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流氷が見たくて網走に行ってきた私が見た景色

かれこれ10年以上前から、流氷を見てみたいなぁと思っていました。
北海道のオホーツク海に流氷がやってくる1月下旬頃になると、いつもソワソワ。

網走流氷観光砕氷船「おーろら」の流氷航路の運行情報をチェックして、3月下旬頃に運行終了のお知らせを見ては「今年も見に行けなかったな…」とがっかりするのが毎年のルーティーンとなっていました。

「来年こそは行きたい」と思っていたらコロナが流行してしまったり、ますます流氷への思いが募っていきます。

そして2023年2月2日、網走地方気象台による“流氷初日”の発表を受け、居ても立っても居られなくなった私。その1週間後には網走に行くことを決心し、2月12日に網走に向かうことに。

果たして無事に流氷を見ることはできたのでしょうか…?

ちょっと長くなりますが、よろしければ最後までお付き合いください。

私の立てた旅行プラン

流氷が見たい私の旅行プランは、このような感じでした。

1日目(2月12日):羽田空港→女満別空港→網走へバスで移動→「おーろら」12時30分の便に乗船して流氷を見る→網走観光→ホテル「天然温泉 天都の湯 ドーミーイン網走」に宿泊

2日目(2月13日):網走→観光列車「流氷物語号」に乗って流氷を眺めながら移動→知床斜里からバスでウトロへ移動→ホテル「北こぶし 知床 ホテル&リゾート」に宿泊

3日目(2月14日):ウトロから知床斜里へバスで移動→釧網線で流氷を眺めながら網走方面へ移動→タンチョウ鶴を見る→女満別空港→羽田空港

…と、毎日流氷を感じられるようなプランにしました。

メインの目的はおーろらに乗って流氷を見ること。
飛行機の出発が遅れたら予約した便に乗れないかもしれないし、天候によっては船が欠航することもあるようなので、現地にたどり着くまではドキドキです。

事前に流氷状況をチェック

旅行に行く2日前に投稿されたおーろらの公式Twitterアカウントによるツイートでは、流氷がびっしり。網走地方気象台による接岸初日も発表され、期待が高まります。

旅行前日のツイートがこちら。

「南の風が不安…」という不穏なワードを確認しつつも、わくわくが止まりません。

いざ網走へ

いよいよ旅行当日です。
朝5時過ぎに家を出て、7時5分発の便(JAL)で羽田空港を出発。

定刻通りに女満別空港に到着して、10時40分頃には網走港にあるおーろらの乗り場へ。

到着してすぐに目にしたのがこちら。

「流氷なし」

例の「南の風」というワードを目にしてから気象情報もチェックしていたので、前日からずっと南風が吹いていたことは知っていたけど、とてもショックでした。

予約したチケットの購入手続きをするために窓口に行くと、「今日は流氷がないので遊覧航路となりますが、それでもよろしいですか?」と聞かれます。
以降の便は満席で予約不可、明日の便の予約はできる便もあるけど流氷が見れるとは限らないと言われ、当初の予定通りの当日の便(12時30分)に乗船することに。

料金は1000円ほど安くなりましたが、全然嬉しくありません。

ただ、遊覧航路とはいえ、はじめてのおーろらへの乗船はわくわくしました。

はじめてのおーろらで見た景色

まったく白くない、見たことのあるブルーの海を船が進みます。

帽子岩と呼ばれる渡良岩が見えました

しばらく進んでいくと、流氷帯からはぐれたのであろう氷の一部がぷかぷかと浮いていることがありました。

「私が見たかったのはこういうんじゃない」と思いながらも、ちょっとでも白い氷を見つけるたびに「流氷いた!」とテンションが上がったのでした。

鳥がいる…!

およそ1時間ほどの遊覧を終え、船から降りた私は「絶対にまたリベンジしよう」と心に誓います。

その日の午後15時以降に南風から北風に変わるという予報だったので、翌日以降に再び流氷帯が戻ってくることを期待して、おーろらとはひとまずお別れしました。

流氷物語号から見た景色

翌日(2日目)は、網走駅から知床斜里駅までの区間を期間限定で運行する釧網線の臨時列車「流氷物語号」に乗車。

オホーツク海を眺めながら知床斜里へ向かいました。
「せめて電車の車窓から流氷が眺められれば…」と思って予約したのですが、この日も流氷の接岸はありませんでした。

うっすら遠くに見える、まるで水平線を縁取るような一本の白い線が流氷帯です。これはこれで珍しい景色だけど、私が求めていたものとは違います。

流氷物語号の車内ではボランティアスタッフさんによる解説が聞けるのですが、そのお話によると、流氷は温暖化など気候変動の影響で年々薄くなっているので、わりと簡単に風で流されてしまうそうです。

