滋味ぶかき台湾の朝ごはん、豆漿(トウジャン)が美味しい台北の7店
“台湾の朝ごはん”は、台湾グルメを語る上で外せない食文化です。
台北の街で早起きして街を歩くと、まだ暗いうちから開いている飲食店があります。豆漿店です。豆漿(ドウジャン)、というと聞き慣れませんが、要するに豆乳のこと。街角のあちこちにある豆漿店が、朝から食欲旺盛な台湾人の朝を支えています。ほとんどの店はイートイン、テイクアウト、どちらもOK。
小吃(シャオチー)と呼ばれる点心を食べながら、豆漿を飲む。これがポピュラーな朝ごはんのようです。
まず、豆漿。
甘い豆乳は甜豆漿(ティエントウジャン)。砂糖を入れた豆乳ですね。
塩味は鹹豆漿(シェントウジャン)。干しエビやザーサイ、ネギ、そして油條という揚げパンを入れて、さらに酢や醤油、ラー油など好みで味を調節して食べます。酢や塩分が入るので、ふるふるに固まっています。これがなんとも美味しいんです。
そして豆漿店の魅力をさらに高めているのが、小吃(シャオチー)類。油條(揚げパン)、パンみたいな餅(ピン)、パイやクレープ状のもの、まんじゅう、小籠包……炭水化物と油の塊みたいな、きわめて危険で魅惑的なメニューがあり、それぞれの店ごとに味を競います。
3月に台湾を旅行し、台北で何軒かの豆漿店を回りました。どこも美味しい店でしたので、台湾に行かれる方はガイドがわりになさってください。当面予定がないんだけど…と言う方は、cakesのこちらのレシピをどうぞ!
①五湖豆漿店
台北市中山區興安街77號 MRT松山新店線「南京復興」駅徒歩5分
まずは、最も基本的な組み合わせをご紹介します。
鹹豆漿25元+油條15元。鹹豆漿には写真のように揚げパンみたいな油條(ヨウティアオ)の刻んだもの入っていますが、揚げたての油條を1本もらって、それを齧りながら、あるいは浸したりちぎって豆漿に入れながら食べると、クリスピーで美味しいのです。
こちらは甜豆漿25元。油條は鹹豆漿と同じものです。現地の人は、鹹豆漿よりこの甘い豆乳を買っていることが多いようですね。テイクアウトする人も多く、なみなみ豆漿の入ったカップにシールをしてくれます。
この豆漿店はビジネス街の裏みたいな場所で、観光地ではありませんが、ひっきりなしに客がやってきて食べたり買ったりしていました。鹹豆漿は、豆乳が固まっていない部分がまだ残っていてフレッシュな感じ。
②阜杭豆漿
台北市中正区忠考東路一段108号2F MRT板南線「善導寺」駅下車徒歩2分
さて、お次は台湾ガイドには必ず載っていると言っていい、ナンバーワンの人気大型店。日曜で観光客が多かったこともあり、6時半ごろ行って、1時間以上並ぶことになりました。
後ろに並んでいるのは、左から、厚餅來油條、焦糖甜餅、薄餅來蛋。
厚餅來油條55元は、油條を厚めパンのような生地で挟んだという、信じられない食べ物です。この店ではもっと薄い皮で包んだタイプもあります。焦糖甜餅25元は甘い砂糖のついたパン。薄餅來蛋35元は、薄いパンみたいな生地で薄焼きたまごを挟んだもの。
ガイドや漢字とにらめっこしながら何であるか推測(笑)とはいえいくつかの組み合わせなので一度覚えてしまえば簡単です。
ガラスケースの中で、大量の小吃が次々できていく!
③青島豆漿店
台北市杭州南路一段139-3号 MRT淡水信義線「東門」駅下車徒歩8分
こちらは肉餅、韮餅という、小さな焼き饅頭的なアイテムが美味しい店。店頭でおじさんが肉餅を黙々と包んでいます。
䶢豆漿は大きな丼で出てきました。海老風味でしっかり味でした。ひとつだけ頼んだら家族分3本レンゲくれた!
餅類は、その場で生地をこね、具を包んで焼いています。作りたての熱々の肉餅と、豆漿の組み合わせ最高です。
狭いので作る人食べる人の距離が近い。ほとんどが家族経営らしく、店の人たちはまめまめしい。気働きもよく、注文してから会計まで、スピーディ&スムーズです。
④秦小姐豆漿店
台北市延吉街7號之6 MRT板南線「國父記念館」駅下車徒歩10分
こちらは極めて家庭的な雰囲気の店ながら、オレンジピールの入ったおしゃれパンが名物と聞き、出向きました。
あっという間に売り切れるという噂を聞いて朝イチで出かけたのに、何とまだ焼けてなかった(涙)かわりにゴマ付きの小さな肉餅をチョイス。ニラと春雨、豚肉で餃子の具のような中身でした。
ここの䶢豆漿はとても美味しかったです!作り方はどの店も似たり寄ったりでしょうから、状態が良いものが美味しいのかもしれませんね。返す返すもパンが残念でした。
⑤喜多士蛋餅店
台北市中山區民權東路二段71巷15號 MRT「中山國小」駅下車徒歩8分
この場所は、観光地からは少し離れていてローカルな感じの場所にありますが、友人のおすすめで。䶢豆漿25元と一緒に食べる、看板メニューの蛋餅が絶品です。35元。パイのような薄い皮で薄焼き卵を巻いてあるもの。好みでピリ辛のソースをつけて。皮がパリパリに焼きあがっています。
これ、皮のタイプがクレープみたいなのや、この店みたいにパリパリのやら、店によってさまざまなんですよね。
こんな風にメニューを渡してくれると頼みやすい。
市場っぽい、がやがやしたところにありました。こちらも活気ある店内。ひっきりなしに客がやってきて、店の人は手の止まらない忙しさ。美味しい店の共通点です。
⑥四海豆漿大王
台北市大同區長安西路29號 MRT淡水信義線「中山」駅徒歩5分
泊まっているホテルのすぐそばに美味しい店がありました!少し遅めの時間だけど混んでいます。大ぶりの器だったので、他のものは頼まずに䶢豆漿だけ。
油條が沢山入っていて、これだけでかなり満足の朝ごはんです。隣の人が頼んでいる小籠包も美味しそうだったな。
店頭の饅頭も魅惑的!
⑦鼎元豆漿
台北市金華街30號之1 MRT淡水信義線「中正記念堂」下車徒歩10分
こちらは中正紀念堂の近くの人気店。この店は小吃メニューが豊富で、おにぎりみたいな握団や小籠包もあります。
䶢豆漿はごく普通の感じ。
メニューを眺めるほどに迷ってしまいます。
今回、ちょっと面白いものをテイクアウトしてみました。米漿(ミージャン)。薄餅來蛋と一緒に。
米漿は、米と落花生を原料にした甘い飲み物です。ちょっと香ばしくて、イメージとしてはミロみたいな。これもポピュラーな飲み物らしく、あちこちの豆漿店のメニューにありました。
行列。テイクアウトの列とイートインの列が別々でした。
さて、こうして豆漿店を回ってみると、台湾の人たちのエネルギーの源はここにあるんだなと感じます。朝から作りたての小吃とたっぷりの豆乳。元気が出ないわけがありません。こんな店が近所にあったらなと叶わぬ夢を見つつ、これだけを食べにでも、またぜひ台湾に来たいと思うのでした。
これから旅されるという方、台湾のパワフル朝ごはんを、ぜひ体験してみてください!
面白かった方はぜひこちらのcakesの記事もどうぞ。https://cakes.mu/posts/15882