

不満があるとしたらその位です

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