「今日見れなかったのは皆さんの運が悪かったのではなく、流氷とはそういうものだと思ってください」と仰っていました。

途中停車した北浜駅の展望台からの景色

流氷物語号に乗ったのに流氷が見れなかった私。
気持ちを切り替えて、終点の知床斜里駅のバスターミナルからバスでウトロ温泉バスターミナルを目指します。

ウトロで観た景色

ウトロに近づくと、海沿いの景色が真っ白に。
流氷がやっと見れました。

バスから見た風景(手前は陸地です)
ウトロ漁港付近から見た風景

この日泊まったホテルは「北こぶし知床 ホテル&リゾート」。

オホーツク海に面し、冬は流氷が眺められる天然温泉&サウナがあるホテルとして人気のリゾートホテルです。

日が落ちる前に大浴場に行ったところ、遠くまで陸地が続いているかのような、海が真っ白に見える雄大な景色にうっとり。

お風呂に設置されたハッカ水を飲んだり、適宜休憩してのぼせないように気をつけながら、ひたすらぼーっと流氷に覆われた海を眺めていました。
サウナの温度は90度ぐらいで、私には熱くて長居できなかったけど、流氷を眺めながらのサウナは最高…。サウナシュランの「いま行くべき全国のサウナ施設」に2年連続ランクインというのにも納得でした。

知床で流氷を眺めることができて満足した私でしたが、やっぱりおーろらから流氷を間近で見てみたいという思いが諦められません。

安西先生に励まされる

「諦めたらそこで試合終了ですよ…?」

先日観た映画『THE FIRST SLAM DUNK』での安西先生のセリフが蘇ります。

Twitterで「網走 流氷」で検索すると、午後の便のおーろらに乗って流氷が見れたと言っている方のツイートを発見!
北風が吹いているので、もしかしたら明日も流氷が見れるのかも…?

最終日(3日目)の朝9時。おーろらの受付開始時間に電話をかけました。何度かけても通話中で心が折れそうになりながらも諦めずに何度もかけ続けると、ようやく繋がります。そして無事に12時30分の便を予約することができました。流氷航路となるかどうかは1時間前に判断されるとのことで、この時点でも見れるかどうかはわかりません。

ホテルをチェックアウトして、バスで再びおーろら乗り場に向かいます。

ちょうどホテルを出た頃に投稿されたおーろらの公式アカウントによるツイートがこちら。

氷がびっしりではなさそうだけど、今度こそ流氷を間近で見られるのかも…?と、期待が高まります。

おーろらリベンジ

バスがおーろら乗船場に到着し、目にした案内板がこちら。

「流氷あり」

初日に絶望感を味わった分、喜びもひとしおです。

「流氷航路」というスタンプが押されたチケットがこんなにも嬉しいなんて…。

おーろらに再び乗船。
港付近の海は薄い氷が多いけど、沖のほうでは白い流氷帯が待ち構えています。

はじめは船内の2階客室から海を眺めていましたが、沖に近づく頃、勇気を出して展望デッキへ。

体感ではおそらく気温がマイナス10度以下で、手袋を装着せずにカメラを構えていると数秒で指先が痛くなるという寒さでしたが、流氷を見れたのが嬉しくて、ひたすら感動していました。

船首側の眺め

一面に広がる氷の上を船が突き進んでいきます。
船首側、船尾側、左右のデッキといろいろな場所からの眺めを楽しんでいたら、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

船の重みで氷にヒビが入っていく様子
ワシっぽい鳥もいました
沖から帰る時の船尾からの眺め
iPhone12の広角モードで撮影したもの

少し雪も降ったりして寒かったし、期待していたような真っ白でめちゃめちゃ分厚い流氷が見れた訳ではなかったけど、流氷というものを間近で見れて本当によかったです。

…と、めちゃめちゃ長くなってしまいましたが、以上が私が流氷を見るまでの話でした。

東京に戻ってからも、引き続き網走付近の流氷の様子はTwitterなどでチェックしていましたが、翌日はもっと分厚い流氷がびっしりと集まったり、またしばらくすると流されてしまっていたりと、同じ景色が見れることはないということがよくわかりました。

今度再び行くことができた時は、どんな景色が見れるのかと思うと、楽しみです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ではまた。








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