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割り箸をパチンと鳴らして「いただきまあ~す」の声が聴こえてきます。

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。           若林 薫


麺硬め 油普通 味濃いめ  SM(15.8×22.7)㎝ アクリル画 M.Kさん



サムホール(15.8×22.7)㎝の小さな画面からはみ出して描いたラーメン鉢
テーブルに置かれたアツアツの鉢からは湯気が立ちのぼり
味噌の香りがその後を追いかけて来ます。
鉢の中身はチャーシューに焼きのり細かく切られたネギが
散らしてあります。

割り箸をパチンと鳴らして「いただきまあ~す」の声が聴こえてきます。
スープを軽く味見して一気に麺をすすります。
スープから少し顔をのぞかせていた硬めの麺がのどを通りすぎます。
もうひとすすりすると体が温まり始め
更にもうひとすすりして「フゥー」とため息をつく
次にチャーシューに箸を伸ばし味の良くしみた柔らかい肉を頂きます。
 
この作品は用器画と言う技法で定規とコンパスを用いて描いています。
この方法はグラフィックデザインで主に使用され
対象物を真上や真横からカメラで撮った様なリアルな形態を
デフォルメ(誇張)したりして視覚的に訴える作業です。
工芸や染織の絵柄などで目にすることが多く有ります。

絵画の世界では1910年頃に誕生した抽象美術が有り
その中でも1919年以降モンドリアンとカンディンスキーが
中心になって行った
幾何学的構成主義的抽象絵画が今回の作品表現に最も近い形ですが
考え方や内容が少し異なります。

もし作者が抽象絵画に興味をお持ちでしたら
その歴史を覗いて見るのも良い事かも知れません。
カンディンスキーらの活動は後のデザイン界に
大変大きな影響を与える事になります。
 
                                                                                 絵画講師 若林薫 評





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