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夢日記1。祖母が天井から逆さまになった日

私はほぼ毎日夢を見ます。

その夢は結構ハードなものが多く、目覚めた時には一仕事終えたみたいな疲労感があったり、心臓がどきどきしています。そうかと思えば、メルヘンな夢心地が続くことも。たいてい、寝言も言っているらしいです。

「こんな刺激的な内容、一生忘れられへんわ!」って毎回思うのですが、
朝ごはんの準備をしている間に、「全く、思い出せない!」と自分の記憶力に絶望します。

そこで、覚えている限り、ここに記録していこうと思います。

夢日記1「祖母が天井から逆さまになった日」

クローゼットの中から、母と祖母が何やら話し込んでいる声が聞こえてきます。捨てる服と今後も着る服について、あれこれ議論しているみたい。

「何しているの?」

私はクローゼットをルンルン気分で覗きました。我が家にこんな広くて素敵なウオーキングクローゼットがあるなんて、なんて素敵なんでしょう。

と、
祖母が天井から逆さまに吊られているではないですか。
(↓こんなイメージ)

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「おばあちゃん!何してるん?!」

慌てて駆け寄る私。しかし、母は冷静に「何してるって、服えらんでるのよ。あなたも手伝いなさい」と言うのです。

「え!ちょっちょっと、お母さん、おばあちゃん見て!大変やん。こんなままでいいの?」
「ああ、まあ、ちょっと逆さまになっているけど、大丈夫でしょ」
「えっ、でも、これ、急に落っこちて、頭打つとかないの?」

私は天井部分を凝視した。いったい、どうやって祖母はこんな状態になっているんだ?これは何かの実験なのだろうか。

すると、驚いたことに足は天井に普通についている。特殊な糸とかロープでつられているわけではない。つまり、祖母にとって天井が地面なのだ。髪の毛もばさーとなっておらず、普通にまとまっている。

とにかく、「急に落下したらえらいこっちゃ!」
私は、祖母の体を抱っこするように抱え込んだ。

「おばあちゃん、落ちたらあぶないよ、元に戻ろう」
すると、祖母はきょとんとした顔をして、
「あんた、変わった子やねえ。抱っこしてもらわなくても大丈夫よ」
と”にこっ”と笑った。

あ、おばあちゃんの笑顔久しぶり!
というか、逆さで笑顔みたのは初めてやし。
元気そうだから、まっいいか。

と、そこから急に画面が切り替わる。

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青い海に白い砂浜。そばに白い壁に囲まれた建物。結婚式のパンフレットに出てきそうだ。建物の中は、長い廊下に白い部屋が何個も続いている。
と、扉を勢いよく開けて走ってくる人がいた。

祖母だった。

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今度は地面に足をつけている。

「あれ、おばあちゃん、そんなに走ってどうしたの?」
「もう、ここから出たいのよ」
「えっと、ここってどこ?」
「私もそれがわからないよ。でももう、飽きたから出たいのよ」

とプンプン怒っている。

私は記憶をたどる。えっとここはどこなんだろう。確か、おばあちゃんは施設に入ったよね。近所だったはずだけど、鳥取県だったんだ。(なぜか鳥取県というワードが私の中に出てくる)

へー、おばあちゃん、こんな素敵な場所に来てたんだね。
でも、つまらなくなっちゃったんだね。

「おばあちゃん、走れてすごいやん」
「当り前よ、これぐらい」
「そっか。でもさっきまでクローゼットで服選んでなかった?(しかも逆さまで・・・)」
「そうだったけ?」

あれ、あのクローゼットはどこのクローゼットなんだろう?自宅?鳥取?
おばあちゃん、瞬間ワープしたのか。なんだかややこしいな。でも、おばあちゃんはここが飽きてるらしいし、また戻った方がよさそうだな。

「おばあちゃん、クローゼットに戻ろうか。逆さまになっちゃうけど、いい?」
「はいはい、わかりましたよ。行きましょう」

********

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ここで、突然夢から覚める。久しぶりの祖母との再会。逆さづりという衝撃を携えて。これは、祖母なりの演出か。

実は最近、母が脳卒中で入院をした。その母が「おばあちゃんに会いたい」とつぶやいたことがあったのだ。母はしんどい時や辛い時によく祖母を思い出す。その時、「お母さんはおばあちゃんに会いたいのか。なんとかして、母を元気づけてあげたいな」って思ったのだ。そうしたら、おばあちゃんが会いにきてくれたのだ。

うん、そう思おう

しかし、こんなユーモアな方法でやってくるとは!

母に楽しい報告ができそうだ。
と思ったけど…、

「なあなあ、昨日、おばあちゃんが天井にぶら下がっててね…」
「もう、あんた私が大変な時に、わけわからん話ばっかりっ…」

ってなるよね…。
やっぱり話すのはやめておこう。

(終)

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