見出し画像

昆布だしのとりかた

明日公開のスープ・レッスンは、トマトのけんちん汁。昆布を使っています。トマトや豆腐の味わいを生かしつつ上手にサポートしてくれるのが、昆布のうまみです。

昆布だし自体はとても手軽で、ふだんの料理にぜひ使いたいもの。そこで、今日は買い物からはじまる〈昆布だしガイド〉です!

昆布の買い方

昆布には「産地」「用途」「形状」などで名前がついています。どれがいいのか、迷いますよね。

だし昆布とは、あくまで用途上の呼び方。「日高昆布」「羅臼昆布」「利尻昆布」「真昆布」などが産地を示しており、「早煮昆布」はだし昆布同様、用途です。「切り出し昆布」は要するに昆布の切り落とし。実際にはこれらほとんどの昆布でちゃんとだしがとれます。産地で言えば、一番出回っていて、値段的にも買いやすいのは、日高昆布でしょうか。

だしに向かない昆布は、ふわふわした「おぼろ昆布」や、ネバネバが特徴の「がごめ昆布」など。これらはだし用昆布とは形状がちがうので間違いにくいと思います。

〈日高昆布〉と〈真昆布〉を買ってみました。

この二つはどちらも北海道南産の昆布で、私がよく使う昆布です。日高昆布は薄く柔らかいため煮物にも向いています。真昆布は厚手で幅広、うまみがあるだしがとれます。山出し昆布とも呼ばれます。
このほかに有名なものでは〈羅臼昆布〉、〈利尻昆布〉などがあります。少しずつ特徴が違いますが、基本的にだしの作り方は変わりません。

昆布を量る

ところで、日高昆布と真昆布を、袋から出すとこんなに違います。(この商品は長さ20cm弱でカットされていました)

よく、昆布○cmと書いてあるレシピがありますが、実は幅だけでなく昆布によって厚みも違うので、かなり差があるんです。量るのも少し面倒ですが、基本的な知識として、グラム表記します。

必要な量は、水500mLに対し、昆布4~5g
。もっと昆布の量が多いレシピも見かけます。多すぎると昆布くさくなってしまいますし、家庭ではそれほど濃厚でなくてもいいと思います。
5gは、日高昆布なら10~20cm、真昆布で5~6cm。買ってきてすぐに、このぐらいの長さにカットしてしまうと後が楽です。

水500mLに対する昆布の量。カード1~2枚分です

昆布の水だし

水に浸けておくだけでだしができるのが昆布の特長です。ポットなどに入れておけばいつでも昆布だしが使えます。写真は水1Lに20cmの日高昆布2枚分、10gを入れています。

水に昆布を入れるだけ。冷蔵庫にしまいましょう。3~4日おけるので、多めに作っておいても。

煮出して作る昆布だし

煮出す方法も、とても簡単。鍋に水を入れて弱火にかければ、沸騰する頃にはいい感じの昆布だしが取れます。水だしより楽ちんな気がして、私はふだんこの方法です。
写真は、水500mLに対して日高昆布20cm1枚、5グラムを入れて、じわじわ煮出しているところ。昆布は煮立てるとちょっと生臭くなるので、沸騰したら取り出してしまいましょう。煮出す2~30分前に昆布を水に入れておくと、さらによくだしが出ます。

昆布だしについては、60度で1時間かけてとると、もっともうまみ成分が出るという研究結果が出ています。でも、家のごはんで毎食1時間かけて昆布だしをとるのは現実離れしているので、もっと気楽にとりましょう。
鍋にざーっと適当に水を入れて、昆布を放り込んで、弱火で煮る。沸騰のタイミングで昆布をとりだす。これでOKです。

ちなみに、だしをとったあとの昆布は食べられます。ある程度たまったら、醤油と酢と砂糖で煮るとおいしい昆布佃煮になりますが、私は切って味噌汁に入れたり、ただ醤油かけて食べちゃったりすることもあります。

昆布だしの使い方と魅力

昆布だしは、鰹だしや煮干しだしほど強いうまみではありませんが、肉や野菜の味わいを引き立てるのが特長です。スープの場合、洋風のものにも使えます。ミネストローネやポトフなどに、ちょっと昆布を使うとぐっと奥行きが出ます。

ひき肉とグリーンピースのスープ

ブロッコリーと牛肉のスープ

ポトフ

味噌汁の場合は油揚げなど、少しコクのある素材と合わせて使うのがコツ。

小松菜と焼きおあげの味噌汁

さりげなく使ってうまみを増幅しつつ、おだやかにまとめてくれる昆布だし。素材の味を大事にして、食べ疲れない味を出すのにおすすめです。ぜひ、使いこなしてください!



この記事が参加している募集

読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。